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新コンセプト搭載!PENNAROLA RC-8
2011.11.16
ピュアレーシングモデル RC-8
従来モデル「プラチナム」「アキュラックス」とは異なるコンセプトで開発された「RC-8」は、ハンガーまわりを中心としたパワーラインの剛性強化によってレーシングバイクに必要な性能を追求する。その実現のために新たに下側のベアリングを大径化したテーパードヘッドチューブとBB30を搭載。強化されたパワーラインとの剛性バランスをとりつつ乗り心地を高めるためにフレームのアッパー部は横扁平させたトップチューブと、細身に設計されたシートステーを採用する。
もちろんペンナローラがこだわるオートクレーブ製法もRC-8の性能を支える大きな要素。そして同社独自のダブルプリント・オートクレーブはBBやヘッド部の成型精度を高めるための技術であり、走行性能だけでなく細部の作り込みもしっかりと追求される。1200gのフレーム重量は最新モデルとしては軽いと言えない。しかしそれはペンナローラが軽量化よりも、レースで必要とされる剛性や堅牢性を重視するためだ。こうしたコンセプトによって産まれたRC-8のフォルムは、従来モデルに見られるオーソドックスな雰囲気とは一線を画し、新たなペンナローラの機能美を実現している。
リブを加えて成型されたフォルムが印象的なヘッドチューブ(写真左下)。下側のベアリングは1-1/2インチ規格。俊敏なステアリングフィールを実現するヘッド剛性の向上はもちろん、強固なパワーラインの構成に貢献する。
ボリューム感あふれるクラウンがフォークのねじれを抑える(写真右下)。その一方で過剛性とならないようにフォークブレードにリブを備え、後方を薄く仕上げて路面からの突き上げに対しフォークが従順に働き、乗り心地を高める。
【吉本 司のインプレッション】大径のヘッドベアリングが効いているためかハンドリングはシャープな印象。しかし扱いにくさはなく、重心位置も低く安定感もある。このあたりのバランスのよさはイタリア車の魅力にあふれ、コーナリングやレーンチェンジが楽しい。ダウンチューブからリヤエンドにかけての剛性感は非常に高いという印象ではない。とはいえ加速のキレでライバルを引き離すよりも、大きなトルクで踏み続けるような走りのほうが力強い推進力を体感でき、それがこのバイクのチャームポイントといえる。またフレームアッパー部の剛性が高いためか、ダンシングでは体幹を強めに意識して、重めのギヤであまりバイクを振らないほうが高い推進力を引き出せる。どちらかというとスキルが確立されたライダー向けのレースで楽しく走れるバイクだ。
PENNAROLA RC-8 38万8500円(フレーム価格)
完成車価格●80万1500円
フレーム●フルカーボンモノコック
フォーク●カーボンモノコック
コンポーネント●カンパニョーロ・レコード11
ホイール●マヴィック・キシリウムSL
タイヤ●ソーヨー・トゥルーアンス・プラス 700×23C
サドル●プロロゴ・ゼロ PRO TI1.4
ハンドルバー●3T・ロートゥンドウ リミテッドカーボン
ステム●3T・ARX リミテッドカーボン
シートポスト●インテグラル
試乗車実測重量●6.7kg(Mサイズ、ペダルなし)
サイズ●XS、S、M、L
カラー●シルバー×ブラック、ホワイト、ブラック