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スプリンターのクラシックでマルカートが逃げ切り優勝 パリ~ツール2012
2012.10.08
イタリアのマルカートが最速記録で逃げ切り優勝!
106回目を数えるスプリンターのクラシック、パリ~ツール(ヨーロツパツアー1.HC)は、皮肉なことに今年も集団ゴールスプリントにはならなかった。レースは残り20kmで集団からアタックしたマルコ・マルカート(バカンソレイユ・DCM)、ローレンス・ドフリース(トップスポルトブラーンデレン・メルカトル)、ニキ・テルプストラ(オメガファルマ・クイックステップ)の3人が逃げ切り、3つ巴のゴールスプリントを制してイタリア人のマルカートが初優勝を飾った。マルカートは昨年このレースでグレッグ・バンアーベルマート(BMCレーシング)と一騎打ちのゴール勝負をしたが、脚の痙攣に見舞われて2位になっていた。
シャトーヌフ・アン・ティムレからツールまでの235.5kmで競われた今年のパリ~ツールは、2km地点で地元フランスのシルバン・シャバネル(オメガファルマ・クイックステップ)がアタックして始まった。すぐにチームメートのジェローム・ピノー(オメガファルマ・クイックステップ)、アルノー・ジェラール(FDJ・ビッグマット)、ミカエル・モルコフとカルステン・クローン(チームサクソバンク・ティンコフバンク)、ラースロ・ボドロギ(チームタイプワン)、ウィルコ・ケルデルマン(ラボバンク)、マイケル・ヘップバーン(オリカ・グリーンエッジ、ヤニック・タラバルドン(ソール・ソジャスン)、ガティス・スムクリス(カチューシャ)、クーン・デコルト(チームアルゴス・シマノ)が追いつき、この日の逃げ集団は11人になった。しかし、集団とのタイム差は5分以上には開かなかった。この日はスタートから2時間の平均時速が48.9km/hという高速レースだった。
ゴールまで残り40km、集団とのタイム差が20秒に縮まっていた逃げグループからモルコフが単独でアタックして抵抗を続けた。集団からは残り22kmでテルプストラがアタックし、マルカート、ドフリース、ローラン・ピション(ブルターニュ・シュレール)、ロイ・クルフェルス(チームアルゴス・シマノ)、セバスティアン・テュルゴー(ヨーロッパカー)、ジュリアン・ベラール(AG2R・ラモンディアル)が合流して追走集団を形成し、残り18kmでモルコフを捕らえた。集団では残り13kmで落車が発生し、追走の脚は一時緩められてしまった。
先頭ではマルカートが残り10kmでアタック。ついて行けたのはテルプストラ、ドフリースだけだった。3人はわずかな秒差を守って逃げ続け、フラムルージュでタイム差はたった19秒だった。集団からはドイツ人スプリンターのジョン・デゲンコルプ(チームアルゴス・シマノ)が単独でアタックし、ゴールのグラモン大通りの直線で追い上げたが、結局3人を捕らえることはできなかった。先頭では牽制しあう3人の逃げから残り300メートルで最初に仕掛けたのはテルブストラだった。しかしすぐにマルカートが追い抜き、ドフリースが後輪に付いた。マルカートは右に大きく車線変更して先頭でゴールラインを通過したが、ドフリースは反則だと不満をあらわにした。しかし、審判はマルカートを勝者として認め、彼は28歳で初めてクラシックのビッグタイトルを獲得した。「これはボクのキャリアで最高の勝利だ。チームはボクを信じてくれたし、ボクは彼らがしてくれた働きにとても感謝している。こんなすばらしい最終成績で冬を迎えられるなんて素晴らしいよ」と、マルカートは喜びを語っている。フランスのレキップ紙によればこの日の平均時速は48.629km/hで、2010年に優勝したオスカル・フレイレの47.730km/hを抜き、パリ~ツール史上最速記録を更新した。
第106回パリ~ツール結果
1 マルコ・マルカート(バカンソレイユ・DCM/イタリア)4時間50分34秒
2 ローレンス・ドフリース(トップスポルトブラーンデレン・メルカトル/ベルギー)
3 ニキ・テルプストラ(オメガファルマ・クイックステップ/オランダ)
4 ジョン・デゲンコルプ(チームアルゴス・シマノ/ドイツ)+6秒
5 ローラン・ピション(ブルターニュ・シュレール/フランス)+12秒
6 グレッグ・バンアーベルマート(BMCレーシング/ベルギー)+12秒
7 ビヨルン・ルークマンス(バカンソレイユ・DCM/ベルギー)+12秒
8 ジョナタン・イベール(ソール・ソジャスン/フランス)+19秒
9 イェンス・ククレール(オリカ・グリーンエッジ/ベルギー)+19秒
10 ズデネク・シュティバル(オメガファルマ・クイックステップ/チェコ)+19秒
29 別府史之(オリカ・グリーンエッジ/日本)+28秒
93 宮澤崇史(チームサクソバンク・ティンコフバンク/日本)+2分14秒