シマノに待望の11速セカンドグレード登場! 6800系機械式アルテグラデビュー!
期待のセカンドグレード!
昨年発表された9000系デュラエースの登場は、自転車乗りの大きな関心を集めたとともに、その完成度の高さは多くの評判を呼んでいる。そうなれば嫌でも気になるのが、セカンドグレードであるアルテグラだ。9000系デュラエース同様、デュアルコントロールレバーからワイヤに至るまで、すべて新設計された。それでいて、デュラエースより手に入れやすい価格設定で人気を呼ぶことは間違いない。各パーツについてチェックしていこう。
よりエルゴにミクスを追求したデュアルコントロールレバー
ルックスはST-9000とほぼ同じ。ストレートだったレバー形状は外側にゆるく湾曲したかたちとなり、ブラケットの頭も丸みをおびた。レバーの支点を設計し直すことにより、ブラケットポジションからのレバー比をアップし、制動しやくすなっている。また、シフトレバー操作のストロークも短くなっている。レバーの素材にはカーボンを使用。
・ST-6800 価格/3万2766円
操作の軽さと制動力の両立を図ったブレーキキャリパー
デュアルピボット+ローラーを備えたキャリパーブレーキ。デュラエースグレードよりも肉抜きされた箇所が少なくなっている。
また、よりエアロダイナミクスを意識した、ダイレクトマウントモデル(トレック・マドン7などが採用している取り付け位置、写真下)も登場する。
・BR-6800-F 価格/6745円(フロント)、BR-6800-R 価格/6232円(リヤ)
・BR-6810-F 価格/7233円(フロント、ダイレクトマウント)、BR-6810-R 価格/6760円(リヤ、ダイレクトマウント)
クランクは4アーム、ワイヤにはPTFEコーティングあり
クランクは9000系デュラエースと同様に4アームを採用。軽量化と新型のフロントディレーラーとの組み合わせによってチェーン落ちを減少させている。カラーはこのグレーのみだ。歯数構成は53×39T、52×36T、50×34Tのほか46×36Tも用意される。
従来はチェーンリングの歯数によってPCDが130mmと110mmが混在していたが、新設計のクランクにより、全ての歯数で同一のクランクを使用することができる。
・FC6800 53×39T、50×34T、52×36T 価格/2万5023円(46x36T 価格/2万3837円)
あわせて新型BBのSM-BBR60も登場。耐久性を維持したまま14gの軽量化と、回転抵抗の半減を実現している。スレッドタイプとプレスフィットタイプが用意される。
・SM-BBR60 価格/2562円(スレッド、イングリッシュ/イタリアン)
・SM-BB72-41B 価格/2853円(プレスフィット)
シフト、ブレーキ操作の抵抗を大きく減らした立役者の一人であるワイヤ。デュラエースのワイヤと同じようにインナーワイヤにはポリマーコーティングが施される。デュラエースとの違いは、その密度がやや低くなる点だ。
フロントディレーラー&リヤディレーラー
フロントディレーラーは、デュアルコントロールレバー、ポリマーコーティングのワイヤと相まって、より少ない力で操作することが可能となった。
・FD-6800F 価格/3980円(直付タイプ)
・FD-6800BL 価格/4407円(バンドタイプ、34.9mm径)
・FD-6800BSM 価格/4461円(バンドタイプ、31.8mm径 ※28.6mmアダプター付き)
リヤディレーラーはショートケージとロングケージの2種類が用意される。これによってローギヤが最大で32Tまで使用可能となった。
ディレーラーはどちらもシフト操作中の力が均一になるよう配慮されている。
・RD-6800SS 価格/7673円(ショートケージ、ロー:23-28T、トップ:11-12T対応)
・RD-6800GS 価格/8266円(ロングケージ、ロー:28-32T、トップ:11-12T対応)
チェーン&カセットスプロケット
チェーンは11速専用。新しい表面処理技術により、なめらかな変速を可能とする。スプロケットは11-23T、11-25T、12-25T、11-28T、11-32Tとワイドレシオまで充実したラインナップだ。
・CS-6800 価格/7637円(カセットスプロケット 11-23T、11-25T、12-25T、11-28T。11-32Tは8229円)
・CN-6800 価格/3476円
アルテグラグレードで11速対応ホイールも登場
11速および10速に対応したアルテグラグレードのホイールがこのWH-6800だ。クリンチャータイヤとチューブレスタイヤに対応しており、ワイドフランジハブとオフセットリムを備えることにより、高い剛性とパワー伝達性を備えている。
・WH-6800 価格/3万7568円
完組ホイールの他にハブの販売もある。もちろんベアリングはカップ&コーン方式を採用している。スポーク穴はフロントとリヤいずれも32Hと36Hが用意されている。
・HB-6800 価格/4953円(フロント)、FH-6800 価格/9195円(リヤ)
●価格シミュレーション
直付タイプフロントディレーラー、ショートケージリヤディレーラー、前後ブレーキキャリパー、クランク(50-34T)、デュアルコントロールレバー、カセットスプロケット(11-25T)、チェーン、BB=9万6094円
ファーストタッチ
発表会では、6800系アルテグラの試乗車が用意され、非常に限られた条件ではあるが、実際に試乗して操作することができた。個人的には9000系機械式デュラエースの操作感に好印象を持っていたので、6800系アルテグラにはかなり期待している。
操作してみて感じたのは、わずかではあるがやはりデュラエースよりも操作の重さを感じるところ。それと、シフト操作するときに指先で感じるレバーの形状が少し違っているように思った。ブレーキの効き方は制動力の立ち上がりが、デュラエースよりガツンとしている。
先代の6700系アルテグラと価格差1万円以内ながら、性能は大幅に進化しているので、かなりお買い得なコンポーネントといえる。発売は7月を予定。発売後にちゃんとした試乗車ができ次第、あらためてレポートしたいと思う。