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台湾発・TRIGON RQC28
2013.02.08
誰にでも扱いやすいニュートラルバイク
フレームにはトライゴン専用の高温成型技術で作られたヴィーナスC7カーボンを使用。トライゴンのバイクラインナップに使用されるカーボンのなかで3つ目のグレードのものだ。モノコック製造のフレームを製造する工程では、成型する際にフレーム内側から圧力をかける。その方法としてトライゴンでは風船のようなものを膨らませて圧力をかけるのではなく、個体状のものをフレーム内側に入れて圧をかける「ハイパクト」という技術を使用する。これによりカーボンをより高密度に成型できると同時に、強度が落ちる原因である気泡を最小限に抑えることができる。またFEA(有限要素解析)を用いてフレームを設計することにより、カーボンの積層を強度と重量が最適なバランスになるよう仕上げている。
各部の規格については、ヘッドチューブが上下異径となっている以外はBBとシートポストはノーマルの規格となっておとなしめ。ワイヤ類もすべてフレーム外側を通る仕様となっている。コンポーネントにスラム・アペックスを搭載した完成車も用意されているのだが、ハンドル幅とステムの長さを指定して購入することが可能だ。このグレードながら、最初から自分のポジションに合ったバイクを手に入れられるようなシステムが用意されているのはすばらしい。所有している人が少ないブランドなので、人とかぶらないバイクが欲しい人は選択肢に入るだろう。
トライゴン・アールキューシー28
フレーム価格 15万7500円
スラム・アペックス完成車価格 30万4500円
フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
コンポーネント:スラム・アペックス
ホイール:イントレピッド・RC24
タイヤ:マキシス・デトネイター 700×23C
ハンドルバー:FSA・ゴッサマー31 ニューエルゴハンドル
ステム:FSA・OS99
サドル:プロロゴ・スクラッチプロTS
シートポスト:トライゴン・SP107
試乗車実測重量:7.59kg(49サイズ、ペダルなし)
サイズ:46、49、52、55、58
カラー:マットブラック
■写真下・左:ゆるやかにベンドしたフォークは、ブレード後ろに向かうにつれて薄くなる。エアロダイナミクスを意識した形状。フォークコラムまでカーボンでできている。
■写真下・中:上ワン1-1/8インチ径、下ワンが1.5インチ径のベアリングを採用する。ブレーキング時やハンドリングの性能をアップするために今や欠かせない規格だ。ワイヤ類はすべてフレーム外側を通る。
■ゆるやかなカーブを描き、リブが設けられたシートステー。「オブリックス」というコンセプトに基づき、強度と剛性を考えた最適な断面形状を与えられている。
■写真下・左:シートポストはノーマルタイプを採用する。径は31.6mm。調整幅が大きいので入門者にも優しい設計といえる。フレームセット購入時にはシートポストは含まれない。
■写真下・右:最近は各メーカーで独自規格を採用することが増えたBBだが、ノーマルのスレッドタイプを使用。コンポーネントメーカーの純正クランクがすんなり取り付けられる。
■ダウンチューブの上側全体に大きめのリブが設けられている。ペダルからのパワーを受け止めるうえで重要なダウンチューブに縦方向の剛性を確保するための加工だ。
CYCLE SPORTS.jp編集長・ナカジの試乗インプレッション
エントリーグレードということで、価格も約16万円と抑えられたフレームであるが、マットブラックのカラーリングをまとったたたずまいは、落ち着いた雰囲気をもち安っぽさはない。上位グレードの2大が赤白黒のいかにもレースバイクというカラーリングを施しているのに対して、大人っぽいバイクに仕上がっている。ホリゾンタルに近いジオメトリーも見た目の落ち着きにひと役買っている。
走り出してみると、クセがなくて扱いやすい。フレーム各部のチューブはそれなりのボリュームを持っているのだが、ガチガチの剛性で固められているというよりはフレーム全体で振動をいなしている印象だ。トルクをかけてガンガン加速していきたいときに、もう少しフレームがはじき返してくれてもいいかなと思わなくもないのだが、そこは好みや体重によるところも大きい。
高剛性のバイクはペダルを踏み込んでいったときの加速や、ハンドルを切ったときの挙動の素早さが気持ち良く、これぞロードバイク!という感覚を味わうことができる。だがその反面ロードバイク入門者には反応がよすぎて扱いきれないこともあるだろう。
その点、RQC28はフレンドリーな乗り味といえる。ロングライドでも、サーキット耐久レースでもオールラウンドに使うことができる。また、クランクやブレーキ、シートポストなど、最近のバイクに多い特殊な規格を採用していないので、パーツの選択肢がたくさんあって、自分の好みのバイクに仕上げていく楽しみがある。
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