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デローザとカンパニョーロ

デローザとメルクスによる数多くの勝利は、当時「勝つための必然の選択」であったカンパニョーロのコンポーネントとともにあった。そしてそのときの強い結びつきは現在まで続いている。
text●細沼達男 photo●田中秀宏

メルクスの勝利に大きく貢献したイタリアの2大ブランド

デローザはイタリアの老舗ロードレーサーブランド。スチールフレームづくりの巨匠ウーゴ・デ・ローザが18歳のとき、1953年に立ち上げた。 もうひとつ自転車ロードレース界になくてはならないイタリアのブランドはカンパニョーロだ。元プロロードレース選手だったトゥーリョ・カンパニョーロが1933年創業した。カンパニョーロは自転車用部品を単品ではなく、コンポーネント全体としてとらえ、1950年代後半にいち早く開発したメーカーだ。 いまでこそロードレース用コンポーネントは日本メーカーや米国籍ブランドも展開し、多くのレースで実績をあげている。しかし1980年代前半までは「ロードレース用コンポーネント」=「カンパニョーロ」と言っても過言ではなかった。ほとんどのプロレースで勝っていたのはカンパニョーロのコンポーネントだったのだ。 そんな時代に圧倒的王者として君臨し、いまなお史上最強のロードマンとたたえられるのが、1960年代から70年代にかけて活躍したエディ・メルクスだ。 事実デローザもメルクスにフレームを供給することで、その地位を不動のものにした。メルクスの機材に対する要求は非常に厳しく、デローザは年間50本ものフレームをメルクスのために作ったという。レース前日に受けた注文を徹夜でこなし、レース当日の朝に届けたという逸話は有名だ。デローザとメルクスによる数多くの勝利は、当時「勝つための必然の選択」であったカンパニョーロのコンポーネントとともにあった。そしてそのときの強い結びつきは現在まで続いている。多くの老舗と呼ばれるイタリアブランドが90年代以降、カンパニョーロ以外のコンポーネントを装着した自転車をカタログのメインページに掲げることも多くなった。しかしデローザはカンパニョーロにこだわり続けてきた。 2011年モデルでデローザが満を持して投入した意欲作R848にもカンパニョーロの「ベローチェ」コンポーネント、そして「カムシン」ホイールが選択されている。ハートのフレームには、やはり同じイタリアのカンパニョーロが最もよく似合う。
R848:エントリーモデルの定義を超越した無限の可能性 現代のライディングに必要な技術的特性をあますことなく持ち合わせたうえで、自転車に乗ることの楽しさをスポーツの言語に変換して、人々を素晴らしきデローザの世界に誘う。ビギナーにはベストな選択を、ベテランライダーには新鮮な輝きを。そしてすべてのサイクリストに、新しいデローザを。 完成車価格 299,250円(税込) Veroche10v/khamsin wheels カラー:ブラックレッド、ブラックシルバー、ブラックゴールド サイズ:42、45、48

新たな特別塗装、スターダストペイント

一貫してレーシングフレームをつくり続けているデローザ。「どのモデルに乗っても走りがいい」というのは大多数の人に共通する意見。さらに「どのモデルのスタイリングもいい」ことに異論をはさむ余地はない。 デローザの「スタイルのよさ」の重要な要素になっているのが、職人の手仕事による塗装だ。2011年モデルでは「Stardust Paint」と呼ばれる新たな特別塗装のモデルが選択できるようになった。「スターダストペイント」を言葉で表現すれば「見る角度や光線の具合によって色合いが変わるペイントにラメが入ったもの」。深みのある色味は、さまざまに変化して美しくも楽しい。そして細かな粒が星のように輝いている。イタリアのデローザ本社では、ラメ状のキラキラを英語で「glitter(グリッター)」と呼んでいる。
ただでさえデローザの塗装は手が込んでいる。塗り分けだけでなくロゴマークまでもが「マスキング-->塗装-->乾燥」の工程を何度も繰り返すことで表現されているのだ。スターダストペイントでは、この工程がさらに増える。しかし、手間がかかっても「速いフレームを美しく見せる」のがデローザ流。スターダストペイントを全面に使うのではなく、効果的な部分のみに配しているところに抜群のセンスを感じる。 このペイントは塗料に混入するグリッターの種類を変えて、デローザがスポンサーのUCIプロコンチネンタルチーム「デローザ・スタックプラスティック」のフレームにも施されている。選手たちは言う。「デローザに乗れることは誇りです。創業者ウーゴ・デ・ローザ氏のお気に入りのカラーは昔からブルーだと聞きました。チームに供給されているフレームもブルーのペイントです。そのブルーのフレームがレースを走っていることをウーゴ氏はとても喜んでくれています。われわれ選手も美しい自転車に乗っている以上、決して恥ずかしい走りはできません」レース中の苦しい場面でも、乗り手の気持ちを鼓舞し、「もうひと頑張り」できる。これも特別な塗装の効果といえよう。
ジロ・デ・イタリアをはじめとした数々のメジャーレースで、プロ選手を大いなる成功へと導いたKING3 RSは、どのような状況においても快適で安定した走行性能を誇る。2011年の新カラー「Savana」に採用されたスターダストペイントは、光線の加減によって様々な表情をみせる、上品で味わい深い仕上がり。このペイントはプロチーム「デローザ・スタックプラスティック」の選手が駆るKING3 RSにも施され、ここいちばんで彼らを鼓舞することに一役買っている。 KING3 RS / KING3 RS Custom 577,500円(フレーム価格) KING3 Custom 26,250円(特注BB&HEAD、特注シマノDi2仕様フレームオプション価格) ※Savanaカラーは特別塗装のスターダストペイントが採用されているため、フレーム価格は593,250円となります。

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