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ストイックに軽さを追い求めたオールラウンダー ニールプライド・ビューラSL
2013.01.11
数年前までの軽量バイクのイメージを覆す走り
自分は、数年前までの、いかにも軽量バイク!という乗り味が苦手だ。ペダルを踏み込めば、確かにわかりやすい反応を返してくれて、車重が軽いのでぱんっとはじけるように加速する。その反面、タイヤが路面から数mm浮いているかのような、どこか落ち着きのない挙動が、苦手だった。
ビューラSLはフレーム重量は軽い。が、乗り味はかつての軽量バイクのそれとはまったく異なるもの。細いシートステーは見た目から想像されるとおり、リヤからの突き上げを抑える。それに加えて、荒れた路面ではリヤホイールの跳ねを抑える効果も感じた。軽さ故に路面からはじき飛ばされてしまうことがなく、躊躇せずにペダルに力をこめることができた。
軽量バイクらしい長所もあわせもっている。走行ラインの変更など、ハンドリングはすいすいと機敏な反応をかえしてくれる。また、ダンシングでバイクを振ったときの振りやすさを感じだ。Sサイズを試乗したのだが、BB下がりが大き目なのも影響しているのかもしれない。
軽さと剛性の両立をストイックに突き詰めた各部の形状
(写真左下)ヘッドチューブ後ろ側には、剛性を強化するためのリブが設けられている。リヤブレーキワイヤは特徴的なルーティング。ヘッドチューブを貫通して、再びリブの真横からフレーム外側を通る
(写真右下)BBにはプレスフィット30を採用している。これにより、フレーム側にBBを受ける金属パーツが必要ないので、より軽く。かつ、剛性も確保したBB回りに仕上げることができる
(写真左下)設計上ではシートステーがなくても走行可能なフレームを作ることができるが、レースで使えなくては意味がない。UCI規定を通過できる最低限の細さとすることで軽さと振動吸収性を両立
(写真右下)フロントフォーク並に太く四角いチューブを採用したチェーンステー。リヤエンドからシートテーまで一体成形され、パワー伝達効率を損なわず、軽さとの両立を果たしている