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コーダーブルーム・ファーナ6800 試乗レポート

2013.07.29

コンポーネントにシマノ・アルテグラ6800を採用したコーダーブルームのセカンドグレード「ファーナ6800」。静岡県・伊豆半島で2013年5月、ワイズロードの伊藤社長とサイクルスポーツの岩田編集長が試乗し、その印象を語った。

text：岩田淳雄、中島丈博　photo：山内潤也

ファーナの魅力をより身近に！

コーダーブルーム2014年モデルのフラッグシップモデルとして登場した「ファーナ」。そのセカンドグレード「ファーナ6800」について２人の人物に話を聞いた。まずはブランドマネージャーの宮浦太郎氏（右写真・左側）にコーダーブルームのコンセプトを語ってもらった。

「コンセプトは日本発のスポーツバイクブランドとして展開していくということです。世界のほとんどのスポーツバイクを先進国では、自国のブランドのバイクがいちばん多く走っています。しかし日本ではそうではありません。海外ブランドへのあこがれを否定するつもりはありませんが、結果的には外国人が外国の道を走るために開発されたモデルに日本のユーザーは乗っているのです。ターゲットを日本のユーザーに限定し、日本のユーザーが使用するシーンを考慮し、日本のユーザーに喜ばれるバイクを日本人の手で企画、設計、品質管理を行なっているのです」

「ファーナ9000と同じカーボンフレームを採用し、軽量ながら高い剛性を持つことで高効率なペダリングを実現するフレーム特性を持っています」と語るのはファーナを企画したマーチャンダイザーの神谷俊介氏。「ファーナ6800は、ニューアルテグラ仕様とすることで手ごろな価格でファーナ9000と同様のライディングフィールを実現。デザイン画においてもあらゆるシーンを想定したシックなデザインとなっています。それらは『多くの人々にスポーツバイクの魅力を届ける』というコーダーブルームの理念の下に開発されています。初めてカーボンバイクに乗る人の気持ちになってホイール、タイヤなどの細部に至るまで必要な性能を十分に備えたバイクに仕上げました。より多くの人たちに本物のカーボンバイクの魅力を感じてほしい。そんな開発者の思いがこのモデルには込められています」

トップ２人が語るファーナ6800の走り

ワイ・インターナショナル：伊藤孝彦社長

■関東を中心に全国に29店舗を展開するワイズロードグループを束ねる。ライフセービングで学生チャンピオンになったこともあるスポーツマンだ。自転車のライディングスタイルはパワーよりも回転を重視する。

私はパワー系の走りというよりは、比較的軽いギヤをくるくると回す回転系の走りをする。そういった走り方にはとても合っているバイクだなと思った。シッティングで上りに入ってもすいすいと上れる。反対に、パワーをガンガンかけて前乗りするタイプの人にとっては、ちょっと物足りないと思うかもしれない。ハンドリングはクイックな印象を受けた。このパーツ構成でこの価格は魅力になると思うし、使い方をうまく考えれば、非常に好きな自転車だ。私がお客さんに勧めるなら、ヒルクライムを始めたいという入門者。それほど、上りでの軽快な走りが印象的なバイクだった。

サイクルスポーツ：岩田淳雄編集長

■絶対的なパワーはないが、佐渡ロングライドや俺チャレの大阪～東京など長距離を精神力と使命感で走りきるのが得意な、51歳。今回の試乗コースプロフィールを聞いて、若干びびっていた.....

サドル位置などの微調整をしただけで、いきなりアップダウンの多い伊豆の西海岸を走り始めた。だがファーナ6800には、驚くほど違和感がなかった。スムーズに走る、体になじむ。まるでずっと前から自分の愛車だったかのようだ。平地でのスピードの乗りもいいし、上りもシッティングでジワジワいくのが好きな俺には、ちょうどいい剛性感。日本人が日本人のために設計・デザインしたジャパンモデル。なるほど、言うだけのことはある。新参者だが、日本人に合ったロードバイクを作りたいという、思いの強さはどこにも負けない。さわやかなカラーリングとグラフィックデザインの裏側に、そのデビュー作にかける熱い意気込みが感じられた。