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ブレーキ 一体型 RIDLEY NOAH FAST
2012.01.13
FASTの意味とは
車名に冠される「FAST」はFUTURE AERO SPEED TECHNOLOGYの頭文字をとったもので、3つのテクノロジーから成り立っている。フロントフォークブレードとシートステーに設けられたスリットにより整流効果を発揮する「Fスプリットフォーク」、微粒子テープをフレームに装備して空気の流れをコントロールする「Fサーフェース」という2つはすでにノアでも用いられてきた技術だが、ノア・ファストでは「Fブレーキ」という新技術が加えられる。これはフォークブレードとフレームのシートステーに、Vタイプブレーキの本体を一体成型するという大胆な手法。これにより一般的なキャリパーブレーキを装備したロードフレームに比べて前面投影面積を削減。トラック競技場におけるノアとの比較テストでは、時速40kmで走行した場合、6.08W(2.10%)少ない出力でスピードを維持できることが実証されたという。これまで以上に踏み込んだトータルインテグレーションを展開し、エアロダイナミクスの向上を実現したのがノア・ファストだ。
■写真下(左)ブレーキにバネは内蔵されず、カーボン製のアーチ本体のしなりを利用して開閉する。左右に小さなバネを装備して、そのバネレートを変えることで片効き調整を行なう。ブレーキパッドはシマノタイプを装備できる。
■写真下(中)前後フォークにスリットを設けたリドレー独自のジェットフォイル構造。スポークによって発生する乱気流を整流する効果を発揮し、空気抵抗を8.2%削減するという。
■写真下(右)下ワンを1.5インチ径に設計したテーパードヘッドチューブでフロントまわりの剛性を追求。変速ワイヤはヘッド部からスマートにダウンチューブに内蔵される。Di 2にも対応する。
【吉本 司のインプレッション】
高トルクのペダリングを受け止める力強い加速感、優れた巡航性、そして安定性のよさなど、見事なレーシング性能はノアと変わりなく、個人的にはファストのほうが乗りやすかった。そして最も気になるブレーキ性能だが、レバータッチは一般的なタイプと比べて少々スポンジーな感覚。アーチ自体のしなりもそうだが、ワイヤを受けるアール型の小物がタッチに影響している。市販品ではこの小物が変更されるので、タッチはダイレクトな方向に変化するだろう。制動力の絶対値も若干落ちるが、レースで使うのに気がかりなレベルではなく、ブレーキを強くかけたければレバーを強く引けばいいだけの話。リムとの相性もあると思うが、制動力も制御性も上級者なら慣れの範囲にあるだろう。性能もさることながら、この前衛的な取り組みに拍手をしたい。
リドレー ノア・ファスト
価格49万3500円(フレームセット)
フレーム●カーボン
フォーク●カーボン
コンポーネント●カンパニョーロ・スーパーレコード
ホイール●FFWD・F6R
タイヤ●ヴィットリア・コルサEVO CX & コルサ CXエリート 700×21C
サドル●サンマルコ・ゾンコラン
ハンドルバー●ITM・101ハイモジュラスカーボン
ステム●CIRRUS・4ZR
シートポスト●インテグレーテッドシートポスト
サイズ●XS、S、M
試乗車実測重量●6.63kg(サイズ:M)
カラー●ブラック×イエロー
※写真は実際の市販モデルと仕様が異なる場合があります。
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