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アルテグラ 6870シリーズ Di2、発表!

サイクルスポーツ7月号でもお伝えした、11段化された新型アルテグラが早くも店頭に並んでいる。熱心なロードバイカーなら、この機械式の6800系が登場した時点で予測をしていただろうが、この度、電動変速タイプの6870シリーズが発表された。

 

 

 
 
text:吉本 司 photo:山内潤也、SHIMANO

電動変速のメリットを、さらに多くのライダーに

機械式の新型アルテグラは、前作と比べて上位機種となるデュラエースとの性能差を詰めているが、この6870も基本機能や拡張性がデュラエースに極めて近づけられている。

 

まず見逃せないのは、電動変速の心臓部の一つともいえる電気モーターの変更だ。前作の6770では、モーターが装備されるブラケット部分が明らかにデュラエースよりも大きな印象だったが、今作ではモーターを小型化して軽量化。前後ディレーラーともにかなりシェイプアップされたフォルムとなっている。

 

6800系ではフロントアウターギヤを46T、リヤスプロケットのローギヤに32Tを装備したワイドなギヤ比も特徴となっているが、6870でも機械式と同じくリヤディレラーのゲージをロング化したGSタイプをラインナップして対応している。このワイドなギヤ比はデュラエースDi2で動かせないため、6870シリーズは脚力に自信の無いエントリー層はもちろん、ツーリング派までより多くのライダーに電動変速の優位性を届けている。

 

さらに待ち望まれていたTTバー用のデュアルコントロールレバー「ST-6871」も新たにラインナップされ、TTやトライアスロンに挑戦するユーザーにとっても電動変速がさらに身近になっている。電動変速の利点は、サテライトスイッチの装備により変速位置を複数設定できるのも魅力だが、この点についても旧型から進化を遂げている。

 

電子ケーブルのeチューブを接続するジャンクションAと呼ばれるパーツは、従来の3ヵ所の接続ポート以外にも5ヵ所を備えるタイプにも対応しており、デュラエースと同じサテライトスイッチの配置が可能だ。5ポートタイプを使用すれば、メインのデュアルコントロールレバーの以外にドロップ部のスプリンタースイッチ、アップバーのヒルクライムスイッチ、さらにはDHバー先端のDHスイッチ(SW-9071、SW-R671ともに対応)というように、サテライトスイッチを最大3ヵ所に装備できる。

  

そのほかPCアプリケーションのeチューブプロジェクトにより、変速スピードやシフトレバーの長押しによる多段変速数のカスタマイズ、故障診断、ファームウエアのアップデートにも対応している。また、フレーム内蔵型バッテリーとの組み合わせによる使用も可能だ。

 

 


製品の使用はまだできないので、デュラエースとの変速スピードの差は分からない。しかし6870シリーズの基本機能はデュラエースとほぼ一致する内容であり、旧型よりも大きな進化を遂げたと言えるだろう。ワイドなギヤ比にも対応するアルテグラならではの利点もあり、電動変速の魅力を多くのユーザーに届けるには十二分な存在となるだろう。



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