トピックス
アソスキャノンボール! 東京〜大阪を山岳コースで24時間以内に走破せよ
2018.08.08
「ジャック・トンプソン」というオーストラリア人プロライダーを知っているだろうか?
彼の名前を知っているだろうか? おそらく知らないと思う。筆者も知らなかった。29歳の彼は、プロはプロでもロードレースのプロではない。超長距離ライドのプロなのだ。日本ではあまりなじみがないが、欧州、北米ではロードレースよりも長い距離を走るレースや、チャレンジが評価される。距離は1000km以上。それを走るプロもいるのだ。またサイクリングウエアメーカー「アソス」のアンバサダーでもある。
ジャックさんはトランスコンチネンタル(ベルギー~トルコ)、RAAM(アメリカ横断)など、メジャーどころでの戦歴はないものの。2017年1年間の走行距離は5万km! 過去実施したノンストップライドの最長距離は1000km。また中華人民共和国の成都からラオスまで、ヒマラヤ山脈を経由して11日間で走破。総獲得標高は9万m! という、ちょっとやそっとじゃ真似できないようなアドベンチャーライドをクリアしてきた。
そんな彼が日本を訪れたのは、あるチャレンジのためだ。それは「アソスキャノンボール」。東京から大阪まで走るチャレンジを、国内自転車界では通称キャノンボールと呼んでいる。この区間を走る場合、通常なら海岸ルートをたどる。だが、ジャックは「チャレンジングにしたい」という純粋な好奇心から、山岳ルートでの挑戦を選んだのだ。
ジャックさんはトランスコンチネンタル(ベルギー~トルコ)、RAAM(アメリカ横断)など、メジャーどころでの戦歴はないものの。2017年1年間の走行距離は5万km! 過去実施したノンストップライドの最長距離は1000km。また中華人民共和国の成都からラオスまで、ヒマラヤ山脈を経由して11日間で走破。総獲得標高は9万m! という、ちょっとやそっとじゃ真似できないようなアドベンチャーライドをクリアしてきた。
そんな彼が日本を訪れたのは、あるチャレンジのためだ。それは「アソスキャノンボール」。東京から大阪まで走るチャレンジを、国内自転車界では通称キャノンボールと呼んでいる。この区間を走る場合、通常なら海岸ルートをたどる。だが、ジャックは「チャレンジングにしたい」という純粋な好奇心から、山岳ルートでの挑戦を選んだのだ。
アソスキャノンボールのスタートは東京世田谷のアソスプロショップ東京ウエスト
6月29日の昼12時に東京世田谷にあるアソスプロショップ東京ウエストをスタートし、6月30日にオープンするアソスプロショップ大阪のオープニングセレモニーを目指して走るという企画。セレモニーは6月30日の昼12時からだったので、制限時間は24時間というわけ。アソスのインターナショナル・ディストリビューション・マネージャーのマーカス・オードさんの思い付きによって立ち上がった企画で、ルートはジャックさんと二人で相談しながら組んだ。
参加者は当の二人、ジャックさんと発案者のマーカスさん。この二人が全行程を走る。そのほかにも日本でアソスのアンバサダーを務める、篠さんも山梨までジョインした。
■着用したアソスのアイテムはこれ!
当日の東京は梅雨明けが宣言された快晴! ちょっと暑すぎるな……と気温を見ると、30℃。突き刺さるような日差しの中をスタートした。順調なペースで高尾まで。かたや取材のクルマは都内の渋滞に巻き込まれてちっとも追いつかない。
16時40分くらいに笹子トンネルを通過。この前後で一行は休憩をとった。勝沼まで下り基調だが、暑い……。10分以内の短い休憩だけでどんどんと先を急ぐ。すでに篠さんは自分のペースで単独で走っていたが、ジャックさんのペースに合わせていたマーカスさんが消耗して、一気にペースを落とす。ジャックさんは淡々と先を急いでいる。さすがのポテンシャルだ。だいたい130㎞くらい走った。
甲府の街に下りてくると、取材班はちょうど夕方の渋滞にはまった……。
篠さんに追いつき様子を聞くと「自分のペースで行けるほうが楽ですねー。風が強いから、ずっとシッティングしなきゃいけなくて腰にきてます!」と元気そう。
やはり混んでいると自転車が早い。しかし暑い、内陸の甲府は17時すぎというのに33℃。高温多湿の日本特有の暑さにマーカスさんは苦戦。ジャックさんは以外にも淡々と走っている。さすが手練れ。
白州過ぎたあたりで19時前、日没。先頭ジャックさん、篠さん、マーカスさん。20分差マーカスは日中のハイペースがたたったのか、ペースが落ちてきた。
19時で茅野に到着。気温は22℃に。塩尻、信濃川島に差し掛かるところで雨が降りだす。予報より早かった。かなり強い降りだ。篠さんはここまで。
山間部ということもあり、日中に比べてグッと気温が低いエリアを走る。ジャックさんは中津川を0時40分に通過。アソスのウインドブレーカー「シュロスフント」を着用している。雨は上がったが、路面は濡れている。気温20℃。これくらいの気温のほうが調子がよさそうだ。
しかしここで、重大なトラブルが発生。なんとジャックさんが使っていたガーミンのナビが、ハイスピードの下りで段差を通過した衝撃でバイクから外れて路上に落下。さらに運の悪いことに後続のトラックに踏みつぶされて木っ端微塵になってしまったのだ! 「これしか残らなかった……」とジャックさんは、ナビ本体の裏蓋を見せてくれた。
「この先は、道路標識の地名を頼りに走るよ!」と、異国の地でナビを失うというトラブルに見舞われたにもかかわらず、さらっと言ってのけた。
ずいぶん早いペースで名古屋に着いた。4時前!テレビ塔の前を駆け抜ける。当初の予定では、5時台に名古屋エリアを走れれば、朝のラッシュに絡まないで通過できるので理想だ。という話をしていた。気温23℃。
三重県四日市市に6時前 陽が出ると一気に気温が上がりだす。気温の低い時間帯に山間部を走っていたこともあり、その気温差で焼かれるようだ。まだまだ淡々とペダルを踏むジャックさん。6時42分、亀山。グッと晴れる。
9時に伊賀を通過。ジャックさんのスマホがモバイルバッテリーも含めて残量20%を切る……。気温上がって、30℃再び日本の夏らしい気温になってきた。この辺りで、名阪国道を回避したり、そこで使った道が先日の豪雨で工事中だったりと思わぬタイムロスしてしまった。国道163線を飛ばすが、さすがの彼にも疲れが見える。
奈良県の木津で10時 気温は32℃。ちょっと時間がギリギリになってきた……。
いよいよ大阪へ! ショップのオープンに間に合うか!?
清滝峠を超えると大阪の街が遠くに見えた! 四条畷から順調に大阪市へと到着したジャックさんだったが大阪の交通量の多さと、道の複雑さにここでも思わぬタイムロスを発生させてしまった。目標時間の12時は、アソスプロショップ大阪のオープン時間でもある。なんとか間に合わなくては!
ゴールのアソスプロショップ大阪に先回りした取材班に焦りと諦めが入り交じるなか、ギリギリ11時59分にお店に到着!「時間は?」とジャックさん。普段は好奇心と優しさに満ちている表情が、疲れと不安が半分ずつになった顔で彼は聞いてきた。腕時計を見せて「ちょうどだよ!」と伝えると、また元の優しい目に戻った。
彼が使っているSPOTというGPSトラッカーデータによると、走行距離は602km、獲得標高6316mに及んだ。
補給食として
- 14 Onigiri
- 22 Pocari Sweat
(ジャックさんのフェイスブックより)
だった。ほかにも「日本のコンビニはどこにでもあるし、いつでも開いているから便利だね! それから、いろいろなフレーバーの水があるのも気分転換になってよかったよ。コーヒー味があるのは驚いた」とコメント。
いろいろトラブルはあったものの、予定通り24時間でに完走!
ゴールのアソスプロショップ大阪に先回りした取材班に焦りと諦めが入り交じるなか、ギリギリ11時59分にお店に到着!「時間は?」とジャックさん。普段は好奇心と優しさに満ちている表情が、疲れと不安が半分ずつになった顔で彼は聞いてきた。腕時計を見せて「ちょうどだよ!」と伝えると、また元の優しい目に戻った。
彼が使っているSPOTというGPSトラッカーデータによると、走行距離は602km、獲得標高6316mに及んだ。
補給食として
- 14 Onigiri
- 22 Pocari Sweat
(ジャックさんのフェイスブックより)
だった。ほかにも「日本のコンビニはどこにでもあるし、いつでも開いているから便利だね! それから、いろいろなフレーバーの水があるのも気分転換になってよかったよ。コーヒー味があるのは驚いた」とコメント。
いろいろトラブルはあったものの、予定通り24時間でに完走!
ジャックのバイクをチェック!
「軽くて快適性も十分」という理由で、フレームはジャイアント・TCRアドバンスドSLディスクに乗っている。ホイールもジャイアント製チューブレスフルカーボンホイールを使用。タイヤはシュワルベ・ワンチューブレス 700×28mm。身長187cm、体重78kgのジャックは、空気圧85〜90psiにセットすることが多いという。
ペース配分はパワーメーターのパワーを基準にしている「280wで6〜8時間は走り続けることができるので、それを基準にしている」そう。
使用頻度の高いものはハンドルバッグに入れる。それ以外は小型のサドルバッグに収納するスタイル。ボトルは2本。