Daily アレ!アレ!ユキヤ!2013 第8~第14ステージ
7月6日 第100回ツール・ド・フランス 第8ステージ[カストル~アクス・トロワ・ロメーヌ 195km]
ついにピレネーが始まった!
ツール出場メンバーが決まる前、わざわざ下見に訪れたピレネーのステージ。今日は超級2001mのパイエール峠を越え、1級アクストロワドメーヌの頂上にフィニッシュするステージだ。
ユキヤは予定どおり逃げを見送り、チームのエース、ピエール・ローランをサポートする役目に徹した。上り口の道幅、路面の状態、必要なギヤ。すべてを知り尽くしたユキヤがピエール・ローランを発射し、ユキヤ自身はパイエール峠の麓からグルペットでゴールへと向かった。今日の区間成績は29分遅れの143位だが、アシストとしての仕事をしっかりこなした。余裕の走りは経験のなせる技だ!
総合は75位、チームはアクスレテルムのホテルに泊まり、明日のピレネー2日目に向けて闘志を燃やしている!
パリまであと 2069km
7月7日 第100回ツール・ド・フランス 第9ステージ[サンジロン~バニェール・ド・ビゴール 165km]
ピレネー2日目は、カテゴリー2級の峠1つに続いてカテゴリー1級の峠が4つも連続する厳しいステージだ。最後の峠、ウルケット・ダンシザンから下ってのフィニッシュだが逃げが成功する雰囲気はさらさらなく、逆に一つ目の峠、ポルト・ダスペから本命が動き出した。ラジオツールから流れてくる選手名はすべて、集団から遅れていく選手ばかりだ。ライバルの攻撃にアシストを使い切ったクリストファー・フルーム(スカイ)だが、勝ったダニエル・マーティン(ガーミン・シャープ)から20秒遅れでフィニッシュし、マイヨジョーヌを堅守した。
「クライマーたちのステージだった」とユキヤは言ったという。タイムアウトにならないよう、一番後ろのグルペットより前で走りきったユキヤは22分遅れの109位。総合は84位となって休養日を迎えた。
写真は、ユキヤがサガンやジルベールらとともにペイルスルド峠をクリアしていくところ。この時点で先頭から6分の差。
パリまであと 1904km
7月9日 第100回ツール・ド・フランス 第10ステージ[サンジルダス・デ・ボワ~サン・マロ 197km]
ツール・ド・フランス第10ステージ、最初の休養日明けのユキヤはフレッシュ! 全日本チャンピオンデザインのメッシュジャージも到着し(暑さ対策は大事です!)、ゴールスプリントに向けて元気よくスタートしていった。
逃げにはチームメイトのジェローム・クザンが乗り、順調な展開。終盤で逃げが捕まったときも冷静な位置取りで集団前方に位置し、ラスト1kmではヨーロッパカーが3人列車を作る完璧な状況となった! さあ、スプリント! とそのとき、カタカタと異音がしていたというリアディレーラーがエンドごとクラッシュ! これは残念~。走行不能となったユキヤは3分以上遅れてしまったが、チームメイトのセリル・ゴティエの自転車で笑顔でゴール! 結果は169位、総合は80位だ(ラスト3km以内のトラブルなのでタイム差なし)。明日のTT、ユキヤのスタート時刻は現地時間13時52分!
パリまであと 1707km
7月10日 第100回ツール・ド・フランス 第11ステージ[アブランシュ~モン・サンミシェル 33km]
第11ステージは個人タイムトライアル、アブランシュから有名観光地モンサンミッシェルまでの33kmだ。コースはアップダウンとコーナーが続き、沿道には途切れなく観客が詰めかけた。
総合成績下位から順にスタートするので、ユキヤのスタートはちょうど真ん中あたり。お昼過ぎにトマ・ヴォクレールとともにスタート地点に到着したユキヤは、この秋に予定されている「さいたまクリテリウムbyツール・ド・フランス」のさいたま市の清水勇人市長の訪問を受けた。(10/26 さいたまクリテリウムbyツール・ド・フランスに新城幸也が出場予定)
「初モンサンミッシェル」を楽しみにしていたユキヤは快調に走り、33kmを40分58秒、平均時速48.3kmで走り抜けた。「風が強かったですけど ほとんど追い風で、ラスト3kmから向かい風でした」というユキヤ。ほとんど疲れもみせず、エタップ・デュ・ツールを走ってから観戦に訪れたサイクリストたちのサインに応じていた。区間は103位、総合は80位となっている。
写真はラスト500m! モンサンミッシェル直前でターンし、フィニッシュラインへと走るユキヤ
パリまであと 1674km
7月11日 第100回ツール・ド・フランス 第12ステージ[フジェール~ツール 218km]
フォージュからトゥールへの第12ステージはほぼフラット! スプリンターを擁するチームがゴールスプリントにもっていくか、それとも逃げが成功するか。やはりというべきか、スプリント勝負になったこのステージだったが……。
ゴール直前! テレビ画面に集団前方での落車が映し出された。白に赤丸のジャージが巻き込まれていくのが空撮で見える。「シュット! シャンピオンドゥジャポン、ユキヤアラシロ!」。信じたくない光景。その直後、オートバイからの映像では起き上がるユキヤが映し出された。大丈夫か? しかし、カヴェンディッシュとキッテルがゴールラインを通過して6分が過ぎてもユキヤが帰ってこない。自転車を交換するくらいなら、こんなにはかからないはずだ。
ユキヤは別の自転車に指を挟み、左手人差し指と中指に裂傷を負っていた。脱脂綿で止血しつつ、ようやく日本人カメラマン全員が待ち構えるフィニッシュに帰ってきたユキヤ。信頼できるドクターがチームに帯同していることが、不幸中の幸いだ。 区間成績は治療を受けていたため181位でゴールしたが、ラスト3km以内での落車のため、それ以前にいた集団と同タイムとされるため、0秒差というリザルトだ。総合はわずかにアップして78位となっている。ユキヤの無事をみんなで祈ろう!
パリまであと 1456km
7月12日 第100回ツール・ド・フランス 第13ステージ[ツール~サンタマン・モントロン 173km]
今日のステージは173km、トゥールからサンタマン・モントロンまで。ヨアン・ジェーヌを含んだ6人の逃げがじわじわと3分の差を付けたが、なぜかメイン集団がペースを落とさなかった。そして序盤のうちにオメガファルマ・クイックステップが集団のペースを上げると横風区間に入り、ラジオツールからはドゥージエム・プロトン(2番目のプロトン)という呼び方が聞こえてきた。奇襲攻撃に、集団が中切れを起こしているのだ!
ラジオツールが後ろに遅れた集団の主要メンバーを読み上げる。「ユキヤアラシロ、ディスタンセ!」ユキヤはピエール・ローランとともにゴールスプリントを狙うはずのキッテル(アルゴス・シマノ)の集団にいた。逃げは吸収され、集団同士の追いかけっこが始まった。これがロードレースだ!
そして総合2位にいたバルベルデがパンクして1番目のプロトンから脱落すると、さらに先頭はペースを上げ、総合3位のコンタドール率いるサクソバンク・ティンコフがこれに加勢。激しいレースだ。 結果はカヴェンディッシュが2勝目(通算25勝)、総合が一気に動いた。ユキヤは、ピエール・ローランとともに9分遅れ、厳しい表情で106位フィニッシュ。現在の総合は84位だ。
ほぼ無言でフィニッシュしたユキヤ。指のケガはともかく、自らが牽いても前が離れていく展開にショックが隠せない.....
パリまであと 1283km
7月13日 第100回ツール・ド・フランス 第14ステージ[サンプールサン・シュル・シウール~リヨン 191km]
ユキヤは一昨日の指のケガ、そしてこの落車で肋骨も痛めていたらしいが、今日も無事にスタートラインに並んだ。今日も続いたアタック合戦、それにも「もちろん何度も対応しましたよ、そんなときは痛みを感じない」と、さすがに辛抱強さは筋金入りだ!
18人の逃げにセリル・ゴティエを送り込んだヨーロッパカーだったが、勝ったのはマッテオ・トレンティン(オメガファルマ・クイックステップ)。ゴティエは残念ながら10位に終わった。ユキヤは7分17秒遅れの19位の集団でフィニッシュ、着順は122位だ。現在の総合は85位。明日はモンバントゥー山頂ゴールの山岳ステージ、ピエール・ローランのマイヨ・アポワを守るため、ユキヤの働きが見られることだろう。
写真は7分17秒遅れのタイム表示を確認しながらフィニッシュするユキヤ。ピエール・ローランらとともに大集団でのゴールだ
パリまであと 1092km
第100回 ツール・ド・フランス2013 公式プログラム、発売中
世界13カ国で翻訳出版されている「ツール・ド・フランス公式プログラム」の日本語版は、フランスのパリにあるツール・ド・フランスの主催者ASOの許諾、協力のもとにチクリッシモが特別編集。各チーム、選手、全ステージの詳細データ満載で「ツールのすべて」を知ることができる、日本で唯一の公認のガイドブックだ。
ツールを5回制したフランスのスーパースター、ベルナール・イノーによる、出場22チームの辛口戦力分析や、コース設定責任者ジャンフランソワ・ペシューによるプロローグ+20ステージのステージ解説など公式プログラムならではの内容に加え、日本語版独自の記事もフィーチャー。付録は2013ツールの全ルートが掲載されたフランス全土マップの大判ポスター!
■第100回 ツール・ド・フランス2013 公式プログラム
体 裁:A4ワイド判(225×297mm)、オールカラー196ページ
発売日:2013年6月18日(火)
定 価:付録とも1575円(税込み) 全国書店、amazon、J SPORTS onlineshopなどで好評発売中!
■6月28日(金)発売!ツール・ド・フランスを知るための100の入り口
チクリッシモでおなじみの自転車ジャーナリスト・Nacoが歴史、記録、選手、観戦の仕方、こぼれ話など100の視点から世界最大にして最高格式のサイクルロードレースを徹底ガイド!
定 価:1,680円(税込)全国書店、amazon、J SPORTS onlineshopなどで好評発売中!
■ツール・ド・フランス100回グレートヒストリー~祭りの日々~
著者は、レキップ社の記者として長年自転車レースの報道に携わってきたセルジュ・ラジェ。ツールの図版収集家としても知られる。1903年から2011年まで7つの時代に分けてツールの歴史を詳述。未発表を含む図版600点と500のエピソードを収録したツール史の決定版。第100回大会を記念して発行された、宮本あさか翻訳の日本語版となる。
定 価:3,675円(税込)全国書店、amazon、J SPORTS onlineshopなどで好評発売中!