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DEDACCIAI STRADA RAN
2013.03.03
伝説の軽量チューブメーカーが考える軽量バイク
「ラン」は、フレーム重量810gと、今までの最軽量モデルであるスーパースクーロよりも210g(カタログ値)軽量に仕上げられている。最近のモデルと比べると、各部のチューブは細身で、すっきりとしたグラフィックとともに軽やかな見た目に仕上がっている。また、ヘッドチューブの下ワンベアリング径は1.5インチではなく、1.1/4インチを採用。シートポスト径についても27.2mmを採用することで、軽さを追求している。
フレーム素材については、MR60とHR40というハイモジュラスカーボンを使用。ヘッドチューブ、BBのように剛性が必要な部分と、トップチューブやシートステーなど、しなりが求められる部分とで使い分けている。ワイヤ類は、シフトワイヤは内蔵されず、オーソドックスにフレーム外側を通るルーティング。リヤブレーキのみ内蔵処理が施される。電動コンポーネントとの組合せについては、内蔵処理対応済み。もちろん、バッテリーを取り付ける台座と、ワイヤをフレーム内に引き込む穴開け処理も最初から行なわれている。ロードバイク中級者にお勧めできるモデルとして、最適なバランスに仕上がっているということだ。
デダチャイ ストラーダ・ラン
フレームセット価格:31万8000円
シマノ・デュラエース完成車価格:66万2500円
フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
コンポーネント:シマノ・デュラエース
ホイール:ライトウエイト・ヴァントゥー
タイヤ:ヴェロフレックス・レコード 700×22C
ハンドルバー:デダ・ゼロ100-31 コンパクトハンドル
ステム:デダ・ゼロセルヴィッツィオ コルセ31ステム
サドル:プロロゴ・ゼロ II TS
シートポスト:デダ・ゼロ100シートピラー
試乗車実測重量:5.965kg(Mサイズ、ペダルなし)
サイズ:XS、S、M、L
カラー:マットブラック、グロッシーホワイト
■写真下・左:ストレートフォークを採用。エンドとコラムまでフルカーボンでできている。軽量バイクではあるが、かなりしっかりしたフォークが搭載されている。剛性に不満はない。
■写真下・中:ヘッドチューブのベアリングは下ワンに1-1/4インチを採用。主流の1.5インチにしてしまうと、大径のぶん重量がかさんでしまう。軽さと剛性のバランスを考慮したサイズだ。
■写真下・右:振動吸収性をアップするために細身のシートステーを採用。集合部分も左右別々だ。シートチューブとの接点をトップチューブよりも下にすることで振動吸収性を上げている。
■写真下・左:リヤエンドまでフルカーボン製で、かつ薄く作られている。細かい部分だが、軽さへのこだわりが見て取れる。
■写真下・右:ダウンチューブの裏側に設けられた電動コンポーネント用のバッテリー台座。ダウンチューブの表側にバッテリーを取り付けることも考え、そちら側にもケーブル入り口がある。
■フロントディレーラーバンドの下に設けられた穴。電動コンポーネントを使用するときにケーブルを通すための穴が隠してある。
CYCLE SPORTS.jp編集長・ナカジの試乗インプレッション
軽く、ニュートラルな乗り味を持つ「ラン」。ヘッドチューブの1-1/4インチ径のベアリングが、ヘッドチューブの剛性アップを抑え気味にしていて、ハンドリングが軽すぎるということがなく扱いやすい。ダウンチューブ側をしっかりと作り、トップチューブ側でしなりをもたせるという定番のフレームバランスだと感じる。
BBはノーマルのスレッドタイプ。ペダリングとあわせて気持ちよいリズムで受け止めてくれるので、腰からの力が自分のタイミングと合ってバイクに伝わっていく。またトップチューブは中央部分がくびれていて、ヒザをよくぶつけると感じているライダーには好印象だろう。シートステーは見た目どおり、バックからの突き上げも抑えられ、体への負担も少ない印象だ。全体的に剛性というよりは、軽さとしなりを前面に押し出したバイクなので、ホビーライダーが耐久レースやヒルクライムレースに使うには十分気持ちよく走ることができるだろう。トップホビーレーサーほどのペダリングパワーを発揮できる人にとっては、ややもの足りないと感じる部分もあると思う。軽量だけれども、走りは適度にしなやかさをもったフレームが欲しい。買い替えを考えて、より軽いバイクを探しているけれど、剛性が際立っているバイクは苦手。そんなユーザーにお勧めしたい。
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