ユーザーの注目を集めたニュースは? 2012年を振り返る10のキーワード
1位 L・アームストロング ツール7連覇剥奪
ロードレース界、いやスポーツ界を揺るがした一大ニュース。
USADA(米国アンチドーピング機関)は2012年8月24日に、ランス・アームストロングが『USポスタルサービスサイクリングチーム・ドーピング謀議』における関与でアンチドーピング規則違反をおこなった結果として、永久資格停止処分と1998年8月1日以降のすべての競技成績の剥奪処分を受けたと発表。
2位 シマノ・9000系デュラエース
シマノ・7900系デュラエースの登場から4年。今年フルモデルチェンジを果たして登場したのが9000系デュラエースだ。
リヤスプロケットが11枚になったほか、シフト操作、ブレーキ操作のスムーズさが格段に進化。来春には9000系のDi2モデルである9070系の販売が開始される予定。
3位 MTB 650Bホイール
かつてはMTBのホイール径といえば26インチが主流だった。だが、2010年から29インチが徐々に勢力を拡大。
これでホイール径の流れは落ち着いたかに見えたが、今年は650B(27.5インチ)という規格が登場。かつてツーリングバイクのホイール径として存在したものが、MTBのホイール径として採用されている。今後、どこまで普及するか注目だ。
4位 B・ウィギンス 英国人としてツールを初制覇
第99回ツール・ド・フランスを制したのは32歳のブラッドリー・ウィギンス(チームスカイ)。ツール99回の歴史の中で、初めて英国人が総合優勝を果たした。
この功績が認められ、ウィギンスは英国王室による新年の叙勲式において「ナイト」の称号を授与されることになった。
5位 シクロクロス
一定の時間内(30分~1時間)で、不整地の周回コースを何周できるかを競うシクロクロス。
途中に柵や階段が設けられ、自転車を担ぐことが求められる。関西クロスシリーズをはじめとした、全国にあるシリーズ戦に加え、UCIカテゴリーの野辺山シクロクロスが2011年からスタート。
2012年2月には東京、お台場でシクロクロス東京が開催された。どちらも多くの参加者と観客で盛り上がった。
6位 ガールズケイリン、7位 日本人選手海外チームへの移籍
●6位 ガールズケイリン
競輪の黎明期に開催されていた女子競輪が、「ガールズケイリン」となって2012年に復活。ロンドン五輪から、女子ケイリンが正式種目として採用されたことも後押しした。
2012年の春に競輪学校を卒業した33人が、バンクで火花を散らす。男子の競輪とは異なるルールで開催されている。
●7位 日本人選手海外チームへの移籍
2013年シーズンに向けて、新たに海外チームへと移籍する日本人選手が多数発表された。
宇都宮ブリッツェンの増田成幸がキャノンデール・プロサイクリングチームへ。チームNIPPOの佐野淳哉はプロコンチネンタルチームのファンティーニ。ブリヂストンアンカーの西薗良太はコンチネンタルチームのチャンピオンシステムへ。
そして、女子全日本チャンピオンのサイクルベースあさひレーシング萩原麻由子は、イギリスのスカイがサポートするDTPCホンダへと移籍する。
8位 自転車保険、9位 ディスクブレーキロード、10位 トータルインテグレーション
●8位 自転車保険
従来の保険会社に加え、auやセブン-イレブン、ちゃりぽなど自転車専門の保険商品が増えた。サイクルスポーツの愛好者の増加を物語る出来事だ。
事故の時に自分の体に対してはもちろん、相手への補償を考えれば、自転車保険への加入が常識になっていくだろう。自転車盗難補償がつけられる商品もある。
●9位 ディスクブレーキロード
ロードバイクの世界において、リムブレーキにかわるシステムとして注目を集めているのが、ディスクブレーキ。
コルナゴはいち早くトップレンジのディスクブレーキロード「C59ディスク」を登場させた。MTBではすっかり当たり前の装備がロードバイクにも浸透していくか?
●10位 トータルインテグレーション
トレック・マドン7シリーズや、リドレー・ノアファストのように、空力性能と制動力をトータルで考えたフレーム。BBに各社それぞれの規格を採用する動きが多く見られた。
今後はより多くのパーツに対して、トータルインテグレーションの考えを反映させるメーカーが出てくるだろう。