価格的にはエントリークラスのカーボンフレームと同等だが、上下異径ヘッドなど最新のすべてのメソッドを装備して、その加速性や快適性、重量までもが高レベルに達している。フレームはソリッドカーボン技術を駆使し、局部にストレスが集中することのない構造にし、高圧オートクレーブ製法でそれぞれ性格や特性の異なるカーボン繊維を組み合わせて、より振動吸収性を高めたバックステーを採用した、軽量でありながらも剛性の高いフレームとなっている。
オートクレーブとは、F1マシンのカーボンシャシーにも用いられるが、内部を高圧力にすることが可能な耐圧性の装置や容器を用いて行なう処理のこと。カーボン製品をオートクレーブ内で高温・高圧で仕上げるということは、エポキシ樹脂がまんべんなく含浸したプリプレグから、不要なエポキシ樹脂を極限まで絞り出すことができる。その結果できるオートクレーブ製法で成型されたカーボンフレームは、高い強度を得られる。
ワイヤは内蔵となり、ヘッドセットは上ワン1-1/8、下ワン1-1/2サイズ。フロントディレーラー台座は直付け、比較的低価格帯なので、さまざまなポジションに対応しなければならないことが予想されるため、インテグレーテッドシートポストは不採用としている。ポジションの微妙な調整をこまめにする人にとっても、これは都合がいい。ミドルグレードのフルカーボンモデルにおいて、突出したコストパフォーマンスを誇っているといえる。