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アイテム数1500! BBBオランダ本社取材レポート
2012.11.14
ALL ABOUT CYCLING
オランダの首都アムステルダムから南西に約30kmのところに位置する都市ライデン。オランダで最古の国立大学であるライデン大学を中心に、学園都市として発展してきた街で、画家のレンブラントの生まれ故郷でもある。そんなアカデミックな街に、自転車の総合パーツブランド「BBB」を世に送り出すオーガスタベネルクス社の本社がある。
1991年にクリス・クーパーとフランク・ムーンの2人が、ベネルクス向けの自転車パーツ代理店として創業した同社は、3国でのシェアを順調に伸ばしていった。そして1998年、同社のオリジナルブランドとしてBBBをスタートさせる。本社のミーティングルームでクリス・クーパーに話を聞くことができた。「サイクリストのさまざまな要望にていねいに応えていこうという開発姿勢を大事にしているよ。既存のアイテムにちょっとした不満点がユーザーからフィードバックされてきたら、それをすぐに製品作りに生かすことだね」
これは彼自身のレーサーとして、現役のホビーライダーとしての経験がとても重要な意味を持っているそうだ。それはまた、世界中にいる多くのライダーたちが持っている要望に、少しでも多く応えたいという思いからくる。BBBの特徴のひとつである、アイテム数の多さがそれを物語っている。「いまBBBでは、1500を超えるアイテムをそろえているんだけど、これはユーザーからBBBならなんでもそろう、という信頼を持ってもらいたかったからなんだ」。そのアイテム数の多さゆえ、販売方法も独特。なんと商品陳列用の棚まで同社で用意しているという。そのため、オランダの大型自転車ショップでは、長大なBBBコーナーを持っているところもあるのだ。
「われわれは、製品へのフィードバックを大事にしているというのは先ほど話したとおりだが、良質なフィードバックを得るためにはプロチームへのサポートが必要だと思った」と彼が語るように、現在BBBのアイテムはロードで2チーム(ヴァカンソレイユ・DCM、コフィディス)、MTBで1チーム(BMC MTBチーム)に対してスポンサードを行っており、ヘルメットやアイウエアはもちろん、ツールやライトセット、そして雨、冬のトレーニング用にマットガードも提供している。また、地元デルフト大学の自転車チーム、WTOSにも商品を試してもらいデータを集めて製品作りに生かしている。
その結果、BBBのアイテムはヨーロッパの自転車雑誌における製品テスト記事で高い評価を受けている。欧州でも雑誌に認められるということは消費者にとって重要なことで、商品への信頼へとつながっている。飽くなき探求心がBBBアイテムの品質を支えているのだ。
■オランダの自転車ショップは、大型店だと倉庫と見まごう大きさ。BBBのディスプレイが15mに達する店もあるそうだ。
価格:2万2050円
サイズ:M(52~58cm)、L(58~62cm)
カラー:6色
2011年のツール・ド・フランス、第8ステージ。テレビ中継に衝撃的なシーンが映し出された。フランスTVのクルマが逃げていたジョニー・ホーヘルランドとフアンアントニオ・フレチャをはね飛ばしたのだ。この事故でホーヘルランドは有刺鉄線の棚の外まで吹っ飛ばされ、大けがを追いながらもステージを走り切った。このとき、彼の頭を守っていたのはBBBのヘルメット「ファルコン」だ。
そして2012年ツール・ド・フランス。ヴァカンソレイユ・DCMのヴァウテル・プールス、ジョニー・ホーヘルランドと、コフィディスのダヴィド・モンクティエ、レイン・タラマエらが見慣れないBBBのヘルメットをかぶっていたことに気づいただろうか?それが、この「イカロス」だ。2年半をかけて開発されたBBBヘルメットのフラッグシップモデルで、前作ファルコンよりもベンチレーションホールを6個増やし、クーリング機能をより向上。もちろんシェル内側のエアルート、パッドの配置も考えられている。一見ヘルメットのカラーリングデザインに見えるが(写真の青い部分)、これは内蔵されたポリカーボネートの補強構造体だ。安全性を維持しつつ、見た目の大きさはファルコンよりもコンパクトになっている。着用したときの見た目もスマートだ。
2012年ユーロバイクアワードにノミネートされた携帯ポンプ。前作よりもポンプを安定して立てられるようフットレストがT字になった。もちろん携行時はすっきりとした形になる。ボトルケージ台座に取り付けるタイプで、エアゲージも搭載。まるでミニチュアフロアポンプだ。空気圧も8BARまで入るよう強化された。またハンドルにはグリップが追加され、バルブヘッドのロック機構も、より確実にバルブに取り付けられるよう改良された。