スペイン北西部のガリシア地方でスタート ブエルタ2013開幕情報
9ステージが頂上ゴールというクライマーのためのコース
今年最後のグランツール、ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)が8月24日にスペイン北西部のガリシア地方で開幕する。今年もコースは21ステージ中、中級山岳と山岳ステージが13ステージで、そのうち9ステージがカテゴリー超級とカテゴリー1の頂上ゴールという、クライマー向きのレイアウトになっている。個人タイムトライアルは初日のチームタイムトラアイル(27.4km)と、第11ステージの個人タイムトライアル(38.8km)のみ。しかも個人タイムトライアルは、中盤にカテゴリー3の峠越えがある。今大会で昨年ドラマティックな復活劇を演じた地元スペインのアルベルト・コンタドール(チームサクソ・ティンコフ)は参加しないが、2010年の覇者で今季ジロ・デ・イタリアを制したビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)や、2009年の覇者で昨年総合2位のアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)、昨年総合3位で今年のツール・ド・フランスでも3位になったホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)らが、真紅のリーダージャージ “マイヨ・ロホ” を争ってしのぎを削るだろう。
初日の8月24日は、ガリシア地方のビラノーバ・デ・アロウサからサンシェンソまでの27.4kmで、恒例のチームタイムトライアルが行われる。顔見せではあるが、総合を争う選手たちの闘いはここから始まるだろう。3週間の過酷な闘いを少しでも有利に進めるためには、初日からライバルたちに遅れを取るわけにはいかないからだ。しかもその翌日には、早くもカテゴリー1のモンテ・ダ・グロバ峠にゴールする難所がある。この峠は標高は630メートルと低いが、全長11kmで平均勾配は5.6%、登り始めて3kmで10%の最大勾配の難所を越えなければならない。
ガリシア地方で開幕したあとコースは一度南下し、今年はアンダルシア地方にも訪れ、シエラネバダ山脈に挑む。個人タイムトライアル前日の第10ステージは、標高1465メートルで平均勾配7.7%のモナチル峠を越えたあと、標高1680メートルでカテゴリー超級のアザリャナス峠でゴールする厳しい山岳区間だ。しかし、それはまだ前哨戦にすぎず、スペイン北東部のピレネー山脈に移動した後半戦は、さらに過酷な山岳ステージがつづく。
アンドラ公国に越境する第14ステージは、中盤に標高2380メートルでカテゴリー超級のエンバリーラ峠を越えたあと、カテゴリー1のオルディーノ峠とカテゴリー2のコメッリャ峠を越え、最後はカテゴリー1のコリャダ・デ・ラ・ガリナ峠でゴールする。その翌日には、今年100回記念大会だったツール・ド・フランスへのオマージュとして、アンドラからフランスへと越境。昨年ツールの舞台になった標高1605メートルのペイラギュド峠でゴールする第15ステージが設定されている。
スペインに戻った後もピレネー山岳ステージはつづき、第16ステージは標高1795メートルでカテゴリー1のアラモン・フォルミガル峠にゴール。そして今年の最終日前日に設定された最終決戦の場は、標高1565メートルでカテゴリー超級のアングリル峠だ。魔の山と呼ばれるアングリル峠では、2011年に総合優勝したフアンホセ・コボが区間優勝し、リーダージャージを獲得している。
[第68回ブエルタ・ア・エスパーニャ 全日程]
8月24日(土) 第1ステージ ビラノーバ・デ・アロウサ~サンシェンソ(チームタイムトライアル) 27.4km |
8月25日(日) 第2ステージ ポンテベドラ~バイオナ/アルト・ド・モンテ・ダ・グロバ▲ 177.7km |
8月26日(月) 第3ステージ ビゴ~ミラドール・デ・ロベイラ/バラガルシア・デ・アロウサ 184.8km |
8月27日(火) 第4ステージ ラリン/ア・エストラーダ~フィネステラ/ラ・エタパ・デル・フィン・デル・ムンド▲ 189km |
8月28日(水) 第5ステージ ソベル~ラゴ・デ・サナブリア▲ 174.3km |
8月29日(木) 第6ステージ グイフエロ~カセレス 175km |
8月30日(金) 第7ステージ アルメンドラレホ~マイレナ・デ・アリハラフェ 205.9km |
8月31日(土) 第8ステージ ヘレス・デ・ラ・フロンテラ~エステポナ/アルト・デ・ペニャス・ブランカス▲▲ 166.6km |
9月1日(日) 第9ステージ アンテケラ~バルデペニャス・デ・ハエン▲ 163.7km |
9月2日(月) 第10ステージ トレデルカンポ~グエハル・シエラ/アルト・デ・アザリャナス▲▲▲▲ 186.8km |
9月3日(火) 休養日 |
9月4日(水) 第11ステージ タラソナ~タラソナ(個人タイムトライアル) 38.8km |
9月5日(木) 第12ステージ マエリャ~タラゴナ 164.2km |
9月6日(金) 第13ステージ バルス~カステルデフェルス▲ 169km |
9月7日(土) 第14ステージ バガ~アンドラ/コリャダ・デ・ラ・ガリナ▲▲▲ 155.7km |
9月8日(日) 第15ステージ アンドラ~ペイラギュド(フランス)▲▲▲ 224.9km |
9月9日(月) 第16ステージ グラウス~サリェント・デ・ガリェゴ/アラモン・フォルミガル▲▲▲ 146.8km |
9月10日(火) 休養日 |
9月11日(水) 第17ステージ カラオラ~ブルゴス 189km |
9月12日(木) 第18ステージ ブルゴズ~ペーニャ・カバルガ▲▲▲ 186.5km |
9月13日(金) 第19ステージ サン・ビセンテ・デ・ラ・バルケラ~オビエド/アルト・デル・ナランコ▲▲ 181km |
9月14日(土) 第20ステージ アビレス~アルト・デ・アングリル▲▲▲▲ 142.2km |
9月15日(日) 第21ステージ レガネス/パルケスル~マドリード 109.6km |
マイヨ・ロホは誰の手に?! 優勝候補をチェック
ビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア/28)
●チーム:アスタナ(カザフスタン)
●グランツールの成績:ブエルタ優勝(2010)、ジロ優勝(2013)、ジロ総合2位(2011)、ツール総合3位(2012)
●2013年の成績:ティレーノ~アドリアーティコ総合優勝、ジロ・デル・トレンティーノ総合優勝、ジロ総合優勝
●UCIワールドツアーランキング:8位
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン/33)
●チーム:モビスターチーム(スペイン)
●グランツールの成績:ブエルタ優勝(2009)、ブエルタ総合2位(2012)
●2013年の成績:ブエルタ・ア・アンダルシア総合優勝、ツール総合8位、クラシカ・サンセバスティアン2位
●UCIワールドツアーランキング:6位
ホアキン・ロドリゲス(スペイン/34)
●チーム:カチューシャ(ロシア)
●グランツールの成績:ジロ総合2位(2012)、ブエルタ総合3位(2012)、ツール総合3位(2013)
●2013年の成績:カタルーニャ一周総合2位、リエージュ~バストーニュ~リエージュ2位、ツール総合3位
●UCIワールドツアーランキング:3位
ロマン・クロイツィーゲル(チェコ/27)
●チーム:チームサクソ・ティンコフ(デンマーク)
●グランツールの成績:ツール総合5位(2013)、ジロ総合5位(2011)
●2013年の成績:アムステル・ゴールド・レース優勝、ツール・ド・スイス総合3位、ツール総合5位
●UCIワールドツアーランキング:9位
サムエル・サンチェス(スペイン/35)
●チーム:エウスカルテル・エウスカディ(スペイン)
●グランツールの成績:ブエルタ総合2位(2009)、ツール総合3位(2010)、ツール総合5位&山岳賞(2011)
●2013年の成績:ジロ総合12位
●UCIワールドツアーランキング:63位
セルヒオ・エナオ(コロンビア/25)
●チーム:スカイ(英国)
●グランツールの成績:ジロ総合9位(2012)
●2013年の成績:バスク一周総合3位、フレッシュ・ワロンヌ2位
●UCIワールドツアーランキング:14位
☆ブエルタ2013出走リスト
http://www.cyclesports.jp/depot/detail.php?id=7184
ブエルタ・ア・エスパーニャ2012 個人総合最終成績
1 アルベルト・コンタドール(サクソバンク・ティンコフバンク/スペイン)84時間59分49秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+1分16秒
3 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+1分37秒
4 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)+10分16秒
5 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+11分29秒
6 ロベルト・ヘーシンク(ラボバンク/オランダ)+12分23秒
7 アンドリュー・タランスキー(ガーミン・シャープ/米国)+13分28秒
8 ローレンス・テンダム(ラボバンク/オランダ)+13分41秒
9 イゴル・アントン(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+14分01秒
10 ベニャト・インチャウスティ(モビスターチーム/スペイン)+16分13秒