石畳を制するための剛性を備える、トンプソン・フォース
2013年モデル「フォース」は、大径チューブで前三角を固めて、シートステーとチェーンステーで振動吸収性をアップさせるオーソドックスな設計だ。
フォークとシートステーはゆるいカーブを描き、横方向の剛性と路面の追従性をアップしている。
完成車での販売の場合、スペックに目をやると、完組ホイールではないものがセットされることがわかる。これは、フレームの特性に合わせて自社で手組みされたホイールがセットされているからだ。フレームとの相性が重要な部分なので、魅力的な組付けといえる。
かなりマニアックなブランドなので、人とかぶることがないという点も魅力だ。カラーオーダーも可能で、写真のフレームの白、黒、オレンジ、ロゴの部分を2万1000円の追加料金で、それぞれ33色から選べる。
■フォークブレード間は狭く、先端で一気に広くなっている。空力性能と横方向の剛性を両立させた形状だ。
■かなり幅の広いチェーンステーは、エンドまでフルカーボン製となっている。フラッグシップモデルらしい走り。
■トップチューブ内に埋め込まれているシートクランプ。ネジを締めることで斜ウスが引き上げられ、シートポストを押さえつける構造だ。
■四角断面の極太チューブを採用するダウンチューブ。どんなパワーも受け止めることができそうだ。バイクの性格をよく表している。
■ヘッドチューブのベアリングは上下異径タイプ。チューブ後ろ側に大きなリブが設けられ、剛性をアップしている。
■BBにはプレスフィットタイプを採用。太いダウンチューブにしっかりとパワーを伝えることができる。
トンプソン・フォース
フレームセット価格 32万5500円
シマノ・デュラエース9000 完成車価格 63万円
シマノ・アルテグラ Di2 6770完成車価格 60万3750円
シマノ・アルテグラ コンパクト
6800完成車価格 47万2500円
シマノ・105 コンパクト5700完成車価格 39万9000円
フレーム:HMカーボン3K
フォーク:カーボン
コンポーネント:シマノ・アルテグラ6700
リム:TRC・SL30
ハブ:シマノ・アルテグラ
タイヤ:シュワルベ・アルトレモZX
ハンドルバー:リッチー・WCSロジックII
ステム:デダ・ゼロワン
サドル:フィジーク・アリオネ
シートポスト:オリジナル
試乗車実測重量:7.63kg(Lサイズ、ペダルなし)
サイズ:XS、S、M、L、XL、XXL
カラー:ブラック×ホワイト×オレンジ、ホワイト×レッド×ブラック、マットブラック×ブラックオーダー(+2万1000円)
※販売時はコンポーネントがシマノ・アルテグラ6800に、ステムとハンドルバーがデダ・ゼロ100に変更となります。
CYCLE SPORTS .jp編集長・ナカジの試乗レポート
設計コンセプトとしては、リヤで振動吸収性をアップさせているということだが、極太のフレームから想像されるとおり、かなりガチッとした乗り味を持つフレームだ。
ベルギーの石畳を走りきることを考えただけのことはある。フレームが、もっと力をぶつけてきてもいいんだぜ?と言っているようだ。
フォークのブレードもフレームに負けず劣らずごつい。下りのブレーキングでもしっかり止まってくれるし、コーナリングでもたわむ感じはしない。
自分が元気なうちは、打てば響くような反応を返してくれるので踏みがいがある。だが、実際問題として、なかなかそこまでパワフルに走り続けることは難しい。
疲れてくると、とたんにフレームからの要求をつらく感じてしまうのが正直なところだ。距離の短いレースやスプリントで、このフレーム特性が味方になってくれるだろう。