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クロイツィーゲルがクラシックで初優勝　アムステル・ゴールド・レース 2013

2013.04.15

アムステル

ゴール地点が変わった今年のアムステルはサガンとジルベールの闘いになると予想されていたが、クロイツィーゲルが独走で初めてのクラシックタイトルを獲得した

Photo: Graham Watson

新コースをクロイツィーゲルが独走で制覇

オランダ南部リンブルフ州の丘で競われるクラシックレース『アムステル・ゴールド・レース』は、今年ゴール地点が変更し、カウベルフの丘のトップから２km離れた平坦な場所になった。すでにこのゴールレイアウトは昨年のリンブルフ世界選でも使用され、ベルギーのフィリップ・ジルベール（ＢＭＣレーシング）が優勝していた。今年は世界チャンピオンのジルベールと、昨年のアムステルで３位だったペーテル・サガン（キャノンデール）が激しい闘いの火花を散らすのではないかと期待されていた。しかし、大方の予想に反してカウベルフを単独で駆け上がったのは、チェコ出身のロマン・クロイツィーゲル（チームサクソ・ティンコフ）だった。彼はゴール手前７kmからのアタックを成功させ、独走でアムステルの新しいゴールラインに飛び込んだ。今年デンマークのチームサクソ・ティンコフへ移籍し、ツール・ド・フランスでアルベルト・コンタドールの頼もしいアシストとなるだろうクロイツィーゲルにとって、アムステル・ゴールド・レース制覇は最初から今シーズンの目標の１つだった。

250kmで競われた第48回アムステル・ゴールド・レースは、曇り空のマーストリヒトからスタートしたが、気温は20度Cを越える予報で、ヨーロッパにもやっと春が到来した。レースは3km地点からヨハン・バンスンメレン（ガーミン・シャープ）がアタックし、ティム・ドトロイエルとニコラ・ボゴンディ（アクセントジョブス）、クラース・セイス（クレラン・ユーフォニー）、アレクサンドル・プリウシン（ＩＡＭサイクリング）、アルチュール・バノーフェルベルフ（トップスポルト・ブラーンデレン）、ミケル・アスタロサ（エウスカルテル・エウスカディ）とともに逃げグループを形成した。7人は54km地点の最初のカウベルフの丘で、キャノンデールとブランコプロがコントロールする集団に10分差を付けていた。

集団では157km地点で大落車が発生し、アルカンシエルのジルベールやアンディ・シュレク（レディオシャック・レオパード）、トーマ・ボークレール（チームヨーロッパカー）が巻き込まれてしまった。ボークレールはそのまま病院へ搬送され、鎖骨を骨折していると診断された。シュレクもリタイアでレースを終えている。この落車でメイン集団は一時分断したが、ジルベールのＢＭＣとオリカ・グリーンエッジの働きで間もなく１つに戻った。先頭ではゴールまで残り53km地点のロールベルフの丘でバンスンメレンがアタックし、アスタルロサとプリウシンだけが彼に付いていくことができた。集団では残り44kmで、ホアキン・ロドリゲス（カチューシャ）が落車。自転車を交換してレースに復帰したが、彼も結局リタイアした。

ゴールまで残り38km地点のアイゼンボスウェフの丘で、先頭からアスタルロサがアタックし、独走を続けた。逃げとのタイム差が3分を切った集団からは、地元オランダのピーテル・ウィーニンフ（オリカ・グリーンエッジ）がアタックし、ラルスペテル・ノルドハウとデービッド・タナー（ブランコプロ）、アンドレイ・グリフコ（アスタナ）が合流して先頭のアスタルロサを追った。残り20km地点の３度目のカウベルフの丘では、集団からマルコ・マルカート（バカンソレイユ・ＤＣＭ）がアタック。クロイツィーゲルとジャンパウロ・カルーゾ（カチューシャ）が合流し、３人で先行していた選手たちを追いかけた。

ゴールまで残り17kmでアスタルロサは追走グループに捕まり、10kmで先頭はクロイツィーゲル、ノルドハウ、カルーゾ、グリフコの４人になっていた。ここから最初に仕掛けたのはノルドハウだったが抜け出せず、残り7kmでアタックを決めたのがクロイツィーゲルだった。30人ほどに減っていた集団とクロイツィーゲルのタイム差は、残り3kmの最後のカウベルフのふもとで25秒差だった。カウベルフではアルカンシエルのジルベールがアタックしたが、この日は世界選で見せたような脚はなかった。クロイツィーゲルはそのままタイム差をキープし、クラシックで初めての勝利を手中に収めた。ジルベールは２位争いのスプリント勝負でも破れ、５位でレースを終えている。

■優勝したクロイツィーゲルのコメント「今日はボクとニキ・セーレンセンがリーダーで、カールステン・クローンがナビゲーターだった。ボクたちは目標を達成するにはいい状態だった。チームが素晴らしい仕事をしてくれたから、ボクは最後の準備が万全で、ずっと自分の強さを感じていた。カウベルフの最後の上りでは、ただ下を見てあまり多くのことは考えていなかった。この優勝は本当にうれしい。チームの働きも上手くいっている。多分今夜はシャンパンで乾杯するだろう。でも、ボクたちの前には厳しい１週間が待ちかまえているから、自分たちの仕事に集中しないとね」