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ブレーキ 一体型 RIDLEY NOAH FAST

エアロロードの流行に「ノア」シリーズを投入して、いち早く対応したベルギーのリドレー。そのモデルをベースに、さらにエアロダイナミクスに磨きをかけたモデルが「ノア・ファスト」だ。そのアグレッシブな挑戦は、今後のロードバイクの進歩を占う意味でも興味深い。
text●吉本 司 photo●小見 哲彦

FASTの意味とは

車名に冠される「FAST」はFUTURE AERO SPEED TECHNOLOGYの頭文字をとったもので、3つのテクノロジーから成り立っている。フロントフォークブレードとシートステーに設けられたスリットにより整流効果を発揮する「Fスプリットフォーク」、微粒子テープをフレームに装備して空気の流れをコントロールする「Fサーフェース」という2つはすでにノアでも用いられてきた技術だが、ノア・ファストでは「Fブレーキ」という新技術が加えられる。これはフォークブレードとフレームのシートステーに、Vタイプブレーキの本体を一体成型するという大胆な手法。これにより一般的なキャリパーブレーキを装備したロードフレームに比べて前面投影面積を削減。トラック競技場におけるノアとの比較テストでは、時速40kmで走行した場合、6.08W(2.10%)少ない出力でスピードを維持できることが実証されたという。これまで以上に踏み込んだトータルインテグレーションを展開し、エアロダイナミクスの向上を実現したのがノア・ファストだ。
■写真下(左)ブレーキにバネは内蔵されず、カーボン製のアーチ本体のしなりを利用して開閉する。左右に小さなバネを装備して、そのバネレートを変えることで片効き調整を行なう。ブレーキパッドはシマノタイプを装備できる。 ■写真下(中)前後フォークにスリットを設けたリドレー独自のジェットフォイル構造。スポークによって発生する乱気流を整流する効果を発揮し、空気抵抗を8.2%削減するという。 ■写真下(右)下ワンを1.5インチ径に設計したテーパードヘッドチューブでフロントまわりの剛性を追求。変速ワイヤはヘッド部からスマートにダウンチューブに内蔵される。Di 2にも対応する。
■ヘッド、ダウン、シートの各チューブには粒子状の表面を持つ特殊な「サーファステープ」が貼られている。フレームを伝う空気の流れを理想的な形とし、空気抵抗を4%削減する。 ■BB30に対応することでボリュームアップしたBBまわりを形成する。シートチューブはタイヤの外郭に沿うようにカットアウトされ、エアロダイナミクスが追求される。
【吉本 司のインプレッション】 高トルクのペダリングを受け止める力強い加速感、優れた巡航性、そして安定性のよさなど、見事なレーシング性能はノアと変わりなく、個人的にはファストのほうが乗りやすかった。そして最も気になるブレーキ性能だが、レバータッチは一般的なタイプと比べて少々スポンジーな感覚。アーチ自体のしなりもそうだが、ワイヤを受けるアール型の小物がタッチに影響している。市販品ではこの小物が変更されるので、タッチはダイレクトな方向に変化するだろう。制動力の絶対値も若干落ちるが、レースで使うのに気がかりなレベルではなく、ブレーキを強くかけたければレバーを強く引けばいいだけの話。リムとの相性もあると思うが、制動力も制御性も上級者なら慣れの範囲にあるだろう。性能もさることながら、この前衛的な取り組みに拍手をしたい。

リドレー ノア・ファスト

価格49万3500円(フレームセット) フレーム●カーボン フォーク●カーボン コンポーネント●カンパニョーロ・スーパーレコード ホイール●FFWD・F6R タイヤ●ヴィットリア・コルサEVO CX & コルサ CXエリート 700×21C サドル●サンマルコ・ゾンコラン ハンドルバー●ITM・101ハイモジュラスカーボン ステム●CIRRUS・4ZR シートポスト●インテグレーテッドシートポスト サイズ●XS、S、M 試乗車実測重量●6.63kg(サイズ:M) カラー●ブラック×イエロー ※写真は実際の市販モデルと仕様が異なる場合があります。 ********************************************

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