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エアロコンフォートバイク KESTREL RT1000
2012.09.05
エアロコンフォートバイク
今回試乗した「ケストレル・RT 1000」もその伝統を受け継ぎ、エアロダイナミクスを考慮した形状を取り入れている。最近のミドルグレードバイクが押さえている、レースだけではなくロングライド向けといわれるような、長めのヘッドチューブを特徴とするジオメトリーを採用している。また、同社のラインナップ中唯一のスローピングフレームとするなど”今どき”な創りを満載したバイクとなる。
いちばんの特徴となるのが、トップチューブからシートステーへとつながる、ゆったりと弧を描いた形状だ。これによりモノコックフレーム全体で振動吸収性を高め、ライダーへのストレスを軽減する効果がある。完成車販売のみとなるこのバイク。パーツはオーバルブランドのもので統一され、上位グレードに通じる雰囲気作りにひと役買っている。競技志向の強いモデルが多いケストレルらしさが出ているといえるだろう。同モデルをより軽く仕上げたSLというモデルもあり、こちらはフレーム販売のみとなる。
最近ではジェオックス・TMCチームにTTバイクを供給し、2011年のブエルタ・ア・エスパーニャ制覇に貢献したことも記憶に新しい。
■写真下・左:ヘッドチューブ長は、51サイズで140mmとかなり長めにとられている。下ワンのベアリング径は1-1/2インチのものを装備し、チューブの中ほどは女性の腰のようにくびれている。
■写真下・中:ストレートフォークは、エアロダイナミクスを意識したブレード形状。横から見るとクラウン部分よりも中盤から先端までしっかりとボリュームが与えられて力強い。
■ワイヤ類はすべてフレームに内蔵される。リヤブレーキワイヤはフレームの右側から入って、左側へトップチューブ内を斜めに通り抜けるルーティング。
■トップチューブから続くゆるやかなベンドを持ち、リヤブレーキより下がぐっと太くなる。後ろから見ると薄く仕上げられており、まるで刀のような形をしている。
ケストレル・RT1000
シマノ・105完成車価格:33万6000円
フレーム:700K/800KHMカーボン
フォーク:カーボン
コンポーネント:シマノ・105
ホイール:オーバルコンセプト・330
タイヤ:ハッチンソン・エクイノックス 700×23C
ハンドルバー:オーバルコンセプト・300s
ステム:オーバルコンセプト・300
サドル:オーバルコンセプト・500
シートポスト:専用品
撮影試乗車実測重量:8.48kg(51サイズ、ペダルなし)
サイズ:47、51、53、56
CYCLE SPORTS.jp編集長・ナカジの試乗インプレッション
ロングライドを快適に走りきることに重きを置いたバイクのデザインにしては、エアロダイナミクスを重視したことを強くアピールした、やる気を感じる形状に仕上げてきている。さすがケストレルが作るとこうなるのだ。ただ、ちょっとヘッドチューブは長すぎるかな?と思う。
走りに関しては、クセがなく穏やかな動きを見せる。カチカチのフレームのように「もっと踏め!」と追い立ててくるようなことはなく、一定のペースで平地を走り、緩斜面でも巡航しやすい。ただ、きびきびとした走りを求めるなら不満に感じるかもしれない。デフォルトのホイールもオーバルブランドだが、組み立てはDTスイスと同じラインで行なわれているということで、ちょっと重いがロングライドならそのまま使ってもいい。ただ、レースに出たいとなったときは交換をオススメする。
そしてこのカラーリング。他のブランドではなかなか見かけない色使いだ。とくにこのビビッドなイエローは、日本人がまず使わない色。賛否両論あるとは思うが、個人的にはキライじゃない。が、ウエアを合わせようと思ったときには悩むかな。ただ、フレーム形状と相まって個性的なスタイリングをまとっていることは間違いないので、人とは違う個性的なバイクを探しているという人は一度チェックしてほしい。
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