トピックス

TIME 2013年フラッグシップモデル ZXRS

誰もがあこがれるブランド「タイム」は1986年にクリップレスペダルメーカーのタイムスポーツ社として創業。1989年に、その年のツール・ド・フランスを制したグレッグ・レモンが使っていたフレームメーカーTVT社を吸収合併し、フレームメーカーとしての道を歩んできた。2013年のフラッグシップ「ZXRS」をナカジ編集長が試乗した。
text::中島丈博 photo:佐藤正巳

2013年のフラッグシップモデル

先代の「RXRSアルチウム」からの変更点は、各フレームがラグでつながれていたのに対し、フロント3角はモノコック構造を採用し、それぞれのチューブのボリュームを17%アップしたこと。RXRSに対してHMカーボン層を1枚追加することで、ねじれ剛性を前三角で45%、BBで17%アップし、重量は50g軽く仕上げている。ヘッドチューブは上下同径のままだが、チェーンステーは右よりも左側が大きなボリュームをもつ非対称になり、ねじれ剛性が10%向上した。フレームセットには同社のモノリンクステムも含まれる。フレームとのバランスを考えたモジュールコンセプトに基づいて設計されたものである。 数字だけを見れば各部の剛性がアップしているが、実際にRXRSと乗り比べてみた印象は必ずしもこの数字どおりではなかった。RXRSはペダルを踏み込んでいったときにシンプルな硬さを有しているけれど、それに対してZXRSは高剛性フレームについてよく言われる「パリパリ」の高剛性化は行われていない。ニュートラルなバランスのアップに気を使っているように感じた。決してこのバイクが進まなくなったということではない。その逆、ペダルに力をこめればしなりが効いて、快適な加速を味わうことができる。しなるといっても自分の体重では「もっさり」という印象にはならないし、ストレートの加速も時速40kmから踏み込んでいくと、まるで後ろから押されているかのようにスピードが上がる。 速度だけを見れば同じように加速できるバイクはあるだろうが、ZXRSのフィーリングが個人的には非常に好みだ。価格は高いが、買って損はしない。お財布が厳しいときは試乗しないほうが賢明だ。

タイム ZXRS

フレーム価格 46万2000円(特別カラー 47万2500円) ※ステムが付属。ステムの長さは選択可能。 フレーム:カーボン フォーク:カーボン コンポーネント:カンパニョーロ・スーパーレコード ホイール:カンパニョーロ・ボーラワン タイヤ:ハッチンソン・カーボンコンプ ハンドルバー:タイム・エルゴフォース ステム:タイム・モノリンクアルティウムステム サドル:サンマルコ・コンコールレーシング シートポスト:トランスリンクシートポスト、レーシングウィッシュボーン 試乗車実測重量:6.425kg(Sサイズ、ペダルなし) サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL カラー:チーム12、ネイチャー 特別カラー:ビップ、ブラックレーベル
■写真下・左:トップチューブの内側にシートチューブが差し込まれている特徴的な接合パターン。 ■写真下・右:フォークコラムのネジにヘッド上部をねじ込んで止めるクイックヘッドセット機構は健在。ベアリングは上下同径。
■写真下・左:ハンドルクランプ部が2本ボルト締めだったのが、4本に変更。ボリュームもアップし、剛性が上がっている。フレームセットに含まれる。 ■写真下・右:RXRSではなだらかだった、トップチューブとヘッドチューブ接合部のリブに「こぶ」が付いた。これにより空力性能がアップしている。

問い合わせ先

ダイナソア
0742-64-3555
http://www.dinosaur-gr.com/