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BH G6 Gシリーズ最新のエアロロード
2013.03.15
2013年、プロコンチネンタルチーム「ソールソジャサン」の主要機に
空力の効果を最大限にするため、チューブには最近の流行である翼断面形状の後端を切り落としたカムテール構造をダウン&シートチューブに採用。さらにフロントフォークとヘッドまわりに一体感のあるデザインを施すなどして、エアロダイナミクスは前作のG5に比べて11%の向上を実現した。
もちろん空力面だけでなく、駆動効率を向上するための剛性強化も図られ、同社の軽量モデル、ウルトラライトから受け継ぐカーボン技術の「インナーモールドテクノロジー」が高い重量比剛性を実現するための元となる。加えてハンガーシェルにはBHがFSAと共同開発したオーバーサイズ設計のBB386エボを搭載し、大きなボリュームを持つハンガー部により駆動効率を高めるためのパワーラインが強化される。フレーム単体重量は950gで、G5より100gほど重くなった。それはG6が軽さにこだわったモデルではなく、空力と剛性の向上によって得られるオールラウンドな走行性能を高次元で目指した結果といえる。すでに同社では、フレーム単体重量760gを実現したウルトラライトをラインナップするので、軽さを求めるのならそれを選べばいいだろう。
今年からBHでは新たにフランスのプロコンチネンタルチーム「ソールソジャサン」にバイク供給を行うが、その主要機はG6であり、ウルトラライトはグランツールの山岳ステージなどに投入される予定だ。おそらく今季のプロレースにおいて、G6の活躍する姿を多く目にすることだろう。
BH G6
フレームセット価格 33万6000円
フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
コンポーネント:シマノ・デュラエース9000
ホイール:シマノ・デュラエースC35-TU
タイヤ:ヴィットリア・コルサエボCX 700×23C
ハンドルバー:3T・エルゴズムLTD
ステム:3T・ARX LTD
サドル:プロロゴ・カッパT2.0
シートポスト:専用品
試乗車実測重量:6.515kg(サイズ64、ペダルなし)
サイズ:53、60、64、68
カラー:レッド、ブルー
■写真下・左:エアロダイナミクスを高めるために翼断面形状を強く意識したフォークブレード。フォーククラウンとヘッドチューブ下側も余分な隙間のないように作られ、空気抵抗を最小限に抑える。
■写真下・中:エアロロードらしく、ヘッドチューブ後方を翼断面に成型して空気抵抗を削減する。ヘッドチューブの下側はワンポイントファイブ規格として、フロントセクションの剛性強化を行なう。
■写真下・右:エアロロードは縦方向に硬く振動吸収性が悪くなる傾向にあるが、それを解消するためG6では2本式のシートステーを極細の形状として乗り心地のよさとねじれ剛性の高さを両立する。
■写真下・左:シートステー同様、乗り心地の向上と高剛性を実現するパワーラインとのバランスをとるために、トップチューブは横扁平したあとシートチューブに向かって細くなる形状にして柔軟性が与えられる。
■写真下・右:BB386エボのハンガーシェルを軸に、BBまわりは大きなボリュームを持つ。ハンガー上部をボックス状に成型するのはサーヴェロ・S5に共通する構造で、エアロロードのトレンドの一つだ。
■セミインテグレーテッドタイプのシート部は、サドル高さを広範囲に調整できるので実践的な仕様といえる。左右2本のボルトでポストの固定を行なうため、エアロ形状でも確実だ。
吉本 司の試乗インプレッション
G5に比べると、G6はかなり剛性がアップした印象を受ける。やはり100gの重量増は、確実に剛性レベルの向上につなげられている。とはいえガチガチという印象はない。踏み応えは十分にあるものの、脚にかかる負担は少なく気持ちのいいペダリングをできるのが好印象だ。それがG6の大きな魅力となる加速のよさに貢献している。950gというフレーム重量だが、身のこなしの軽さや加速のシャープさは、実際の重さ以上といえるだろう。エアロロードという位置付けだが、その軽快な走りは軽量モデル的なフィーリングが得られる。したがってアタックや上り口での加速、また上りでのダンシングといった場面ではその軽さが有利に働くだろう。
エアロロードとしての高速巡航性も十分なレベル。トルクをじわりとかけ続けるようなペダリングをしながら高速を維持するような走りもしっかりと許容してくれる。また高速の伸びも十分納得できるレベルといえるだろう。乗り心地についてもエアロロードとしては良好なレベル。性能のバランスが非常に優れており、スピード変化の大きなコースから高速レースまで十分に対応できるオールラウンドなエアロロードといえるだろう。前作から性能は大幅に進化したと感じた。
原稿を執筆する段階まで価格は知らなかったのだが、フレームセットで30万円台前半と知って驚いた。性能そのものもハイエンドモデルとして十二分な魅力を持っているが、そのプライスパフォーマンスの高さは2013年モデルのなかでも屈指といえる存在だ。
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