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ドーフィネで英国のウィギンスが2連覇

フランスの『クリテリウム・デュ・ドーフィネ』は、毎年ツールの調整レースとしてビッグネームがしのぎを削る。今年は英国のウィギンスが2連覇を果たした
Photo: Graham Watson

ツール開幕目前! 調整レースでウィギンスが2連覇

ツール・ド・フランス開幕まで3週間となり、マイヨ・ジョーヌ獲得を目指す優勝候補たちは調整に余念がない。フランスでは、UCIワールドツアーの1戦であり、ツールと同じアモリースポールオルガニザシオン(ASO)が主催するクリテリウム・デュ・ドーフィネが開催され、英国のブラッドリー・ウィギンス(スカイ)が2連覇を果たした。8日間の日程で、後半はいくつもの厳しい峠越えがあったが、総合を左右したのは第4ステージの個人タイムトライアルだった。プロローグで優勝したルーク・ダーブリッジ(オリカ・グリーンエッジ)に1秒差の区間2位という成績で今年のドーフィネをスタートしていたウィギンスは、第2ステージですでにリーダージャージのマイヨ・ジョーヌを獲得していたが、この53.5kmの長距離TTステージで優勝し、総合優勝を確実なものにした。昨年ドーフィネを初制覇したときは、メジャーステージレース初優勝だったが、今年は3月のパリ~ニース制覇につづいてのドーフィネ2連覇で、32歳にして着実に成長を続けている。これで念願の英国人初のツール制覇に一歩近づいたと言えるだろう。ウィギンスのマイヨ・ジョーヌを1週間守り切ったチームスカイのアシスト陣も万全の仕上がりだ。総合成績でも2位にベテランのマイケル・ロジャース、4位に若手のクリストファー・フルームが入っている。
●総合2連覇を果たしたウィギンスのコメント「ボクはツールの本命ではないが、確かに優勝候補の1人だ。ボクが唯一の候補ではないことは、今週明らかになった。エヴァンスも同じようによく走っていた。チームスカイは毎日上位にいて、総合成績で2位と4位にもなった。これは大きな勝利だ。人々はツールについてばかり話すけど、同じ年にパリ~ニースとドーフィネで優勝することだって大きい。だからツールで何が起きたとしても、ボクはもう満足できる。今、ドーフィネが終わり、ボクはツールに集中できる。いくらか休みを取って、できる限り大勢の人々を避けるつもりだ。素晴らしい準備ができた。できる限りのことはやったよ」

ツール2連覇に向けて闘志あふれる走りを見せたエヴァンス

昨年ドーフィネで総合2位になったオーストラリアのカデル・エヴァンス(BMCレーシング)は、今年は1分26秒遅れの総合3位でレースを終えた。彼は今大会で終始アグレッシブな走りを見せ、第1ステージの終盤に集団からアタックして区間優勝を勝ち取った。しかし、第4ステージの個人TTで、序盤にボトルが自転車から脱落する不運に見舞われてしまい、区間優勝したウィギンスよりも1分43秒も遅れてしまった。それでもエヴァンスは士気を失わず、第6ステージでは最後のジュープラーヌ峠の山頂で集団からアタック。下り坂でマイヨ・ジョーヌの集団に数秒差を付けて区間2位でゴールし、ポイント賞のマイヨ・ベールを獲得した。「ボクはここに勝つために来たが、より強いチームとより強い選手に打ち負かされてしまった。過酷なレースの1週間で、7月に向けていいトレーニングになった。ツールでは今年最高のコンディションになることを願っているよ」と、エヴァンスはツールに向けての意気込みを発している。

クリテリウム・デュ・ドーフィネ2012結果

1 ブラッドリー・ウィギンス(スカイ/英国)26時間40分46秒 2 マイケル・ロジャース(スカイ/オーストラリア)+1分17秒 3 カデル・エヴァンス(BMCレーシング/オーストラリア)+1分26秒 4 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)+1分45秒 5 ユルフン・バンデンブルック(ロット・ベリソル/ベルギー)+2分12秒 6 バシリ・キリエンカ(モビスター/ベラルーシ)+2分58秒 7 ヤネシュ・ブライコビッチ(アスタナ/スロベニア)+3分07秒 8 ウィルコ・ケルデルマン(ラボバンク/オランダ)+3分26秒 9 リッチー・ポート(スカイ/オーストラリア)+3分34秒 10 アイマル・スベルディア(レディオシャック・ニッサン/フランス)+3分50秒 [各ステージの優勝者] ■プロローグ :ルーク・ダーブリッジ(オリカ・グリーンエッジ/オーストラリア) ■第1ステージ:カデル・エヴァンス(BMCレーシング/オーストラリア) ■第2ステージ:ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン) ■第3ステージ:エドワルド・ボアソンハーゲン(スカイ/ノルウエー) ■第4ステージ:ブラッドリー・ウィギンス(スカイ/英国) ■第5ステージ:アルチュール・ビショー(FDJ・ビッグマット/フランス) ■第6ステージ:ナイロアレクサンデル・キンタナ(モビスター/コロンビア) ■第7ステージ:ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)