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石畳を制するための剛性を備える、トンプソン・フォース

自転車を国技とするベルギーのメーカー「トンプソン」。1921年に創業した老舗で、早くから競技用の自転車製造に取り組んできた。

2012年、日本国内での取扱がスタート。2013年のフラッグシップモデル「フォース」は、石畳を走りきることを考えた剛性を備えている。

 

 

text:ナカジ、photo:山内潤也

2013年モデル「フォース」は、大径チューブで前三角を固めて、シートステーとチェーンステーで振動吸収性をアップさせるオーソドックスな設計だ。

 

フォークとシートステーはゆるいカーブを描き、横方向の剛性と路面の追従性をアップしている。

 

完成車での販売の場合、スペックに目をやると、完組ホイールではないものがセットされることがわかる。これは、フレームの特性に合わせて自社で手組みされたホイールがセットされているからだ。フレームとの相性が重要な部分なので、魅力的な組付けといえる。

 

かなりマニアックなブランドなので、人とかぶることがないという点も魅力だ。カラーオーダーも可能で、写真のフレームの白、黒、オレンジ、ロゴの部分を2万1000円の追加料金で、それぞれ33色から選べる。

 

■フォークブレード間は狭く、先端で一気に広くなっている。空力性能と横方向の剛性を両立させた形状だ。

■かなり幅の広いチェーンステーは、エンドまでフルカーボン製となっている。フラッグシップモデルらしい走り。

 

 

 

 

 

 

 

 

■トップチューブ内に埋め込まれているシートクランプ。ネジを締めることで斜ウスが引き上げられ、シートポストを押さえつける構造だ。

■四角断面の極太チューブを採用するダウンチューブ。どんなパワーも受け止めることができそうだ。バイクの性格をよく表している。

 

 

 

 

 

 

 

 

■ヘッドチューブのベアリングは上下異径タイプ。チューブ後ろ側に大きなリブが設けられ、剛性をアップしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

■BBにはプレスフィットタイプを採用。太いダウンチューブにしっかりとパワーを伝えることができる。

 

トンプソン・フォース

フレームセット価格  32万5500円

シマノ・デュラエース9000 完成車価格  63万円

シマノ・アルテグラ Di2 6770完成車価格  60万3750円

シマノ・アルテグラ コンパクト 

6800完成車価格  47万2500円

シマノ・105 コンパクト5700完成車価格  39万9000円

 

フレーム:HMカーボン3K

フォーク:カーボン

コンポーネント:シマノ・アルテグラ6700

リム:TRC・SL30

ハブ:シマノ・アルテグラ

タイヤ:シュワルベ・アルトレモZX

ハンドルバー:リッチー・WCSロジックII

ステム:デダ・ゼロワン

サドル:フィジーク・アリオネ

シートポスト:オリジナル

試乗車実測重量:7.63kg(Lサイズ、ペダルなし)

サイズ:XS、S、M、L、XL、XXL

カラー:ブラック×ホワイト×オレンジ、ホワイト×レッド×ブラック、マットブラック×ブラックオーダー(+2万1000円)

 

※販売時はコンポーネントがシマノ・アルテグラ6800に、ステムとハンドルバーがデダ・ゼロ100に変更となります。

 

 

CYCLE SPORTS .jp編集長・ナカジの試乗レポート

設計コンセプトとしては、リヤで振動吸収性をアップさせているということだが、極太のフレームから想像されるとおり、かなりガチッとした乗り味を持つフレームだ。

 

ベルギーの石畳を走りきることを考えただけのことはある。フレームが、もっと力をぶつけてきてもいいんだぜ?と言っているようだ。

 

フォークのブレードもフレームに負けず劣らずごつい。下りのブレーキングでもしっかり止まってくれるし、コーナリングでもたわむ感じはしない。

 

自分が元気なうちは、打てば響くような反応を返してくれるので踏みがいがある。だが、実際問題として、なかなかそこまでパワフルに走り続けることは難しい。

 

疲れてくると、とたんにフレームからの要求をつらく感じてしまうのが正直なところだ。距離の短いレースやスプリントで、このフレーム特性が味方になってくれるだろう。

 

 

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