満を持して登場したジャイアントのエアロロード、プロペル アドバンスド SL 0

最高の空力性能を求めて、ジャイアントの象徴であるスローピングフレームを改め、新たにホリゾンタル形状を採用したプロペルシリーズ。

各チューブは比較的オーソドックスな翼断面形状だが、ダウンチューブはボトル装備を前提とした空力性能を追求するなど実戦的な仕様に仕上げている。

さらにモジュール設計で空力を高めているのも注目すべき点だ。

チューブシェイプになじむよう成型された前後のミニVタイプブレーキを筆頭に、翼断面形状のバー＆ステム、コラムスペーサーまでもエアロ形状という徹底ぶり。

その結果、時速40km、ヨー角10度の風を受けて走行した際、競合他社の代表的な車種より最大出力を14.5ワット抑えられるというデータを得ている。

そのうえモジュールコンセプトは空力だけでなく重量面でも優位性がある。

フレーム単体重量は1090g（Mサイズ）だが、ブレーキやフォークを含めると93～403g軽量になるという。

エアロロードで後発となったジャイアントだが、プロペル アドバンスド SL 0はスピードを追い求めるライダーを裏切らないスペックに仕上げられている。

シマノ・デュラエース9070 Di2完成車価格  126万円

フレーム：T800カーボン

フォーク：カーボン

コンポーネント：シマノ・デュラエース9070 Di2

ホイール：ジップ・404

タイヤ：ジャイアント・P-SLR 1

ハンドルバー：コンタクト SLR エアロインテグレーテッドバー/ステム

サドル：フィジーク アリオネ

試乗車実測重量：6.94kg（Sサイズ、ペダルなし）

サイズ：680、710、740、770

カラー：カーボン・ブルー

エアロロードらしいフォルムはみごとに走りへと表現される。

空気の抜けに優れており、とくに50km以上となる高速の下りでは明らかに速度の鈍りは少ない。

そして平坦基調での高速巡航（時速40km以上）でも速度の維持性に優れている。

エアロロードというと上りでの重さやバタバタとした走りを示すモデルもあるが、そうしたネガティブな面は少ない。

ペダリングフィールも全域で軽く、ガツンと踏んでもヤワな印象はなく、加速も鋭い。

上りもノーマルロードと互角の走りだ。10%未満の上りこう配なら、個人的にはTCRよりもプロペルの走りのほうが好みだ。

ハンドリングはTCRよりもやや切れ込みの強さを感じるが、ストレスを感じるほどではない。

試乗車のカーボンブレーキは前後へのたわみがやや大きく、リムとの相性があるとはいえ絶対的な制動力はサイドプルブレーキに譲る。

下位グレードのアルミ製アーチのほうがダイレクト感が強く個人的には好みだ。

※試乗はアドバンスド SL １（シマノ・デュラエース）で行ないました。

シマノ・アルテグラ6800 完成車価格  44万1000円

セカンドグレードとなるのがプロペル アドバンスドシリーズ。

上位機種との大きな違いはカーボン素材が東レ・T700となり、シート部がセパレートタイプのエアロシートポストを装備している点。

コンポにシマノ・アルテグラの11速、ジャイアント独自のアルミ×カーボンエアロホイールを装備したベストバリューな一台。

こちらも試乗してみたが、非常に素直かつ軽い走りで、オールラウンドな場面で使用できる。

シマノ・アルテグラ6800 完成車価格  45万1500円

プロペルのエアロコンセプトを女性用に最適化したモデルがエンヴィシリーズ。その上位機種が「エンヴィ アドバンスド １」だ。

最小サイズのXXSは、ホリゾンタル換算のトップチューブ長が500mmを実現。身長140cm台の女性ライダーでもエアロモデルの高速ライドを楽しめる。

コンポは11速のシマノ・アルテグラを搭載し、重量は7.4kg（XXSサイズ）と軽量に仕上げられている。