【速報】2020シーズンのNIPPOはどうなる? デルコ・マルセイユの運営法人が協議開始を発表

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【速報】2020シーズンのNIPPOはどうなる? デルコ・マルセイユの運営法人が協議開始を発表

フランスのチーム運営法人レインボープロサイクリングが、2020シーズン、UCIプロチームとしての活動を共にすべく、スポンサーシップの合意に向けて、NIPPOのチーム運営窓口である大門宏マネージャー(兼監督)と正式な協議を開始したと発表。大門マネージャーは「NIPPOがメインスポンサーの一角を担うことを含めて協議を始めている」とその事実を認める。

プロコンチネンタルチームとして、次のステージへ

レインボープロサイクリングは2019シーズン、フランス籍のUCIプロコンチネンタルチーム「デルコ・マルセイユ プロヴァンス」を運営しており、拠点を南フランスのマルセイユに構える。大門マネージャーは「同チームはアマチュアチームから始まった長いの歴史のなかで数多くのプロ選手を輩出した伝統を持ち、時代の変化とともに国際レースで活躍するグローバルなチームへと変遷を遂げている先鋭的なチーム」と評価する。

チーム名称をはじめとしたチーム体制の公式発表は、UCIから正式に承認される10月以降。まずは、9月下旬の世界選手権時に発表される来季のレースカレンダーをもとにチームのレーススケジュール、日本人選手を含めた最終的なチームの選手構成(20名から22名を予定)、各公式スポンサー等に関して協議が重ねられる。

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UCIプロコンチネンタルチームへと昇格した2015年。初めてジロ・デ・イタリアにも出場した

レインボープロサイクリング、および運営チーム

・これまでの歴史

1974年にアマチュアチーム「ヴェロクラブ・ラポム」が誕生。年々活動規模を拡大させ、マルセイユからフランスを代表する名門チームへと成長し、2003年にアマチュア最高峰のDN1(ディビジョン1)へ昇格する。その後、UCIコンチネンタル登録を経て、2016年からデルコ社(フランス)をメインスポンサーへ迎え、UCIプロコンチネンタルチームとして活動中。これまでに46名のプロ選手を輩出している。

2019年は、フランスをはじめ、イタリア、リトアニアなど8ヶ国、19選手が所属する多国籍チームとして活動。「パリ~ニース」、「パリ~ルーベ」などフランスの名門ワールドツアーレースでワイルドカードを獲得して出場。「パリ~ルーベ」では、シシュケヴィチュス選手が9位でゴールする活躍をみせた。年間レース日数は約180日、アジアやアフリカを含む5大陸すべての大会に参戦するグローバルな活動を行っている。

運営法人のレインボープロサイクリングは、チームとしての活動が拡大した2014年に設立。現在はプロチームの運営を始め、地域の自転車競技普及、若手選手育成のため、さまざまなプロジェクトを推し進めている。

マルセイユと日本自転車競技界の関係

2002年~2004年に高校を卒業し欧州プロをめざして渡欧した別府史之選手(トレック・セガフレード)が2001年、2004年に全日本チャンピオンとなる田代恭崇氏とともに、DN1アマチュアチーム「ヴェロクラブ・ラポム・マルセイユ」に所属。フランス・マルセイユを拠点にしてU23時代を過ごし、プロ選手としての礎を築きあげ、2005年にディスカバリーチャンネルとプロ契約。以後、15シーズンに渡りトップチームで活躍する。チームは当時からヨーロッパ内だけでなく日本やバルト諸国から有能な選手を積極的に受け入れていた。

2014年、2015年は、選手を引退し指導者としてのキャリアを歩み始めた福島晋一氏が、JOCから推薦されスポーツ指導者海外研修員として2年間、コンチネンタルチーム体制の同チームに派遣。監督としての仕事を学び、2016年よりプロコンチネンタルチーム「NIPPO・ヴィーニファンティーニ」に加入。現在は、本場ヨーロッパの環境で、アジアの若手育成に情熱を注ぐ。

株式会社NIPPOと自転車競技

1987年、日本大学を卒業した円谷義広を最初の選手として、日本鋪道レーシングが設立される。円谷は五輪代表選考レースとなる全日本選手権でトラック、ロードレース種目を制してソウル五輪に出場。キャプテンの清野慶大を中心にその後も選手を増やしながら活動を続ける。1990年に欧州で活動していた大門宏が加入。1995年に大門が監督となった頃から活動範囲を欧州へと拡げる。当時から後の世界チャンピオンとなるオスカル・カメンツィント(スイス)ら外国人選手が多く登録し、チーム拠点もフランスやスイス、イタリアなど競技の本場に構えるグローバルなチームとして活動。日本人選手の強化を活動の絶対的方針とし、環境整備には欠かせない監督やスタッフの育成にも熱心に取り組む。

現在はマネージャーを兼任する大門監督のもとNIPPOは一貫してプロチームのメインスポンサーの一角を担うが、2015年からチームのスポンサー規模をワンランクアップさせ、UCIプロコンチネンタルチームのメインスポンサーに躍進。スポンサードするチームが、2015、2016、2019年と世界最高峰のジロ・デ・イタリアへ出場し、日本人選手に狭きグランツール出場の門戸を開き、多くの日本人スタッフも3週間にわたる過酷な大会で貴重な経験を積んだ。

NIPPOは30年以上にわたる自転車競技界での活動を通して、オリンピックや世界選手権に出場する多くの代表選手、監督、スタッフを輩出。さらにツール・ド・北海道をはじめとする国内の主要大会への協賛も続け、国内の自転車競技環境を支え続けている。

NIPPOがスポンサードするチームの移り変わり

1987 日本鋪道レーシングチーム(RAVANELLO)

1988 日本鋪道レーシングチーム(RAVANELLO)

1988 日本鋪道レーシングチーム(RAVANELLO)

1989 日本鋪道レーシングチーム(RAVANELLO)

1990 日本鋪道レーシングチーム(RAVANELLO)

1991 日本鋪道レーシングチーム(RAVANELLO)

1992 日本鋪道レーシングチーム(RAVANELLO)

1993 日本鋪道レーシングチーム(RAVANELLO)

1994 日本鋪道レーシングチーム(RAVANELLO)

1995 日本鋪道レーシングチーム(RAVANELLO)

1996 日本鋪道レーシングチーム(CARRERA)

1997 日本鋪道レーシングチーム(DE ROSA)

1998 3チーム体制

     1. 日本鋪道・ベッソン(ANCHOR)フランス

     2. VCルガーノ・日本鋪道(DE ROSA)スイス/イタリア/日本

     3. ピッティシューズ・日本鋪道・VCルガーノ(COPPI)スイス/イタリア

1999 日本鋪道・ベッソン(ANCHOR)フランス

2000 チーム日本鋪道(COLNAGO)フランス

2001 チーム日本鋪道 P.E.R.C.(COLNAGO)フランス/日本

2002 チームNIPPO・ジュラスイス(COLNAGO)スイス/日本

2003 チームNIPPO(COLNAGO)イタリア/日本

2004 チームNIPPO・ウニカ(FONDRIEST)サンマリノ

2005 チームNIPPO・ウニカ(FONDRIEST)サンマリノ

2006 チームNIPPO・KFS(COLNAGO) イギリス/日本

2007 2チーム体制

     1. チームNIPPO・梅丹本舗・エキップアサダ(ANCHOR)フランス/日本

     2. チームNIPPO・コルナゴ(COLNAGO)

2008 2チーム体制

     1. チームNIPPO・エンデカ(COLNAGO)サンマリノ/日本/イタリア

     2. チームコルナゴ(COLNAGO)

2009 チームNIPPO・コルナゴ(COLNAGO) 日本/ベルギー/イタリア/フランス

2010 チームNIPPO(COLNAGO) 日本/ベルギー/イタリア/フランス

2011 ダンジェロ アンティヌッチ・NIPPOコーポレーション(KYKLOS)イタリア 

2012 チームNIPPO(DE ROSA)イタリア 

2013 チームNIPPO・デローザ(DE ROSA)  イタリア 

2014 ヴィーニファンティーニ・NIPPO・デローザ(DE ROSA)イタリア 

2015 NIPPO・ヴィーニファンティーニ(DE ROSA)イタリア ★UCIプロコンチ

2016 NIPPO・ヴィーニファンティーニ(DE ROSA)イタリア ★UCIプロコンチ

2017 NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ(DE ROSA)イタリア ★UCIプロコンチ

2018 NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ(DE ROSA)イタリア★UCIプロコンチ

2019 NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ(DE ROSA)イタリア ★UCIプロコンチ

2020 レインボープロサイクリングと協議中

※()内は使用バイクブランド

★UCIプロコンチ = UCIプロコンチネンタルチーム登録

秘蔵写真で振り返るNIPPOの歴史

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チーム創設直後、1988年に円谷義広がロードレース、トラック種目でソウル五輪に出場

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選手時代の大門宏現マネージャー。トラック競技ポイントレースでバルセロナ五輪出場、アマ世界選手権6位のリザルトを残す

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1995年には後に(2001年)世界チャンピオンに輝くスイスのオスカル・カメンツィントが加入した

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3チーム体制となった1998年。フランスを拠点した日本鋪道・ベッソンは現在監督を務める水谷壮宏や、ワールドツアーチームの監督として活躍するフィリップ・モデュイが所属

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2007年のチームNIPPO・梅丹本舗・エキップアサダ、新城幸也が全日本選手権ロードレースで勝利

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宮澤崇史が悲願の全日本チャンピオンに輝いた2010年

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2012年のツアー・オブ・ジャパンでは、フォルトゥナート・バリアーニが個人総合優勝、ジュリアン・アレドンドが山岳賞、チーム成績でも総合優勝を達成

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2019年のジロ・デ・イタリアでは悲願の区間優勝