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春のクラシックレースガイド

今週末にはイタリアでミラノ~サンレモが開催され、いよいよ春のクラシックシーズンがスタートする。ステージレースとはまたちがう魅力のある、ワンデーのクラシックが堪能できるレースガイドをお届けしよう!

ミラノ~サンレモ(3月19日/イタリア)

●創始年:1907年 ●大会数:102回 ●距離 :298km ●スタート :ミラノ ●ゴール  :サンレモ ●前回優勝者:オスカル・フレイレ(スペイン) ●参加チーム:UCIプロチーム(18チーム)、アックア&サポーネ(イタリア)、アンドロニ・ジョカットリ(イタリア)、コフィディス(フランス)、コルナゴ・CSFイノックス(アイルランド)、ファルネーゼビーニ・ネーリソットリ(英国)、FDJ(フランス)、ジェオックス・TMC(スペイン)…計25チーム ●春のクラシックレース争いの火ぶたを落とすのは、『ラ・プリマベーラ(イタリア語で春の意味)』の愛称を持つミラノ~サンレモ。ジロ・デ・イタリアと同じRCSスポーツが主催する。ミラノをスタートしてリグリア海沿岸まで南下し、海岸線をサンレモまで走るこのレースの見どころは、終盤に連なる3つのカポ(メッレ、チェルボ、ベルタ)、チプレッサ、ポッジオの丘だ。しかし昨年は丘で逃げ出せる選手はなく、集団ゴールスプリントでオスカル・フレイレ(スペイン)が優勝した。

●ロンド・バン・ブラーンデレン(4月3日/ベルギー)

●創始年:1913年 ●大会数:95回 ●距離 :258km ●スタート :ブルージュ ●ゴール  :ミールビーク ●前回優勝者:ファビアン・カンチェッラーラ(スイス) ●参加チーム:UCIプロチーム(18チーム)、コフィディス(フランス)、チームヨーロッパカー(フランス)、FDJ(フランス)、ランボークレジット(ベルギー)、スキル・シマノ(オランダ)、トップスポルトブラーンデレン・メルカトル(ベルギー)、ベランダスウィレムス・アクセント(ベルギー)…計25チーム ●春のクラシックはミラノ~サンレモ終了後、北へ移動。ベルギー北部のフランダース地方を舞台に、ロンド・バン・ブラーンデレンが開催される。ベルギー独特の強い風や、悪天候がレースを左右し、過酷な闘いになることが多い。見どころとなるのは、18ヶ所の坂道と石畳の道。とくに終盤のミュールは、決定的なアタックが決まることが多いので注目したい。昨年はそこでトム・ボーネン(ベルギー)を蹴落としたファビアン・カンチェッラーラ(スイス)が初優勝している。

パリ~ルーベ(4月10日/フランス)

●創始年:1896年 ●大会数:109回 ●距離 :258km ●スタート :コンピエーニュ ●ゴール  :ルーベ ●前回優勝者:ファビアン・カンチェッラーラ(スイス) ●参加チーム:UCIプロチーム(18チーム)、コフィディス、ルクレディアンリーニュ(フランス)、チームヨーロッパカー(フランス)、FDJ(フランス)、ブルターニュ・シューレル(フランス)、チームネットアップ(ドイツ)、ソール・ソジャスン(フランス)、スキル・シマノ(オランダ)…計25チーム ●フランス北部の古い石畳の道を舞台に競われるパリ~ルーベは、『クラシックの女王』と『北の地獄』という2つの愛称を持つレースだ。ツール・ド・フランスと同じASOが主催する。今年の正式なコースマップはまだ発表されていないが、98km地点からスタートする石畳の区間は31ヶ所で、合計53.4kmになる予定だ。昨年は前の週にロンドを制覇したファビアン・カンチェッラーラ(スイス)が、残り49km地点から単独で逃げ切って優勝している。

アムステル・ゴールド・レース(4月17日/オランダ)

●創始年:1966年 ●大会数:46回 ●距離 :260.4km ●スタート :マーストリヒト ●ゴール  :カウベルフ ●前回優勝者:フィリップ・ジルベール(ベルギー) ●参加チーム:UCIプロチーム(18チーム)、スキル・シマノ(オランダ)、ランボークレジット(ベルギー)、トップスポルトブラーンデレン・メルカトル(ベルギー)、ベランダスウィレムス・アクセント(ベルギー)、コフィディス、ルクレディアンリーニュ(フランス)、ファルネーゼビーニ・ネーリソットリ(英国)…計24チーム ●アムステル・ゴールド・レースはクラシックレースのなかでもっとも歴史の浅いレースだが、2003年にゴールをカウベルフ頂上に移動して以来、レースのプレスティージが上がっている。オランダ南部マーストリヒト周辺の丘陵地帯が舞台となり、コースには31ヶ所の丘が登場する。アムステルは主催するビール会社の名前に由来し、優勝者はビールで祝杯を上げるのが慣例だ。昨年は最後のカウベルフでアタックしたフィリップ・ジルベール(ベルギー)が初優勝を飾った。

リエージュ~バストーニュ~リエージュ(4月24日/ベルギー)

●創始年:1892年 ●大会数:97回 ●距離 :257.5km ●スタート :リエージュ ●ゴール  :アンス ●前回優勝者:アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン) ●参加チーム:UCIプロチーム(18チーム)、コフィディス、ルクレディアンリーニュ(フランス)、FDJ(フランス)、ランボークレジット(ベルギー)、トップスポルトブラーンデレン・メルカトル(ベルギー)、ソール・ソジャスン(フランス)、スキル・シマノ(オランダ)、ベランダスウィレムス・アクセント(ベルギー)…計25チーム ●現存する最古のレースで、『ラ・ドワイヨンヌ(フランス語で長老の意味)』の愛称を持つ。ベルギーのレースだが、フランスのASOが主催する。南部ワロン地方のリエージュをスタートしてバストーニュまで南下し、ふたたびリエージュまで戻ってくるレイアウトで、アルデンヌの丘陵地帯が舞台となる。今年のコースはまだ発表されていないが、上り坂は11ヶ所になる予定だ。昨年はアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)がゴール手前500mの坂でアレクサンドル・コロブネフ(ロシア)を置き去りにして優勝した。

春の5大クラシックレースで栄冠を手にするのは誰?

●ミラノ~サンレモを狙っているのは、2009年優勝のマーク・カベンディッシュ(HTC・ハイロード)、フィリップ・ジルベール(オメガファルマ・ロット)、トム・ボーネン(クイックステップ)、そして昨年優勝のオスカル・フレイレ(ラボバンク)。さらにチームガーミン・サーヴェロは世界チャンピオンのトール・フースホフト、タイラー・ファーラー、ハインリッヒ・ハウスラーの3強を送り込んで優勝を狙っている。 ●ロンド・バン・ブラーンデレンとパリ~ルーベは、ファビアン・カンチェッラーラ(レオパード・トレック)が2連覇を狙っているが、ボーネンもタイトル奪還にすべてをかけるだろう。チームガーミン・サーヴェロはハウスラーがロンド、フースホフトがルーベで優勝を目指す。オムロープ・ヘットニュースブラッドで2位になったフアンアントニオ・フレチャ(スカイ)の存在も忘れられない。タイラー・フィニー(BMCレーシング)のような若手の活躍からも目が離せないだろう。 ●アムステル・ゴールド・レースとリエージュ~バストーニュ~リエージュには、上りに強い選手が参戦。優勝候補として名を列ねるのは、ダミアーノ・クネゴ(ランプレ・ISD)、シュレク兄弟(レオパード・トレック)、ロベルト・ヘーシンク(ラボバンク)。ジルベールは好調の今年こそ、悲願の地元リエージュ制覇を狙うだろう。しかし、今季で引退する予定のアレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナ)も2連覇を狙っている。(Photo: RCS Sport / 潤・QST / Tim de Waele)
●春の5大クラシックレースに参加するUCIプロチーム…AG2R・ラモンディアル(フランス)、BMCレーシングチーム(米国)、エウスカルテル・エウスカディ(スペイン)、HTC・ハイロード(米国)、カチューシャチーム(ロシア)、ランプレ・ISD(イタリア)、リクィガス・キャノンデール(イタリア)、レオパード・トレック(ルクセンブルク)、モビスターチーム(スペイン)、オメガファルマ・ロット(ベルギー)、プロチームアスタナ(カザフスタン)、クイックステップサイクリングチーム(ベルギー)、ラボバンクサイクリングチーム(オランダ)、サクソバンク・サンガード(デンマーク)、スカイプロサイクリング(英国)、チームガーミン・サーヴェロ(米国)、チームレディオシャック(米国)、バカンソレイユ・DMCプロサイクリングチーム(オランダ)