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ホビーレーサー向け GRAPHITE DESIGN ZANIAH
2012.02.24
ホビーレーサー向けロード
多くのカーボンバイクが異形断面で作られるが、GDRではあくまでも細めのストレートパイプにこだわりを持っている。これはカーボンの種類と重なりをコントロールすることで、狙った剛性感をフレーム各部に出すためだ。
メテオの場合はフォークを含めて前三角、後ろ三角の全体をひとつのものとして考え、部分的なしなりを出すよりもフレーム全体でしならせてその反発を利用してスピードを乗せていく作り方がされていた。しかしザニアでは、もう少し部分的なしなりを出すようにコントロールされ、ヘッド、ハンガー、バックなどのパートでわかりやすい剛性感を出している。
路面からの突き上げを感じやすいバックは、完成されているメテオ用のシートステーが流用されている。これはコストダウンはもちろんだが、完成度の高いメテオのものを使うことで、開発期間を短縮できる効果もある。だが、シートチューブに接続する部分はアールを持たせて衝撃をダイレクトに伝えない工夫もされている。
チェーンステーもメテオのものが使われているが、15%ほど剛性が上げられ、強めのバネ感を持たせ、踏んだときのしっかりした印象を持たせている。同様にフォークもシンプルな断面のほとんどストレートなものが使われ、剛性が上げられている。
■写真下(左)ヘッドチューブは、ホビーライダーが100kmを気持ちよく、速く走れるように、前傾がきつくなりすぎないポジション若干長めの設計。剛性を落とさないように下が太い1.5インチのテーパードヘッドを採用した。
■写真下(中)複雑な断面形状を持つバイクも多いが、ザニアはオフセットを45mmにしてシンプルな断面を持たせている。ほとんどストレートに見え、若干ベンドを入れたセミストレートフォークとして剛性をやや上げている。
■写真下(右)プレスフィットに対応したフルカーボンのボトムブラケット。BBハイトは低めで、ハイスピードのコーナリングでも安定感があると同時に、ハンドル位置も相対的に若干高めになり、楽なポジションになる。
<小林徹夫のインプレッション>
重量の軽さというよりも走りの軽さを感じるバイク。GDRらしく剛性で走るバイクではなく、うまくしならせて走るタイプだ。今までのシリーズでは合う人、合わない人が大きく分かれるという感じだったようだが、ザニアはよりうけいれられやすく感じる。
メテオなどでもそうだったが、不思議なバネ感がとくに上りで感じられ、力を多少抜いてもすぐに失速する感じがない。ハンガーまわりの剛性は高く、ヘッドまわり、トップは多少ねじれを残しているように思われるので、パワーがあふれている人は多少物足りなさを感じるかもしれないが、ダンシングでもアベレージを保つような走り方でも気持ち良く走らせてくれる。
最初のモデルは個性的で好みが分かれたかもしれないが、ザニアはホビーライダーといわず、レーシング向けとしても大多数の人に受け入れられる乗りやすさと走りの軽さを感じる。ただし、ヘッドは最近のモデルとしては短めだがホビーを意識しているのか、ハンドル位置もやや高めになっているのでハンドルバーやステムで調整が必要になる人もいるかもしれない。
フロントフォークは急制動でもビビリを感じることはなく、ダウンヒルでも安心してハイスピードを出せるし、コーナーでのライン取りにおける微妙な出口ラインの変更もムリがない。神経質な部分がないので、誰にでも使いやすいだろう。ショックはかなり吸収してくれ、段差でも荒れた路面でも気にならないので、ロングライドにもピッタリのモデルといえる。
グラファイトデザイン・ザニア
フレームセット価格25万8000円
フレーム●カーボン
フォーク●カーボン
コンポーネント●シマノ・アルテグラ
ホイール●シマノ・WH-RS80-C50-CL
タイヤ●コンチネンタル・グランプリ 4000S 700×23C
サドル●セラSMP・ダイナミック
ハンドルバー●GDR・245ロードバー
ステム●トムソン・X2ステム
シートポスト●GDR・シートポスト
サイズ●51、53、55
試乗車実測重量●7.43kg(サイズ:53、ペダルなし)
カラー●ヌードカーボン
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