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入門ロードバイク・BMC Roadracer SL01
2012.06.29
ライダーが成長しても不満を感じさせないフレーム剛性の高さ
SL01の価格だけを見ると、ほかの入門バイクより高めだ。だが、フレームの性能を考えれば納得できる。同じフレームでアルテグラ搭載モデルまでラインナップしていることからも、ミドルグレード以上のフレームであることがわかる。そのフレームにあえてティアグラを搭載した完成車をラインナップする理由は、BMCが入門バイクとはいえ、質のいいものに最初から乗ってほしいと考えているから。乗り続けていればライダーは成長する。そのときにパーツを交換するだけで、バイクも一緒に成長することができる。それがBMCの考える入門バイクの重要なポイントだ。
逆に入門者が不安なく乗りこなせることを意識し、上位機種と差別化している部分もある。上位機種のSLR01よりもチェーンステー長を3mm長くすることで、バイクの挙動がクイックになりすぎないよう設計されている。また、フレームの剛性が高くなりすぎない配慮もされている。使用されているパーツも、BMCレーシングチームが使っているものと同じブランドで構成されている。入門バイクとはいえ、プロが使っているバイクに通じる雰囲気を持っているのも見逃せない。
■写真下・左:フォークは型から先端に向かってリブを持ち、高い剛性を備えている。ストレート形状と相まって、入門者にも扱える範囲でキビキビした性格のハンドリング性能を持つ。
■写真下・中:ヘッドチューブは定番の上下異型のベアリングを搭載する。下側のベアリングサイズは1・1/2インチではなく、1・1/4インチにすることで過度に剛性が上がらないよう配慮した。
■写真下・右:シートクランプまわりは、BMCのアイデンティティのひとつであるiSCデザインを採用。シートステーからの力をそのままトップチューブへつなげるような形状を持つ。
【中島丈博の試乗インプレッション】
上位機種よりも抑えられているとはいえ、かなりしっかりした剛性を持っている。シートステーからシートクランプまわりのiSCデザイン(小さな三角形の部分)、T字断面のトップチューブへのつながりはとくにそうで、まるで1本のチューブのようにカッチリしている。これにより、フレーム全体がひとかたまりとなっているバイクを支えているように感じる。バイクがライダーに「お前、もっと走れるんだろ?俺のポテンシャルはこんなもんじゃないぜ!」と訴えかけてくる。距離を乗り込み、パーツのグレードをアップしていってもフレームが負けることはない。とても長く楽しめる1台だ。とりあえずは完成車としてこのパッケージで購入し、走り込んでいるうちに不満が出たパーツから徐々にアップグレードをしていくという楽しみ方もできる。まずは素性のいい完成車を手の届く価格で購入し、そのあと自分の好みのバイクに仕上げていきたいという人にオススメしたい。
BMC ブランドヒストリー
スイスのグレンヘンに本社を持つ。1986年に輸入自転車の卸商社として設立され、95年からBMCブランドのバイク販売をスタート。2001年に現オーナー、アンディ・リースが来てから本格的な競技用自転車の開発に着手する。彼の自転車競技への情熱が、今のBMCを作り上げたといっても過言ではない。
BMC・ロードレーサーSL01
完成車価格●26万2500円(シマノ・105仕様)、22万500円(シマノ・ティアグラ仕様)、39万9000円(シマノ・アルテグラDi2仕様)、33万6000円(シマノ・アルテグラ仕様)
フレーム●iSCカーボン
フォーク●BMC・SE 048 SLカーボン
コンポーネント●シマノ・ティアグラ
ホイール●シマノ・WH-R501
タイヤ●コンチネンタル・ウルトラレース 700×23C
サドル●フィジーク・アルデーア
ハンドルバー●イーストン・EA30
ステム●イーストン・EA70
シートポスト●BMC・エアフォイルポスト フルカーボン
試乗車実測重量●8.22kg(51サイズ、ペダルなし)
サイズ●48、51、54、57
カラー●レッド、ネイキッド(105仕様、アルテグラ仕様のみ)
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