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最高のフィット感! KASK HELMET
2011.12.21
最高のかぶり心地を実現したイタリアメイドヘルメット
広大な社屋でデザイン・開発・生産・出荷まで一貫して行なうKASKでは、手の届く範囲ですべてを把握できるこの環境を大切に物作りをすることで、スピーディーな開発やしっかりとした管理、生産を責任をもって進めている。バイシクルヘルメットに対する考え方は、過度な軽量化にこだわらず、安全性を重視しフィット感を高めてトータルでかぶり心地の良いヘルメットを作り出すというもの。イタリア人の高い立体造形に対するセンスは、高級ブランドをはじめ、クルマやファッションなど誰もが認めるところ。それを生かした美しいデザインもKASKの魅力のひとつといえる。しかし、そのデザインは美しさだけではない。画期的なアジャストシステム「UP'NDOWN TECHNOLOGY」のほか、「3D DRYインナーパッド」やワイヤーケージをシェルに内蔵するなどの工夫をこらし、安全・快適性と軽量化のバランスにこだわる。
チームスカイへのサポートを通じて、さらに優れたモデルを開発し続けるKASKのかぶり心地を一度試してほしい。そのこだわりや品質が簡単に理解できるはずだ。
【吉本 司のインプレッション】
「KASK VERTIGO」との付き合いはかれこれ1年半ほどになる。実は僕の頭は微妙にゆがんでいて、ヘルメットを被っていると右側に向く傾向がある。それを防ぐためにヘルメット選びは被り心地とホールド感に人一倍気を配っているつもりだが、VERTIGOを試してみると、そのホールド力とフィット感の高さに驚かされた。もちろんシェル自体の形状もあるが、このフィット感の高さを司っているのはKASKの独自機構「UP'N DOWN テクノロジー」。一般的なヘルメットは後頭部にあるサイズ調整用のバックルで横方向だけを締め付けるようにして頭をホールドするが、KASKは違う。
後頭部と側頭部の2箇所にリンクを装備したこの機構は、サイズ調整用のバックルを含めた後頭部のパーツによって立体的かつ広範囲に後頭部周辺をサポートする。この部分の確実な固定がヘルメット全体の安定感を最大に引き出す。セールストークには「あごヒモを固定しない状態でもヘルメットがずれ落ちない」と書かれるが、この言葉に疑いはない。後頭部の調整ダイヤルを必要なだけ回せばピタッと固定される。しかもこのダイヤルだけで固定されるような窮屈さは微塵もない。そして見事なのは、その安定感とホールド力が長く持続することだ。長時間の使用では発汗や振動によってヘルメットの位置がずれて、それを走行中に手で正しく修正することも時にあるが、VERTIGOを使ってからというものその記憶はほとんどない。もちろん、僕の悩みであるヘルメットが右向きになるという点も最大限に防いでくれる。
VERTIGOの270gという重量は超軽量とは言い難いものの、それがハンディとなることはない。なぜならシェル形状自体の妙とUP'N DOWN TECHNOLOGYによって生み出される安定感の高い被り心地が、シェル重量を巧みに分散させているからだ。実重量を感じさせない軽い被り心地は、長時間の走行で首や肩への負担は少なく疲れも皆無だ。製品の細部を見ると、VERTIGOが快適性をとりわけ重視していることがよくわかる。肌触りを高めて擦れを防止するためのレザーで覆われたストラップ、後頭部の接触面には感触を高めるためのジェルパッドなどの装備は、どんなに小さな要素でも走りの集中力を妨げるものは徹底的に排除する実戦仕様であり、かなり綿密な設計を体感できる。
現在まで1万キロほどをVERTIGOと共にしたが、今のところ内側のパッドのへたり、樹脂パーツの劣化、インモールドによるアウターシェルの剥がれもなく、耐久性もかなり優れた印象を受ける。被り心地と見た目にも満足しているので、次のヘルメットを探す必要に迫られないのが目下のところ最大の悩みでもある。