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アテナEPS×ナカジ ファーストインプレッション!

製品発表会の翌日はもちろん試乗タイム。本社のあるビチェンツァ周辺の丘陵地帯で90kmほど走りこむことができた。イタリアの乾いた晴天の下を、世界に先がけてアテナEPSの性能を試す!
text●ナカジ photo●カンパニョーロジャパン/ナカジ

購入候補大本命のEPSとなるのか?

2月にスーパーレコードEPSを試乗したとき、素直に「これはいいな」と思ってしまった。シマノ・デュラエースは自分で所有して使っているわけだが、操作感について言えばカンパニョーロのほうがよりエルゴノミックになっていると感じたからだ。 だが残念ながら、自分はスーパーレコードEPSを購入していない。非常に高額であるというのがそのいちばんの理由だ。55万円という価格設定には、さすがにためらわざるをえなかった。レコードですら約46万円。また発表された当時は、取り付け可能なフレームも各社のハイエンドクラスばかりだった。完成車にすれば軽く100万円コースである。こう思ったのはなにも自分だけではなかったはず。だからといって、あのエルゴパワーの操作感は忘れることができなかった……。 そこにアテナEPSの登場である。約25万円プライスダウンされ、パーツの素材こそ変更されているが基本設計は同じ。素材の変化によって変速フィーリングがどこまで変化しているのかが気になっていた。

レバータッチは健在! 足りない部分は?

ヴィチェンツァの街を見下ろす丘の上のホテルから試乗会はスタート。まずは低速でレバーを操作してみる。あの小気味のいいストロークとクリック感は……。健在だった。機械式エルゴパワーから形状が変更されたシフトアップレバーは、ハンドルのドロップ部分を握っていても操作しやすい。レバーを押しっぱなしにしての一気変速ももちろん備わっている。峠を上りきって下りに入るときはもちろんだが、前後のディレーラーを同時に変速するときはとくに使い勝手がいいことに気づいた。 ちょっと気になったポイントはリヤスプロケットの、とくにロー側を使っているときだ。気のせいかもしれないがスーパーレコードのときよりもチェーンの歯離れが悪く、ほんの少しだがもたつく印象を持った。アテナのスプロケットはもともと設定がなく、コーラスが装備されているわけだが、スーパーレコードと違い、ロー側スプロケットはチタンではなくスチール製であること、また表面処理の違いがこの変化をもたらしているのではないかと推測する。スプロケットだけアップグレードしようかな? ミックスコンポはダメだと説明されたが、ついついそんなことを考えてしまう。

アテナEPSは買い? 対応フレームの存在がカギ

試乗を終えて思ったのは、上位グレードとの価格差に対して、性能の低下が非常に少ないということだ。ただ、実際に購入しようと思ったときにEPSに対応した魅力的なフレームが必要になる。パーツを組み込んだときに自分の気に入ったバランスに仕上げたいと誰しも思うだろう。毎月のように登場する2013年モデルをチェックしつつ、どれに合わせようかな?と悩む、いちばん楽しい時間を今しばらく味わってから購入を決意しても悪くはない。
●ナカジ このウェブサイト編集長にして、サイクルスポーツ本誌の編集としても仕事をこなす。両媒体でインプレッションも担当。自慢するほど速くはないが、レースに参戦するのは好き(笑)。ホビーサイクリストの視点にたったインプレッションを心がけている。 170cm、61kg

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カンパニョーロジャパン
045-264-2780
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