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お薦め入門ロードバイク part2
2011.05.13
適正サイズのフレームを選ぼう!
体型にフィットさせる必要があるロードバイクには靴や服と同じようにサイズがあり、自分の体に合ったサイズを選ぶ必要がある。サイズが合っていないバイクは操作がしにくく、実力が発揮できない。スポーツ障害などの要因となってしまうこともある。一般的には1車種で少なくともS、M、Lの3種類、サイズ展開の多いモデルなら10種類以上のサイズが用意される。しかし、ビギナーにとってはどのサイズが適正なのかわかりづらい。身長から決められれば簡単だが、手や脚の長さ、柔軟性などによっても異なるため一概には言えないのだ。
スポーツバイクのプロであるフレンド商会の樗沢さんに、ロードバイクのサイズ選びについて聞いてみた。「たいていのモデルは幅広くサイズ展開しているので、サイズをあまり気にせずに、まずは車種を決めてもいいでしょう。小柄な人の場合は乗れるモデルが限定されることもありますが、最近はヨーロッパメーカーも小さいサイズを用意しています。欲しいバイクが決まったら、そこからはお店の仕事。専用の機械を使って、お客様に適したサイズの測定を行なっているので、どのサイズが合っているかという判断はショップに任せてしまってもいいと思います」
EDDY MERCKX:EMX-1(完成車価格)29万8000円
16年間の現役時代にツールとジロで各5勝、世界選手権プロロード3勝、クラシックレースを含む通算525勝という史上最強のレーサー、エディ・メルクス。そのメルクスが引退後に興したブランドが、みずからの名を冠した「エディメルクス」だが、09モデルから慣れ親しんだロゴやヘッドマークを刷新し、新しいスタートを切った。
エディメルクスのカーボンロードバイクは全7種。ハイエンド向けの「プロ」と、EMX-1などエントリー向けの「パフォーマンス」がある。EMX-1に採用される「パフォーマンスジオメトリ」は、ヘッドチューブがプロシリーズより長く設定されていて、フレーム素材には比較的トン数が低く、柔らかい24HM・UDMカーボンが使用されている。これにより走行中の上半身への負担は軽減され、ロングライドにおいて、より快適な走行感を実現しているという。
フロントフォークやシートステーには特徴的な造形が見られるが、これは走行中のフレームにかかる応力をコンピュータ解析し、最適なバランスを実現するためのもので、ただのデザインではない。快適さを向上させながら、ハイレベルなコーナリングや加速の性能を実現するためのものなのだ。
ボリューム感あるヘッド部は下が1-1/4で、トップチューブとダウンチューブを巻き込んだ独特のデザイン。トップチューブは逆三角形の断面形状にして剛性と軽さを両立している。コンポーネントにはシマノ・105を、そしてホイールにはリニューアルされたフルクラム・レーシング7が採用されている。
GIANT:TCR1( 完成車価格)15万7500円
ジャイアントの創業は1972年。欧米の有名ブランドのOEM生産を請け負う時代を経て、1981年にオリジナルブランドを掲げた。1997年にはプロチームであるオンセのマシン供給を発表し、一気にヨーロッパに進出した。「世界一の生産台数」で語られることが多いジャイアントだが、同社が最も誇るのは台数よりもその品質にある。世界で最もたくさんの自転車を作るメーカーゆえの技術力。数えきれないほどのレースからのフィードバック。その裏にある新たなアイデアを現実にする充実した設備。そういった環境から生み出されるフレームはプロ選手にも好評を得るほど完成度が高い。
TCR1のフレームは、ジャイアントが長年アルミを研究し続け、素材の特性を分析して生まれた「ALUXX(アラックス)SLアルミニウム」を使用し、独自の製造工程により組み上げている。それによりできあがったフレームは、剛性と反応性が非常に高い最強のレースエントリーバイクだ。アルミらしいキビキビとした走りはレースバイクとしての適応性を備えるのはもちろん、コンパクトドライブとワイドギヤが標準採用され、ヒルクライムにも対応する。
さらに「パワーコアBB」と呼ばれるカートリッジベアリングにクランクシャフトを直接取り付ける独自規格のハンガーまわり、ヘッドパーツの下部品を1-1/8インチから1-1/4インチに拡大する「オーバードライブヘッド」を採用することで、剛性アップを実現しながら、軽快な加速性能とハンドリングを追求している。
GIOS:SESSANTA(完成車価格)18万6900円
ジオスは1948年にトルミーノ・ジオスが創業したブランド。トルミーノは17歳のときにベルリン五輪のイタリア代表になり、クォリティに強いこだわりを持つ。1973年からプロチームに機材供給を始めたが、ジオスを世に知らしめたのはなんといってもクラシックレースで勝ちまくったブルックリンチームのR・ブラマンクの活躍だった。
ジオス最大の特徴は鮮やかなブルーカラーに彩られた、徹底的にこだわった精度の高いフレームだ。使うパイプや作り方に応じて溶接の方法を変えるように、製品のクォリティにはとくに強いこだわりを持っている。もちろん入門バイクであるセサンタにもそのこだわりを見ることができる。使用されるクロモリのパイプは主に2種類の肉厚を持つダブルパテッドが使用され、各所に必要な強度が確保されている。カーボンに比べて重量が増してしまう傾向にあるクロモリだが、肉厚なパイプを使用することにより完成車で9.4km(ペダルレス)と入門車としてはまずまずの重量。フロントフォークにオリジナルカーボンフォークを採用することにより、軽快なハンドリングを実現している。
アッセンブルされるパーツはステム、シートポスト、バーテープに至るまで同社オリジナル製品。加えてコンポーネントには操作性に定評のあるイタリア、カンパニョーロ社のヴェローチェ、ホイールにも同社のカムシンを採用。フレームのみならずバイク全体でイタリアンな雰囲気が演出されている。セサンタは主流となっている戦闘的なカーボンバイクとは一線を画す、細身でクラシックテイストなバイクである。