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入門ロードバイク●OPUS Othello
2012.06.08
安定した走行性能を持つアルミモデル
オセロは「シクロスポルトアルミ」というカテゴリーとなり、ターゲットはロングライドやレース入門者から中級者。その人たちが100マイル(160km)を最後まで楽しく走ることができるよう設計されている。フレーム素材には、あえてしなりやすい6061アルミを採用。ダウンチューブ形状に横方向のボリュームを持たせることで、素材のしなりとメインフレームに必要な剛性のバランスを取っている。これにより、ペダリングによってBBに不要な揺れが起きないような効果も発揮。ペダリングで回転数を維持しやすいバイクに仕上げている。
メインフレームはしっかり作る反面、細身のカーボンフォークとカーボン製シートポストをセットし、体、とくに上半身への衝撃を和らげている。これにより、バイクのメインコンセプトである長距離の後半に脚力を残すことができるのだ。フレームにはダボ穴が開いているので、キャリアを付けてスポルティーフのような使い方もできるし、大きめのキャリアを付ければツーリングバイクとして仕上げていくことも可能だ。
■写真下・左:最近のニューモデルにしては珍しく、フォークには細身のブレードを採用。素材はカーボンだ。初心者でも扱いやすい穏やかなハンドリングと、快適な乗り心地を演出している。
■写真下・中:ヘッドチューブは上下のベアリング径が同じ、オーソドックスな1・1/8インチオーバーサイズを採用している。ベアリング径がアップすることによる過度な剛性増加を嫌っての設計だ。
■写真下・右:シートステーにはキャリアを取り付けるためのダボ穴がある。レース会場までキャリアを付けて荷物を持って自走し、キャリアと荷物を外してレースに参加というスポルティーフのような使い方を想定している。
【中島丈博のインプレッション】
アルミバイク=ガチガチに硬い乗り味のバイクと、ひと昔前に言われていたが、オセロには当てはまらない。カーボンバイクの隆盛によって影が薄くなってしまったアルミバイクだが、まだまだ魅力的だ。ダンシングでガンガン踏み込んで走るよりも、1枚ギヤを軽くして回転を重視したペダリングをすれば、フレームのリズムと合ったときに「おっ、ここがおいしいところだな」とわかり、このバイクの正解を見つけたような気分で楽しい。フレームにどっしりと通った「芯」があるといったイメージだ。アルミフレームと、細身のカーボンフォークとがマッチしていて扱いやすい。フォークは荒れた路面でも、先端部分がいい具合にしなってくれる。ハイスピードの下りでも、やや長めのチェーンステーと相まって非常に安定したライディングが可能だ。これならロードバイクに乗り始めたばかりの人でも安心して走行を楽しむことができるだろう。
オーパス・ブランドヒストリー
カナダのモントリオールに本社を持つスポーツ用品総合ディストリビューターのOGC(アウトドア・ギア・カナダ)が、既存の自転車ブランドの製品には満足できずに、みずからの考えを具現化すべく2001年に立ち上げたブランドがオーパスだ。乗り手にとって必要な性能を考え、吟味したうえで商品を展開している。
完成車価格:13万4000円(シマノ・ティアグラ仕様)
フレーム:アルミニウム
フォーク:カーボン
コンポーネント:シマノ・ティアグラ
ホイール:シマノ・WH-R501
タイヤ:ヴィットリア・ザフィーロ 700×23C
サドル:セライタリア・XR XC
ハンドルバー:OraRace・エルゴ
ステム:Ora・AS027
シートポスト:カロイ・カーボン
試乗車実測重量:9.14kg(Sサイズ、ペダルなし)
サイズ:XS、S、M、L
カラー:ブラック×ホワイト
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