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究極のヒルクライムバイク、サーヴェロ RCA

1995年創業、バイクメーカーとしては歴史の浅いサーヴェロ。だが、ツール・ド・フランスなどのビッグレースで数々の勝利を収め、一躍トップブランドの仲間入りを果たした。2014年モデル「RCA」は軽量ラインの新しいフラッグシップであり、なんとフレーム重量667g(Mサイズ)を実現した。

 

text:中島丈博 photo:佐藤正巳

非常識なまでの軽さ! フレーム667g!

軽いだけでなくエアロダイナミクスも向上した「RCA」。フレーム形状は「スクオーバル」という「丸みを帯びた正方形」の断面を持つチューブを「だ円の後ろ側を切り落とした形状」に進化させた。スクオーバルは、剛性は高かったがエアロ効果が低かった。その形状を、エアロ効果が高いだ円に近くし、チューブサイドの厚みを増やすことで剛性低下を抑えたのだ。また、トップチューブの剛性を3%アップ。BB周辺の剛性を3%低くすることで、フレーム全体のバランスが向上し、快適性を高めている。

 

もうひとつの技術が「パワーメタルナノヴェイト」という、同社が世界で初めて成功したテクノロジーだ。フォークコラムに使われている技術で、ナノニッケルをコラムに巻き付けることによって、芯となるカーボンを薄くし、かつ強度をアップしている。これら2つの独自技術が、この超軽量フレームを支えているのだ。価格はフレームセットで147万円。2011年モデル「R5ca」が134万4000円だったので、8gの軽量化に12万6000円。もちろん単に重さだけでは価格差を測ることはできないが、まさに究極の一台ということがよくわかる。

 

■ボリュームのあるチェーンステー。R5caと同様に反チェーン側のほうが太くなっている。四角形の断面とすることで、ねじれ剛性を向上させている。

■写真下・左:ヘッドのベアリングは、もちろん上下異径タイプを採用。トップ&ダウンチューブへのつながりも、非常になめらかな形状とすることで、空気抵抗を低減させている。

 

■写真下・中:もはやサーヴェロの代名詞ともいえる、極細のシートステー。RCAにももちろん採用されている。ブレーキアーチの上がR5caとは違ってモノステーになっている。

 

■写真下・右:RCAの特徴的技術のひとつ「スクオーバル3」。だ円の後ろ側をカットしたような断面形状は、シートチューブを見るともっともわかりやすい。空力性能と剛性を両立する。

 

■フォークは単体の重量が、わずか280g。コラム部分はナノニッケルという金属を巻き付けて、必要な強度を稼いでいる。そのぶん、芯となるカーボンを薄くすることができた。

 

■サーヴェロ独自の規格、BBライトを採用。チェーンリング側のフレームには、クランクタイプのパワーメーター用マグネットがあらかじめ内蔵されている。

 

サーヴェロ・RCA

フレーム価格 147万円

 

フレーム:カーボン

フォーク:カーボン

コンポーネント:シマノ・デュラエースDi2

ホイール:ゼンティス・スクアード4.2

タイヤ:ヴィットリア・ルビノプロスリック 700×23C

ハンドルバー:イーストン・SLX 3 EC90

ステム:イーストン・EC90SL

サドル:トーケン・TK952 X-ウィング カーボン コンフォータブル

シートポスト:イーストン・EC90

試乗車実測重量:6.09kg

サイズ:48、51、54、56

カラー:ブラック

 

CYCLE SPORTS .jp編集長・ナカジの試乗レポート

見た目はそこまで強烈な重量のバイクだという感じはしないが、持ち上げたときに思わず「あっ」と声が出てしまう軽さ。乗ってみると、サーヴェロらしいハンドリング特性はしっかりと受け継がれている。回頭性の高さなどは、いかにもレースバイクといった味付けだ。上りでは、ペダルのひと踏み目から、その軽さを実感できる。車重はもちろん、これだけ軽いバイクに乗っているんだ!というプラシーボ効果も含まれていると思う。シッティングのままトルクをかけていくと、フレーム全体がムチのようにしなりながら、バイクがぐわんと加速していく。

 

ただダンシングでペダルに力を入れていくと、加速はしているが やや踏みごたえに欠ける。打てば響くような反応というよりは、じわりじわりとスピードが上がっていく。一定ペースで走るようなシチュエーションでは軽やかに走っていくが、スピードの上げ下げが激しいシーンではちょっと使いづらいのではないだろうか。

 

ホイールを外した状態で重量を計測すると3.75kg。写真のゼンティスのホイールよりも、もっと軽いホイールに交換すれば5kg台前半で仕上げることも十分可能だ。また、コンポーネントをスラムレッドに変更すれば4kg台。この軽さを生かして、究極のヒルクライム決戦バイクを仕立てたい!という人にお薦め。あとは財布と相談だ。

 

問い合わせ先

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