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力強さを身につけたオールラウンダー、クォータ・KOM

キング・オブ・マウンテン(King of Mountain)の略号を車名に冠したクォータの旗艦モデル「KOM」。初代の登場以降「KOMエボ」「KOMエアー」と進化を遂げ、2014年はふたたび「KOM」の車名に回帰した。そのコンセプトは、スプリンターの要求にも応える剛性を持つ高性能オールラウンドモデル。

 

text:吉本 司 photo:岡 拓

初代を連想させるボリューム感

昨年発表された重量780gの「KOMエアー」は、軽さを求めて比較的スリムなフレーム形状だったが、新型の「KOM」はボリュームたっぷりなフォルムに変ぼうを遂げた。

 

また初代の「KOM」の特徴であったダウンチューブとシートチューブの間に設けられたブリッジも復活するなど、フレームのボリューム感も含めて初代を連想させる。

 

もちろん最新トレンドはしっかりと押さえられている。テーパードヘッドにBB386規格のハンガーシェルを装備し、ヘッドからダウンチューブのラインはかなり極太に設計され、パワーライドにも負けない剛性が追求されている。

 

ワイヤ類を内蔵し、一体感のあるヘッドチューブとフォーククラウンのデザインは空力に配慮したもの。そして乗り心地を高めるために横扁平したシートチューブなど、レーシングバイクに必要な要素がほどよく盛り込まれている。

 

重量は940g(フォーク380g)なので超軽量とはいえないが、スプリントから上りまでオールラウンドなレース性能を考えれば必要にして十分といえる。

 

クォータ・KOM

フレーム価格 39万5000円

※12月発売予定

 

フレーム:カーボン

フォーク:カーボン

コンポーネント:シマノ・デュラエース9000

ホイール:ライトウェイト・マイルシュタインオーバーマイヤー

タイヤ:ヴィットリア・コルサエボCX

ハンドルバー:デダ・スーパーレジェーラ31カーボンコンパクトハンドル

ステム:デダ・スーパレジェー31ステム

サドル:プロロゴ・スクラッチプロ134NACK

シートポスト:オリジナルシートポスト

試乗車実測重量:6.13kg(サイズM、ペダルなし)

サイズ:XXS(435)、XS(465)、M(515)、L(535)

カラー:ホワイト×レッド、ダークグレー、グリーン×ホワイト

 

■横幅の大きさが際立つフォークブレード。安定したハンドリングに貢献する。空力への配慮から、クラウン周辺に切り欠きが入る。

 

■KOMエボから受け継ぐ、横方向への扁平形状を大きく設計したモノステー。ねじれ剛性を高めつつ、乗り心地のよさを両立させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

■横方向に目一杯広げたヘッド&ダウンチューブを接合し、大きな断面積でヘッド部のねじれ剛性を高める。前方の突起は空力への意識。

 

 

■角形に近い断面に成型された大きなボリュームを持つダウンチューブ。パワーラインの過剰性を防ぐために肉厚はかなり薄い仕上げ。

 

■KOMの特徴ともいえるダウンチューブとシートチューブをまたぐ補強。BB336規格とともに、しっかりとしたハンガー剛性を演出。

 

 

 

 

 

 

 

■角形断面のチェーンステーは初代を思い出させる。ウイップが生じやすい部分の断面積を大きくした設計でパワーロスを防ぐ。

 

吉本 司の試乗インプレッション

ボリュームのあるルックスどおり、とくにフロントまわりの剛性は高い。しかしながら、チューブが肉薄なので、それが剛性過多をある程度緩和している。

 

前三角の高剛性は、加速でバイクの振りにシャープさを生み、なおかつペダリングの軽さにも貢献する。低~中速域の加速感はライトウェイトのホイールを差し引いても軽い。

 

ただし高速域となると、ある程度パワーを持つライダーのほうが、前三角の剛性の高さをより加速の鋭さへとつなげられるだろう。スプリンターにも対応するというコンセプトもうなずける。

 

速度の緩急を必要とする走りにも素直に対応するが、一定ペースで高い速度を維持しながら走らせるほうが好印象。上りの走りはダンシングよりも、シッティングで軽めのギヤを回していくほうがよく進む。

 

乗り心地は、フロント側の剛性の高さゆえ、荒い舗装では少々ピリピリとした感じを手に伝えやすいが、リヤ側はレースバイクとして十分な快適性だ。

 

 

 

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