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1913年に創始したベルギーのクラシックレース フランドルは来年100周年!

来年100周年を迎える“ロンド”ことフランドル。現地では記念日に行われるスペシャルな一般参加レースを含めた、さまざまなイベントが行われる予定だ
Photo: Graham Watson / Flanders Classics NV / cyclesports.jp

来年100周年を迎えるフランドル


ベルギーの北部に位置するオランダ語圏のフランダース地方では、現地の言葉で“ツール”を意味する“ロンド”の愛称で親しまれているツール・デ・フランドル(UCIワールドツアー)。1913年に創始したベルギー最大のクラシックレースは、来年100周年を迎える。スポルトウェレルド紙(現在のヘットニュースブラッド紙)の創始者の1人だったカール・バンウェイネンダールが、販売促進のために始めたのが東西フランダース地方の悪路を走るクラシックレースだった。 第1回大会は1913年5月25日に行われた。当時のスタートはゲントで、シントニクラース、コルトレイク、ビュールヌ、オーステンド、トロート、ルースラール、ブルージュを回り、ゴールはゲント郊外のマリアケルクにあったベロドローム。総距離は324kmで、最初の参加者はたった37選手だった。創始当初は国内レースだったが、第2次世界大戦後は現在のUCIワールドツアーにあたる『チャレンジ・デグランジュ・コロンボ』シリーズの1戦になり、国際的なレースへと成長した。フランドルは1915年から4年間休止だったため、来年の100周年記念大会は97回目になる。 100周年記念大会の他にも、フランダース地方では多くの自治体が協力し、さまざまなイベントでベルギー最大のクラシックレースの100歳の生誕を祝う予定だ。

フランダース地方では100周年を祝うイベントが目白押し!  記念日当日には『ロンド100クラシック』を開催


100歳の誕生日を迎える2013年5月25日(土)には、『ロンド100クラシック』と名付けられたスペシャルな一般参加レースが行われる。第1回大会にならって、走行距離はなんと324km! その詳細なコースはまだ発表されていないが、スタートは第1回大会と同じゲントで、ゴールは現在と同じオウデナールドになる。まさに100年を駆け抜けるようなサイクリングになりそうだ。参加登録受付は来年1月25日から始まる。 [ロンド100クラシック] 公式サイト http://www.ronde100classic.be Facebook http://www.facebook.com/Ronde100 twitter https://twitter.com/ronde100

もちろん、毎年フランドル前日に行われている通常の一般参加レースも3月30日に開催される。今年は15345人が参加した人気イベントで、来年は最大16000人の参加を予定している。フランドルだけでなく、フランダース・クラシック・シリーズの全6戦がそれぞれ一般参加レースを実施しているので、クラシック好きには是非全制覇してほしい。 [フランダース・クラシック2013(プロのレース)スケジュール] 2月23日 オムロープ・ヘットニュースブラッド(1.HC) 3月20日 フランダース横断レース(1.1) 3月24日 ゲント~ベベルゲム(WT) 3月31日 ツール・デ・フランドル(WT) 4月03日 シュヘルデプレイス(1.HC) 4月10日 ブラバンツペイル(1.HC) [フランダース・クラシック2013の一般参加レース] 2月24日 オムロープ・ヘットニュースブラッド(65km/95km) 3月09日 フランダース横断レース(65km/90km&125km) 3月23日 ゲント~ベベルゲム(180km/127&85km/45km) 3月30日 ツール・デ・フランドル(250km/140km/75km) 4月06日 ブラバンツペイル(180km/127&85km/45km) 4月13日 シュヘルデプレイス(100km/155km) ●ツール・デ・フランドル一般参加レースの公式サイト http://sport.be.msn.com/rondevanvlaanderen/2013/eng/ ●そのほかのフランダース・クラシック一般参加レースの公式サイト http://www.flandersclassics.be/en/cyclo

ベルギー版『エロイカ』の『レトロロンド』も見逃せない!


イタリアで大人気のレトロスタイルレース『エロイカ』のベルギー版と言えるのが、オウデナールドにあるツール・デ・フランドルセンター(CRVV)が主催する『レトロロンド』。エロイカと同じく、1987年までに製造された競技用自転車と衣装で参加するサイクリングイベントだ。来年は7回目で5月26日に開催される。エロイカとのちがいは、レトロロンドがフランドル(ロンド)に特化したレトロレースであるということと、最長で100kmまでの部門しかないことだろう。200kmを走るエロイカのように、まだ夜が明けない早朝からスタートすることはなく、もっとのんびりとサイリングを楽しめるイベントだ。フランドル100周年記念イベントの1つになった来年は、新企画として前日の25日に『レトロクリテリウムレース』が開催される。カテゴリーは固定ギア、シングルスピード、レトロロンドと同じ規程の自転車の3部門で、12周回、トータル7kmで競われる。リック・バンスティーンベルヘンやブリック・シュホットのような出で立ちの選手が、真剣勝負で走るレトロクリテリウムレースは、競争ではないレトロロンドとはちがったおもしろいイベントになりそうだ。 [レトロロンド] 公式サイト http://www.retroronde.be Facebook http://www.facebook.com/RetroRonde twitter https://twitter.com/retroronde

博物館も100周年記念の特別展を実施


オウデナールドにあるツール・デ・フランドルセンター(CRVV)は、フランドルの歴史を体感できる博物館だ。CRVVでもさまざまなイベントが予定されていて、来年はフランドル100周年の中心的な存在になるだろう。CRVVだけでなく、フランダース地方にある公共施設では来年3月から9月まで『100 jaar Flandriens(100イヤー・フランドリアンズ)』展が開催される。(フランドリアンはベルギーのクラシックレースで果敢な走りをする選手に与えられる称号)場所はルースラール自転車博物館、ワレヘム市役所、ヴェロオッズ・ワレヘム、ワレヘム図書館、フレヘムOCドセルフ会議センター、ミーネン・ジュークボックス博物館、ハールビーク・ピーテル・ブノワ博物館。フランドル観戦や一般参加レースで現地を訪れる際には、是非観光スケジュールに入れてほしい。 ●フランドルセンター(CRVV)公式サイト http://www.crvv.be/en/museum ●『100 jaar Flandriens(100イヤー・フランドリアンズ)』展のfacebook https://www.facebook.com/IedereenFlandrien ※公式サイト(http://www.iedereenflandrien.be)は来年オープン予定

フランドル100周年記念大会を制する勝者は?!


来年3月31日に開催される100周年記念大会は総距離は257.1km。ミュールとボスベルフが除外された今年の新コースと同じく、西フランダース州の州都ブルージュをスタートして東フランダース州のオウデーナールドにゴールする。行程は今年とは多少異なっているが、終盤にオウド・クワルモントとパーテルベルフを3回通過するレイアウトは変わっていない。坂は中盤からに17ヶ所設定されている。詳細な地図はまだ提供されていないが、ルートマップは発表されているため、すでに地元選手たちは新しいコースの試走を始めている。フランドルでは毎年通過する町の1つをロンド村に指定し、盛大なイベントを催す。来年は第一回大会の勝者だったポール・トゥマンが生まれたフランス国境に近い西フランダース州のレッケムが選ばれている。 今年のフランドルは地元ベルギーのトム・ボーネン(オメガファルマ・クイックステップ)が3度目の優勝を果たし、最多優勝記録でアヒエル・ブイス(ベルギー)、フィオレンゾ・マーニ(イタリア)、エリック・レーマン(ベルギー)、ヨハン・ミュセーウ(ベルギー)に並んだ。来年は前人未到の4勝目を達成し、100周年記念大会に華を添えられるか?! [ツール・デ・フランドル2013のコースで使用する坂] 1 ティーヘンベルフ(91.8km)…全長750m/平均勾配5.6%/最大9% 2 ターイエンベルフ(113.7km)…全長530m(石畳500m)/平均勾配6.6%/最大10% 3 エイケンベルフ(120.1km)…全長1300m(石畳1200m)/平均勾配6.2%/最大10% 4 モールンベルフ(135.3km)…全長463m(石畳300m)/平均勾配7%/最大14.2% 5 レーケルベルフ(149.6km)…全長800m/平均勾配4%/最大9% 6 ベーレンドリース(155.0km)…全長940m/平均勾配7%/最大12.3% 7 ファルケンベルフ(160.4km)…全長540m/平均勾配8.1%/最大12.8% 8 オウド・クワルモント(183.1km)…全長220m(石畳1500m)/平均勾配4%/最大11.6% 9 パーテルベルフ(186.5km)…全長360m(石畳360m)/平均勾配12.9%/最大20.3% 10 コッペンベルフ(193.1km)…全長600m(石畳600m)/平均勾配11.6%/最大22% 11 スティーンビークドリース(198.5km)…全長700m/平均勾配5.3%/最大6.7% 12 クルイスベルフ(210.3km)…全長250m/平均勾配5%/最大9% 13 オウド・クワルモント(220.2km)※2回目 14 パーテルベルフ(223.6km)※2回目 15 ホーフベルフ(230.6km)…全長3000m/平均勾配3.5%/最大8% 16 オウド・クワルモント(240.4km)※3回目 17 パーテルベルフ(243.8km)※3回目 [ツール・デ・フランドル優勝者2002-2012] 2012 トム・ボーネン(ベルギー) 2011 ニック・ナイエンス(ベルギー) 2010 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス) 2009 ステイン・デボルデル(ベルギー) 2008 ステイン・デボルデル(ベルギー) 2007 アレッサンドロ・バッラン(イタリア) 2006 トム・ボーネン(ベルギー) 2005 トム・ボーネン(ベルギー) 2004 シュテファン・ベセマン(ドイツ) 2003 ピーテル・バンピーテヘム(ベルギー) 2002 アンドレア・タフィ(イタリア)