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イタリアのワンデーレース ストラーデ・ビアンケ2012

イタリア・トスカーナ地方の未舗装路、ストラーデ・ビアンケ(白い道)で競われたワンデーレースで、スイス人のファビアン・カンチェッラーラが、得意の独走で2度目の優勝をおさめた。
Photo: RCS Sport

カンチェッラーラが独走で優勝!

トスカーナの“パリ~ルーベ”と呼ばれる第6回ストラーデ・ビアンケ(ヨーロッパツアー1.1)が3月4日に、イタリア中部トスカーナ地方のシエナ近郊の未舗装路を舞台に行われ、スイスのファビアン・カンチェッラーラが得意の独走を決め、レディオシャック・ニッサンに今シーズン初優勝をもたらした。2位はマクシム・イグリンスキー(アスタナ)、3位には地元イタリアのオスカル・ガット(ファルネーゼビーニ・セッレイタリア)が入り、表彰台に上がった。
快晴に恵まれた今年のストラーデ・ビアンケには、14チームの11選手が参加。190kmのコースには文字通り白い道(ストラーデ・ビアンケ)の未舗装路セクションが8ヶ所設定されていた。序盤の逃げが残り55kmで吸収された後、集団からカンチェッラーラを含めた精鋭19人が抜け出し、先頭グループを形成した。この時点でディフェンディング・チャンピオンのフィリップ・ジルベール(BMCレーシング)は後続のメイングループに取り残されていた。 先頭のグループからはまず、カンチェッラーラのチームメートであるダニエーレ・ベンナーティ(レディオシャック・ニッサン)とダニエル・オス(リクィガス・キャノンデール)がアタック。オスはすぐに脱落したが、ベンナーティは残り16kmまで先頭を逃げつづけた。ベンナーティが吸収された後、残り13kmから始まった最後の未舗装路区間が勝敗を分けた。ここで最初にアタックして先行したのはベルギーのグレッグ・バンアーベルマート(BMCレーシング)だったが、追走したカンチェッラーラがバンアーベルマートを抜いて先頭グループから抜け出し、独走を開始。取り残された16人は分裂し、アスタナのロマン・クロイツィゲルとイグリンスキー、BMCレーシングのアレッサンドロ・バッランとバンアーベルマート、そしてガットの5人が追撃グループとなってカンチェッラーラを追った。しかし、TT世界チャンピオンとの差は縮まるどころがじりじりと開き、残り8kmで30秒差になっていた。カンチェッラーラはそのまま単独でシエナのカンポ広場に到着。大観衆が見守るなか、空を指差してゴールラインに飛び込んだ。彼は記者会見で2日前に他界した叔父のためにこの勝利を捧げたのだと説明している。 「とてもうれしいよ。今日は特別な日だった。素晴らしい勝利だ。ストラーデ・ビアンケは急成長しているレースで、今回もまた本当に魅力的な走りを提供したね」と、2008年につづいて2度目の優勝を成し遂げたカンチェッラーラは喜びを語った。「チームには今日、綿密な戦略があった。ベン・ヘルマンスが最初の逃げに入り、その後で精鋭集団が形成されたとき、ベンナーティはアタックしてすばらしい働きをしてくれた。ボクは後ろで落ち着いていられたし、追走グループで2人以上いるチームに働かせることができたのさ」カンチェッラーラはこの後、7日に開幕するティレーノ~アドリアーティコ(UCIワールドツアー)に参加し、春のクラシックレースに向けて調整をする予定だ。
■ストラーデ・ビアンケ結果[3月3日/UCIヨーロッパツアー1.1/190km] 1 ファビアン・カンチェッラーラ(レディオシャック・ニッサン/スイス)4時間44分59秒 2 マクシム・イグリンスキー(アスタナ/カザフスタン)+42秒 3 オスカル・ガット(ファルネーゼビーニ/イタリア)+42秒 4 アレッサンドロ・バッラン(BMCレーシング/イタリア)+46秒 5 グレッグ・ハンアーベルマート(BMCレーシング/ベルギー)+48秒 6 ロマン・クロイツィゲル(アスタナ/チェコ)+1分03秒 7 フランチェスコ・レダ(アックア&サポーネ/イタリア)+1分45秒 8 フランチェスコ・ジナンニ(アックア&サポーネ/イタリア)+1分47秒 9 エリア・ファビッリ(ファルネーゼビーニ/イタリア)+1分47秒 10 ヨハン・バンスンメレン(ガーミン・バラクーダ/ベルギー)+1分57秒 48 フィリップ・ジルベール(BMCレーシング/ベルギー)+7分50秒 [出走111選手/完走52選手・平均時速40.002km/h]