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トータルバランスに優れた旗艦モデル DE ROSA キングRS

トレードマークの赤いハートのように、情熱的なバイク作りで多くのロードバイカーをとりこにするデローザ。2012年で4代目へと進化する旗艦モデル「キングRS」でウルトラスムーズなライディングを体験!
text●吉本 司 photo●澤田 和久

トータルバランスに優れたレーシングバイク

開発テーマは、快適性や安定性といった性能を犠牲とせずに剛性アップを図ること。従来のキング3RSでは60Tカーボン素材にしていたが、新型では素材自体の見直しが行なわれた。新たに30TのHMグレードカーボン=55%、30TのUHMグレード=35%、そして60TのSHMグレード=10%という3つの素材を適材適所に使用することになった。 フレーム形状はシートまわりキング3の面影を残すものの、すべてが刷新された。ダウンチューブとチェーンステーはさらに太くなり、BB30とのコンビでより強固なパワーラインを作り出す。フロントまわりについても新たに1-1/2インチサイズの下部ベアリングを搭載して剛性を高め、より正確性の強いハンドリングが狙われている。こうした各部のボリュームアップによって、その重量比剛性はキング3RSに比べて約25%向上しているという。 その一方でトップチューブは外径がボリュームダウンされ、三角断面に成型して路面からの振動吸収性を高めつつ、必要なねじれ剛性とのバランスを追求している。950gの重量(59.5サイズ)は、超軽量の部類には入らないものの、それはレーシングバイクとしてバランスの取れた性能を追求した結果だ。数字だけにとらわれない進化を求めるのは、さすが老舗イタリアンブランドといえる。
A. ヘッド部は下部ベアリングに1-1/2インチ径のベアリングを装備したテーパードタイプを採用。ダウンチューブ接合部とフォーククラウンのボリュームアップを図ることで強固なヘッドまわりを作り出す。ヘッドチューブを長めに設計するメーカーが増えているが、レーシングバイクらしく短めに設計するのは老舗イタリアンブランドならではといえるだろう。
B. ヘッドチューブから挿入されたヘッドワイヤは、ダウンチューブのヘッド側で外に出される。その後、凹みを与えられたダウンチューブの下側に沿うようにしてBBへと向かう。 C. ハンガーシェルはキングRS BB30対応。ダウンチューブとチェーンステーの接合部は、シェル幅いっぱいに広げることで力強いパワーラインを作り出す。
D. チェーンステーは新たに角断面を採用。前作から比べると相当にボリュームアップされた印象。 E. リヤエンドはチェーンステーの太さをそのまま生かした形状。ディレーラーブラケット以外はフルカーボンで成型されている。同時にシートステーの接合部も非常に太く成型。リヤエンドまわりに大きなボリュームを与えることにより、リヤホイールまわりで発生するウイップを抑えて駆動効率を高める設計だ。
【吉本 司のインプレッション】前作も走りの軽さはあったが、キングRSはそれにシャープさをさらに加えた感覚で、加速性能により磨きがかかった。肉薄大径チュービングのフレームらしいパリッとした乗り味を持つものの、ヘッドからリヤエンドのパワーラインには加速をスポイルするようなムダな動きはなく、薄っぺらいペダリングフィールはなくかっちりしている。重量比剛性の向上を体感できる。しかしガチガチな雰囲気ではないので、どのスピード域、平地でも上りでも楽に加速できる印象だ。ステアリングを含めてバイクの挙動は軽いものの、安定感はしっかりあってデローザらしいクセのなさで扱いやすい。トータルバランスに非常に優れており、どんな場面でもスムーズな走りができるバイクだ。

DE ROSA KING RS

完成車価格 147万円(カンパニョーロ・スーパーレコード仕様) フレーム価格 51万2400円 フレーム●カーボン(T800、T1000、XN-60) フォーク●カーボン コンポーネント●カンパニョーロ・スーパーレコード ホイール●カンパニョーロ・ボーラウルトラツー タイヤ●ヴィットリア・コルサエヴォCXII 23-28''インチ サドル●フィジーク・アンタレス ハンドルバー●FSA・Kフォースライト ステム●FSA・OS99-CS1 シートポスト●専用品 試乗車実測重量●6.4kg(61.5サイズ、ペダルなし) サイズ●53.5、55.5、57.5、59.5、61.5、63.5、64.5、66.5、68.5 カラー●ブルーホワイト、ホワイトレッド、グレーレッド、ゴールドレッド、グレーマット ※写真は日本入荷モデルと仕様が異なる場合があります

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