ロードバイク・デビュー講座 その1 ブレーキ、シフトワイヤ編
見て!聞いて!愛車からの危険信号
ロードバイクに乗り始めてしばらくたち、購入直後と比べてなんとなく乗りにくくなった、スピードが出しにくい、変な音がする、などといった「変化」に気づくことがあるはずだ。心当たりのある人はここで立ち止まって、愛車をよく観察してみよう。チェーンやスプロケットの隙間、リムのブレーキ面、フレームの裏側・・・汚れていないだろうか。ロードバイクは晴れた日にしか乗ってなくても確実に汚れていく。この汚れが、さまざまな機械の不具合を引き起こすのだ。このようなサインを発見したら、すぐに対応しよう。
車体やパーツを掃除することがメンテナンスの基本で、乗ったあとに愛車を掃除していれば余計なトラブルは回避できる。また、掃除することによって愛車の各部を自然とチェックするようになり、より細かな変化に気づくようになる。いちばん危険なのは、何も気づかずに乗り続けること。大きな事故にも繋がりかねないので、愛車の変化には敏感でいたい。自分で手におえない異常は、専門のショップで修理・調整してもらえばいいから、まずは愛車の変化を感じとれるようメンテナンスの習慣をつけよう。
また、走り終えたあとのメンテナンスは、目の前の愛車が自分の手でピカピカになるだけでもうれしいし、その日の思い出も鮮明によみがえってきて楽しい気分になれるものだ。乗っても楽しい、乗ったあとも楽しい。そんなサイクルライフを手に入れよう!
ブレーキワイヤをチェック!
以前に比べてブレーキレバーの引きしろの幅が増えているようだったら要注意!ワイヤが伸びている状態で、ブレーキ性能が低下して安全に走行できなくなる。すぐに対応が必要だ。
ブレーキは自分の命を預ける肝心要のパーツだ。高速で走行するロードバイクは、わずかな見逃しが大事故に発展してしまうので、とくに念入りにチェックしなければならない。ブレーキワイヤは使い続けているうちに伸びてしまい、テンションがゆるむと正常に操作できなくなるので、すぐに対処する必要がある。
ワイヤの調整や交換は、ある程度の知識と経験が必要になってくる。まずは確実に異常を発見できるようにしたい。レバーとワイヤ、ブレーキの連動性をチェックし、握りのゆるさや異常を発見したらすぐにショップに相談しよう。
ブレーキレバーを握ったときの引きしろの幅でブレーキの効きを確認しよう。右下のようにレバーがハンドルに当たってしまうような状態はワイヤが伸びてしまっている。正常な状態は写真のポジションで、パッドがリムに当たる。
シフトワイヤをチェック!
走っていて、変速のタイミングがいつもより少し遅れるような感覚があったら、シフトワイヤが伸びている疑いがある。シフトワイヤもブレーキワイヤ同様に使い続けると伸びが生じ、ワイヤがキッチリと張っていないとディレイラーを正常な位置に移動できず、変速不良を引き起こすのだ。チェーンとギヤの歯の接触するような音が聞こえてきた場合もワイヤが延びた疑いがあるので、音にも注意を払いたい。この異音がする状態で走り続けると、パーツの故障に繋がる可能性もあるので、放置せずにしっかりと原因を究明して対処してほしい。
■写真下・右:アウターに入れたのにチェーンはインナーに入ったままの場合はワイヤのテンションがゆるんでいる症状。フロントギヤはワイヤを引っ張って重いギヤに入るので、ワイヤが伸びるとアウターにチェーンを移動できない。
■写真下・左:変速頻度の高いリヤ変速機は不具合も多い。ローに変速したのにチェーンは1段重いギヤから動かないような症状はワイヤがゆるんでいる可能性がある。リヤはフロントと逆で、ワイヤを引っ張って軽いギヤに入れる仕組み。
こんな状態ならすぐにワイヤ交換
走っていて異常を感じなくても、写真のような状態を発見したらすぐにワイヤ交換が必要だ。またブレーキに関して、ワイヤ以外にもパッドの減り具合もチェックしておくこと。パッドが偏摩耗していたり、ひび割れしていたら、正常なブレーキ性能は発揮できない。摩耗したパッドを使い続けることによって、リムを傷つける恐れがある。
■写真下・左:アウターワイヤがひび割れを起こし、内側の金属部分がさびている状態。状況によっては、インナーワイヤも交換する必要が出てくる。
■写真下・右:ワイヤのエンドがほつれてしまっている。ワイヤが切れやすくなってしまうので、これを放置しておくのはNG。見た目も悪いので、すぐに交換しよう。
サイクルヨシダ 高崎店 新井哲也さんに聞きました!
群馬県に高崎店と伊勢崎店、東京に西麻布店を展開する老舗サイクルショップ。一般車から高級ロードバイクまで幅広く取り扱っている高崎店は、上越線、高崎問屋町駅より徒歩1分とアクセスもいい。
住所:群馬県高崎市問屋町4-3-2
営業時間:10時~19時(定休日なし)
新井さんは、自転車好きの趣味が高じてサイクルヨシダ 高崎店に転職した経歴を持つ、メンテナンスのエキスパート。佐渡ロングライドやツール・ド・のと」に参加したこともあるロングライド派だ。
問い合わせ先
027-363-8161
http://www.cyclesports.jp/shopnavi/detail.php?id=41&prefecture_select=10&area_select=3