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実用性の高い、AVEDIO システムワン ヴィーナス 01 ファイヤーバード

フルカーボンの「ヴィーナス」を処女作に市場参入した、国内ブランド「エヴァディオ」。プライスフォーバリューなモデルは実走派を中心に高い人気を得てきたが、マイナーチェンジを経て「ヴィーナス01」に進化している。トップレベルのレーサーを満足させる走りを追求した「ヴィーナス01 ファイアーバード」試乗レポート。

 

text:吉本 司 photo:佐藤正巳

軽快な運動性能がレースシーンで武器となる

ダウンチューブとフォークブレードの内部にリブを配置してフレーム剛性を強化する手法「RPS(リブ・パワー・システム)」はエヴァディオの独自技術。ダウンチューブはとくにペダリングで大きな負荷をかけた際のパワーロスを抑制して加速のよさを生み、フォークブレードは安定したコーナリングに貢献する。

 

さらにテーパードヘッドを搭載して、それらのレベルは引き上げられる。実用性で高評価を得るエヴァディオらしく、そのフレーム設計にはユーザーやメカニックの使い勝手に配慮した仕様が見られる。

 

シフトワイヤは空力向上と汚れを抑えるために内蔵処理するものの、チェーンステー側を外に出すのは整備性を高めるためだ。BBにスレッド式を用いるのは、音鳴りなどのトラブルを避けるため。そしてシートまわりも、オリジナルのシートポストにより微調整しやすいオーソドックスな仕様を展開する。

 

ルックスを気にするライダーには少々物足りない面もあるが、実用面で考えれば「ヴィーナス01」の仕様は絶対の安心感がある。

 

保守的なフレームワークの一方で、カラーリングで個性を追求できるのはエヴァディオの大きな魅力だ。同社のカラーオーダーシステム「システムワン」は、1万5000通りという幅広いペイントバリエーションが用意され、もちろん「ヴィーナス01」も対応している。

 

カラーリングはバイクを選ぶうえでスペック同様に気になる要素。豊富な種類から自分好みの一台を作り出せるシステムは、ユーザーに大きな満足感を与えてくれる。

 

■写真下・左:PRS構造を搭載したフロントフォークは、十分なボリュームを持つデザイン。ブレードのクラウン側は翼断面の形状を強めた設計が与えられ、エアロダイナミクス効果を意識する。

 

■写真下・中:テーパードスタイルのヘッドチューブ。下側のベアリング径はワンポイントファイブ規格に設定される。ヘッドまわりは十分なボリュームを持ち、ねじれ剛性を高いレベルにする。

 

■写真下・右:シートステーはモノタイプにデザインされる。1本に成型された部分は横方向への扁平を強めたシェイプが与えられ、路面からの振動を緩和して乗り心地を高める狙いだ。

 

■ハンガーまわりはスレッド規格のシェルを採用するものの、ダウンチューブとチェーンステーの接合部は十二分に大きな断面積を確保しており、剛性不足を覚えることはまったくない。

 

エヴァディオ・システムワン ヴィーナス01 ファイアーバード

フレーム価格:28万1400円~

シマノ・デュラエース9000系完成車価格:69万8000円

付属パーツの塗装 840円~

平面処理加工 2万1000円~

 

■フレーム:カーボン

■フォーク:カーボン

■コンポーネント:シマノ・デュラエース

■ホイール:マヴィック・コスミックカーボン80T

■タイヤ:マヴィック・イクシオンパワーリンク 700×23C

■サドル:エヴァディオ・エヴァサドルカーボンII

■ハンドルバー:エヴァディオ・ライトドロップハンドルアナトミック

■ステム:エヴァディオ・スーパーライトステム

■サドル:エヴァディオ・スーパーライトフルカーボンサドル

■シートポスト:エヴァディオ・ヴィーナスシートピラー

■試乗車実測重量:6.77kg(53サイズ)

■サイズ:50、53、56、59

■カラー:カルマブラック(ツヤあり)×黒

※フレームカラー全26色×ロゴカラー全15色

 

 

吉本 司の試乗インプレッション

「ヴィーナスは硬い」なんて言葉も耳にしたことがあるが、走らせるとネガティブな印象はまったくない、むしろ好印象だ。

 

確かにハイパフォーマンスなレーシング性能を追求したモデルだけあってフレーム剛性は高い。ペダルを踏んだとき感覚だけなら脚へのストレスが大きくなりそうなレベルだが、意外にもストレスの少ない不思議な感覚。RPSの効果だろうか・・・?

 

したがって高剛性から得られる抜群の加速のよさを、そのまま巡航速度の高さへとつなげることができる。レーサーやスピードを求めることに快感を覚えるロードバイカーには十分に使いこなせる剛性レベルだし、ハイスピードで大きなアドバンテージを得られる走行性能だ。

 

スピードの上げ下げにも敏感に反応できるし、上りも軽快感を感じながら走ることができる。加えて感心させられるのが、安定感のよさ。ホイールにリムハイトの高いモデルが装備されているのを差し引いても、重心位置は低く安定感は高レベルにある。

 

ハンドリングも軽快にして素直で、直進安定性も不足はない。ゆえに高速の下りでもオンザレールで高い安心感を持って走れる。一方で高剛性なフレームは、レーンチェンジなど横の動きにも俊敏でストレスがない。

 

乗り心地はコツコツ感を少々ひろうものの、安楽な乗り心地を求めるライダー以外なら、パーツのチョイスやセッティングで許容できるレベルだ。高い動力性能と素直な乗車感覚の絶妙なバランスは、レースライドでアドバンテージを得られるだろう。

 

エヴァディオ・ペガサス EPS/Di2

3/2.5チタン素材で繊細なフォルムのなかにレーシーな走りを詰め込んだエヴァディオ「ペガサス」。この気品ある一台にシマノDi2とカンパEPSの電動変速に対応するモデルが誕生。

 

バッテリーはダウンチューブ下側に搭載。駆動側から見るとチェーンホイールによってバッテリーが隠れ、美しいフレームのフォルムが損なわれていない。仕上げは従来のサンドブラストに加えて、カラーリング仕様も登場。

 

フレーム価格 34万4400円(ペイントモデル)、30万2400円(サンドブラストモデル)

発売中

 

問い合わせ先

エヴァディオ
0563-65-4422
http://www.avedio.net/