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剛性、重量ともに妥協のないエアロロード SCOTT FOIL 10
2011.09.09
F01テクノロジーを採用
エアロフォイル(空中翼)から名付けられたネーミングからもわかるとおり、空力にプライオリティを置いた最新鋭エアロロード「フォイル」。開発を行なったのは、専門チーム「スコット・エアロダイナミック・サイエンス」。彼らは「剛性や重量の面で妥協のないエアロロードを作ること」を目標に据え、空力解析ソフトで形状を検討するだけでなく、風洞施設で実際の空力特性の検証を行なった。使用したのは、F1で活躍しているメルセデス・グランプリの風洞実験施設。スコット開発チームはそこで100時間以上を費やし、ロードバイクの速度域に最適なエアロ形状「F01テクノロジー」を生み出した。この技術を採用することによって、時速45kmで走行しているときに4~5%のパワーをセーブできるという。
このチューブデザインは空力性能に優れているだけではない。ロードバイクにおいて重要な縦方向の柔軟性、横剛性、強度の向上や軽量化という副産物をも生み出すこととなり、結果として理想的なバランスを持った「オールラウンドなエアロフレーム」に仕上がっているという。一世を風靡したCR1とアディクトに次ぐスコットの新機軸として、活躍が期待される。
7グレード展開
同じフレーム形状で素材やパーツを換え多くのグレードを生み出すのはスコットバイクの特徴。フォイルも幅広い全7グレードで展開される。トップレンジとなるシマノDi2完成車のフォイルプレミアム(128万円・下写真左)、スラム・レッド仕様のフォイルチームイシュー(下写真右)、機械式デュラエースを採用するフォイル10は、フレーム素材に最上級グレードとなるHMXカーボンを採用する。注目はその下に位置するフォイル15。ここからフレーム素材はHMFカーボンとなるが、コンポに今季最注目のアルテグラDi2を採用している。さらに、機械式アルテグラのフォイル20、スラム・ライバル仕様のフォイル30、シマノ・105で組まれるフォイル40というラインナップが設定されている。
最新鋭エアロ・テクノロジー
最大の特徴は「一方向(進行方向)からの風」に対しての空気抵抗を考えるのではなく、「全方位的(あらゆる方向から吹く風に対する)空力特性」というアプローチで設計を進めたこと。従来の翼断面チューブは飛行機向けに提唱されたものであり、高速域かつ一方向からの空力に優れるものであればよかった。しかしバイクのスピードは飛行機に比べて遅く、斜めから風を受けることも多い。スコットは翼断面(右)の後端を切り落としたような断面形状(左)をフレーム全体に採用。F01テクノロジーと呼ばれるこの形状により、進行方向だけでなく0~15°という範囲の風に対して優れた空気特性を発揮するという。斜めから吹く風に対してのエアロ効果を考慮に入れて開発を行なうことは、各トップブランドが取り入れ始めた最新の空力設計思想である。
4.シートステーは幅の広い形状となっている。これはリヤブレーキへ風が当たらないように太さや形状がデザインされているため。
5.フォークの断面形状は一般的な翼断面ではなく、ブレード後方がスパッと切り落とされたようなF01テクノロジーらしい三角断面形状。優れた空力特性を持つ。
スコット・フォイル10
シマノ・デュラエース完成車価格 82万円
フレーム価格 39万8000円
フレーム:HMXネットカーボンファイバー
フォーク:HMXネットカーボンファイバー
コンポーネント:シマノ・デュラエース
ホイール:マヴィック・コスミックカーボンSL
タイヤ:コンチネンタル・グランプリ4000 700×23C
サドル:フィジーク・アリオネCX
ハンドルバー:リッチー・WCSロジックカーブ
ステム:リッチー・WCS 4アクシスマトリックスカーボン
シートポスト:リッチー・フォイルエアロWCSカーボン
サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL、XXL