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ホイールインプレの読み解き方 アルミクリンチャー編

3月号のホイールインプレッション企画「最先端ホイール一気乗り」のテーマは『最新鋭』。数年以内に発売もしくはモデルチェンジされた新しいモデルに限定し、各ブランドのトップグレードを主軸にメーカーの個性や開発者の意図を強く感じ取ることのできるホイールを集めた。それらをアルミクリンチャー、フルカーボンミドルハイト、特殊構造、スーパーディープの4つのカテゴリに分け、インプレッションを行なった。各カテゴリの“今”について、評者3人が語る。その、アルミクリンチャー編。
text●安井行生 photo●山内潤也

定番ホイールはどこへ向かうのか?

デイリーユースから決戦まで幅広く使われる、リム素材を主にアルミとするクリンチャーホイール(シマノとエドコはカーボンとのコンポジット)。幅広い用途が想定される激戦区である。インプレッションの前に、このカテゴリの進化とその方向について評者3人に聞いた。

新技術によりアルミ復権の兆し

安井:最近このカテゴリは、あまり大きな動きがなかったような気がしてたんですよ。定番のキシリウムがあってシャマルがあってデュラエースがあって。個人的には、そこにマヴィックのエグザリット系モデルが一石を投じたような気がするんです。アルミリムの世界がガラリと変わったような。アルミリムってやっぱりいいなと分からせてくれたというか。モノの面白さも含めて、高級機材ユーザー達の目をもう一度アルミリムに向かせたモデルじゃないかなと。個人的な印象ですが。 岩佐:アルミがカーボンにどうしても勝てなかったのって軽さじゃないですか。Rシスの登場でそのあたりの状況がずいぶんかわってきたように思います。Rシスはカーボンホイールに食い込めるくらいの実力がある。 小笠原:今のアルミリムのトップモデルは、一世代前のカーボンホイールよりよくなってますよね。反応性も快適性も。トータルのレベルが上がってきていると思いますね。例えばC24やRシスは驚異的に乗り心地がいいし。そこらへんはすごく評価できます。下手にカーボン買うより、アルミのトップモデルを選ぶのもアリだと。 安井:ブレーキ面の精度もアルミリムに分があります。 小笠原:ですね。カーボンがどんだけ頑張っても、やっぱりアルミにはかなわない。 岩佐:個人的には、数年前のアルミクリンチャーに比べて、今のものは総じてソフトになってきていると思います。乗り心地の重要性に気付いてきたというのか。ただ硬いだけじゃダメだよね、と。マヴィックもカンパ系も乗り心地が明らかにまろやかになってきてます。 安井:確かに、ガチガチでこりゃイカン!というものは少なくなりましたね。 岩佐:フレームもホイールも、剛性追求がひと段落して、ニュートラルというか万能型になってきているような気がしますけどね。全体的に。 安井:なるほど。でも、エグザリット投入によって跳ねたとはいえ、以前みたいにアルミリムモデルのマーケットは元気じゃなくなってきたような気がしますね。 岩佐:アルミのいいところをカーボンリムでも実現できるようになってきましたから。今のカーボンリムは丈夫だし、リム面精度もよくなってきましたし、安くなったし。雨天ではいまだに制動力に差があると思いますが、トップモデルに限れば、アルミリムモデルがだいぶカーボンに追い付いてきた感があります。そのうち、アルミとカーボンを分けて考える必要がなくなってくるのかもしれません。 本誌掲載モデル ●ボントレガー・レースXライトTLR ●カンパニョーロ・シロッコH35mm ●エドコ・オプティマアルブラ ●マヴィック・キシリウムSL S ●マヴィック・Rシス SLR ●シマノ・WH-9000-C24-CL ・あわせて読みたい! ホイールインプレッション その前に! ホイールインプレの読み解き方 ホイールインプレの読み解き方 ミドルハイトカーボンホイール編 ホイールインプレの読み解き方 特殊構造ホイール編 ホイールインプレの読み解き方 スーパーディープ編

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サイクルスポーツ 2012年 3月号
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