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ロドリゲスがスペイン人として初制覇! イル・ロンバルディア2012

悪天候に見舞われた過酷なクラシックレースを制したのは、今シーズン最強の男だった!
Photo: RCS Sport

土砂降りのゴールに単独で飛び込んだロドリゲス!


北イタリアで開催される晩秋のクラシックレース、イル・ロンバルディア(ジロ・ディ・ロンバルディア)では、今までスペイン出身の選手が優勝したことはなかった。しかし今年は土砂降りの悪天候に見舞われたにもかかわらず、251kmの過酷な闘いを制して栄冠を手中に収めたのは、スペインのホアキン“プリト”ロドリゲス(カチューシャチーム)だった。 ロドリゲスは今年フレッシュ・ワロンヌで優勝し、32歳で初めてクラシックのビッグタイトルを獲得した。その後、ステージレースでも活躍したが、ジロ・デ・イタリアは最終日の個人タイムトライアルで逆転されて総合2位、ブエルタ・ア・エスパーニャではアルベルト・コンタドール(チームサクソバンク・ティンコフバンク)との闘いに負けて総合3位で終わっていた。そのうっぷんを晴らすかのように、ゴールまで残り9.5kmにあった最後の丘、ビッラ・ベルガーノで先頭グループからアタック。土砂降りの雨の中、そのままゴールまで逃げ切って単独でゴールに飛び込んだ。ロドリゲスはゴールラインを通過する時、ボトルケージからボトルをつかみ取ると、高々と放り投げた。「ボクはものすごく幸せだった。これはレースキャリアで勝つことを夢見るたぐいのレースだからね。ボトルをつかんでゴールラインを通過したのは、いつもそうしているからだ。ボクが本当に好きな縁起担ぎなのさ」と、優勝したロドリゲスはゴール後に理由を説明していた。彼はロンバルディアの優勝で、UCIワールドツアーランキングの首位にも返り咲いている。「自分が今シーズンで一番強かった選手かどうかはわからない。たしかにボクは一番ポイントを稼いだけど、他の大勢の選手だってとても強かったよ。アルベルト(コンタドール)は世界選でもミラノ~トリノでも絶好調だったのを見ていた。けれどおそらく、今日のような一日の終わりには、彼はちょっと疲れていたんだ」ロドリゲスがビッラ・ベルガーノでアタックを決めたあと、後方ではコンタドール、リゴベルト・ウランとセルヒオルイス・エナオ(スカイ)、マウロ・サンタンブロージョ(BMCレーシング)、ナイロ・キンタナ(モビスター)、ディフェンディングチャンピオンのオリバー・ツァウグ(レディオシャック・ニッサン)が必死に追い上げたが、数秒のタイム差はけっして取り戻すことができなかった。 今年のロンバルディアは、1週間前にオランダで行われたリンブルフ世界選で優勝したベルギーのフィリップ・ジルベール(BMCレーシング)がアルカンシエルを着て初めて参加したレースだった。しかし彼はゴールまで70km地点の、ムーロ・ディ・ソルマーノ峠からの下り坂で落車してしまった。深刻なケガはなかったが、ここで彼のロンバルディアは終わった。「もしもこれがステージレースだったら、リタイアはしないと考えただろう。しかし今日は、落車のあとでレースは終わったのさ。でもボクはラッキーだったよ。落車したのが今日で、1週間前ではなかったんだからね」と、ジルベールは楽観的だった。この日は彼のチームメイトであるアレッサンドロ・バッランやルーカ・パオリーニ(カチューシャ)、ビンチェンツォ・ニーバリ(リクィガス・キャノンデール)、パオロ・ディラロンゴ(アスタナ)といったビッグネームたちが次々と落車したが、幸いケガのニュースは入ってきてはいない。

イル・ロンバルディア2012結果

1 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)6時間36分27秒 2 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+9秒 3 リゴベルト・ウラン(スカイ/コロンビア)+9秒 4 マウロ・サンタンブロージョ(BMCレーシング/イタリア)+9秒 5 セルヒオルイス・エナオ(スカイ/コロンビア)+9秒 6 ライダー・ヘシェダール(ガーミン・シャープ/カナダ)+9秒 7 バウケ・モレマ(ラボバンク/オランダ)+9秒 8 オリバー・ツァウグ(レディオシャック・ニッサン/スイス)+9秒 9 アルベルト・コンタドール(サクソバンク・ティンコフバンク/スペイン)+9秒 10 フレドリク・ケシャコフ(アスタナ/スウェーデン)+9秒