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有名ショップ店長に聞く!リドレー・クロスボウの遊び方

シクロクロスバイクの人気が急上昇中だ。レースはもちろん、ツーリングから通勤までと、その利用範囲はMTBやクロスバイク以上のものがある。そこでシクロクロスでバイクライフを楽しむ3人の店長に、クロスボウの遊び方を伝授してもらった。
text:小林徹夫 photo:吉田悠太

ON&OFFロードで使えるクロスボウ

近ごろシクロクロスの勢いはすごい。冬になるとあちこちでレースが開催され、参加者も増えている。本格的に走るにもホビーとしても、機材に凝ったり仲間と参加できたり、楽しみ方に工夫しやすいのがウケているのかもしれない。 フランスで100年ほど前に始まったシクロクロスだが、現在はオランダ、ベルギーが盛況で、国際大会ではつねに領国が上位を独占している。とくにベルギーは今年の世界選で出場7選手が上位を独占する前代未聞の圧勝を見せた。リドレーは今年UCIワールドカップ総合優勝、昨年の世界選制覇など、選手の活躍を支えている。 リドレーのシクロクロスラインは3つあり、「クロスボウ」はクロスナイト、クロスファイアに続くエントリーモデル。世界チャンピオンを次々と輩出するブランドで、選手の要求をフィードバックしたハイレベルなバイクを生み出している。 寒い時期だけと思いがちなシクロクロスだが、じつは競技以外の人たちにもジワジワと浸透している。短時間勝負なのでフレームの剛性感が高く、ラフロードを突っ走るために安定性や走破性も高い。制動力抜群のブレーキ、太くてショックの吸収性がよく、安定感あるタイヤ、比較的低めでワイドなギヤ比。シクロクロスのこうした特徴は、段差や飛び出し、思わぬ急坂などがある市街地を走るときに有効で、どれも初心者やツーキニスト、ツーリストが望んでいた部分でもあるのだ。

RIDLEY X-BOW

完成車価格 15万8550円 サイズ:41、48、52、54 フレーム:アルミ フォーク:カーボン メインコンポ:シマノ・105 ホイール:シマノ・R501A タイヤ:コンチネンタル・ザCX レーシングクリンチャー 35C

イル クオーレ店長・高木政佳のインプレッション

profile:東京・下谷のサイクルショップ「イル クオーレ」店長。確かな技術と知識で、もっと楽しく愉快な自転車生活を送りたいと願う自転車好きの期待に応える。週末にはミニツーリングなど、レースからツーリングまでを楽しむ。 シクロクロスの遊び方:シクロクロスの楽しみ方はカテゴリーに応じた参加ができることで、実力に応じたレベルで大人が子供のようにドロドロになって夢中になれるところがいいんじゃないかな。仲間が集まってもレース全体が見渡せるので飽きないし、応援にも力が入る。走るほうもどこでも声援があるので、やる気も出ます。それに自転車の乗り方がうまくなるので、ロードやMTBにも効果的です。とくにダウンヒルやコーナーの走り方はロードだけに乗るよりもずっと進歩が早いですね。最初はクリンチャータイヤを使えば出費も抑えられるし、ある程度本気でやりたくなったら、チューブラータイヤやディープホイールなどを使うことで、本格的なシクロクロスの世界に入れます。 クロスボウ Impression:値段は安いけど、シクロクロスレースに十分使える性能を持っている。30~40分のレースがメインなので、高剛性のアルミフレームでも問題なし。腕が伸びきらないのでハンドリングは安定感があり、荒れている路面でも思ったように進ませることができ、初心者にも扱いやすい。レベルアップしてもそれに応じてホイールを替えればそのまま使える。

なるしまフレンド神宮店店長・鈴木 淳のインプレッション

profile:東京・原宿のサイクルショップ「なるしまフレンド神宮店」店長。原宿店と千駄ヶ谷店が統合したなるしまフレンドの中心的ショップ。スタッフは実業団トップクラスで活躍する選手から、サイクリングを楽しむ人まで幅広く、的確なアドバイスが得られる。 シクロクロスの遊び方:もともとはレースよりもランドナーの太いタイヤでツーリングってタイプ。好みは山系。ひとりで気楽にマイペースで好きなエリアを走るのが自転車のいいところだと思う。オンロードで上り、オフロードを下るような走り方が好きだった。でもMTBではアプローチのオンロードでどうしてもダルさがあった。その点シクロクロスならオンロードでもダルさがないし、ダートの下りでもかなり楽しめる。ダートのダウンヒルではMTBほど気楽さはないけれど、反面テクニカルでコントロールする楽しみがある。輪行の場合でもシクロクロスなら重量的にMTBよりもラクだし。郊外に住んでいるなら短い時間でアプローチをこなして、気軽に脇道に入ることを楽しみたい。 クロスボウ Impression:カーボンと違い、落車してへこんでも走れるのはツーリングでは大きなメリット。フレームは肉厚で走行に安定感がある印象。重量はベテランには物足りないけど、ホイールをチューブラーにしたりタイヤを選ぶことで楽しめるだろう。初心者にも使いやすいパーツに少しずつ交換し、変化を楽しんでみたい。

ワイズロード池袋チャーリー店長・小川 純のインプレッション

profile:東京・池袋のワイズロード池袋チャーリー店長。サイクルパーツの王国「池袋チャーリー」は新商品からアウトレットパーツまで豊富にそろう。ホビーレーサーのためのレーシングカスタムや、愛車のドレスアップカスタムにもぴったり。 シクロクロスの遊び方:自宅からは距離があるので、毎日というわけにはいきませんが、週に何度かは自転車通勤をしています。街中は段差もあるので太いタイヤを使いたいのですが、MTBではちょっと抵抗が大きいし、ロードのシビアな感じでは通勤には合わない。シクロクロスはその点ラクです。ホイールも手持ちのチューブラーに交換することもできるし、ブレーキをVブレーキにしたり、いろいろパーツ交換したり、カラーコーディネートして楽しんだりする余裕があるのも、ロードとはまた違った楽しみ方だと思います。サブブレーキもロードだと初心者ぽくなりますけど、クロスの場合はむしろ選手のイメージもあります。ロードに抵抗のある人にも乗りやすいんじゃないでしょうか。 クロスボウ Impression:走行感はホイールベースも長く、ハンガーが高いわりにクセがなく、安定感があって乗りやすい。それでいて剛性感もあって走りが軽い。ブレーキも効くので安心して街中で使える。通勤ではパンクが心配になるけど、太いタイヤはその点でも安心感がある。ロードと違って普通の格好で気軽に乗れるのもいい。

ロードバイクとここが違う!

■アップライトで走りたい通勤時、インラインレバーを取り付ければフラットバー感覚でブレーキングできる。前後どちらかの使いやすいほうだけでもいい。 ■フロントギヤは46×36の比較的低めがセットされているので、ワイドなフリーと合わせれば行動範囲はかなり広くなる。通勤にはチェーンガードも付けられる。 ■リアルレースではタイヤの太さが決められているが、それ以外なら太さは自由だ。ロードホイールを履かせてもいいし、太いタイヤで圧を下げてもいい。
■ワイヤ類は担ぐときにじゃまにならないような位置にまとめられている。

問い合わせ先

ジェイピースポーツグループ
http://www.ridley-japan.com/