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ロドリゲスが得意の独走で2連覇! イル・ロンバルディア2013

世界選の表彰台で悔し涙を流したロドリゲスが逆襲!

 

Photo: Graham Watson

世界選での雪辱を果たしたアタック

 

1週間前の日曜日、スペインのホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)は、イタリアのトスカーナ地方で開催された世界選手権で惜敗した。しかし、表彰台で悔し涙を流した彼の心は、けっして折れてはいなかった。


舞台を北イタリアへと移して開催された、今季ヨーロッパで最後のUCIワールドツアーのイル・ロンバルディアで、ロドリゲスはアルカンシエルを着て走る夢は叶えられなかったが、その背中にはディフェンディングチャンピオンの証であるゼッケン1が輝いていた。

去年と同じコースで、去年と同じ冷たい雨のなか、優勝候補の筆頭だった彼は、去年と同じ終盤のビッラ・ベルガーノの丘でアタックを決めた。その渾身のアタックには、誰一人つき従うことはできなかった。


ロドリゲスは単独でゴールへと飛び込み、ロンバルディア2連覇を果たし、世界選での雪辱を果たしたのだ。

 

 

第106回イル・ロンバルディアは、194選手がベルガモからスタート。

 

50km地点でファビオ・フェッリーネ(アンドロニジョカットリ)、アレッサンドロ・デマルキ(キャノンデール)、ミカエル・アルバズィーニ(オリカ・グリーンエッジ)がアタック。レト・ホーレンシュタイン(IAMサイクリング)、チェーザレ・ベネデッティ(ネットアップ)、モーリッツ・ラメルティンク(バカンソレイユ)が加わって、逃げグループを形成した。

 

バルカーバ峠のふもとで、集団とのタイム差は3分10秒だった。

 

雨が降りだした峠でアルバズィーニとフェッリーネが脱落し、先頭は4人になった。メイン集団ではペーテル・サガン(キャノンデール)が早々と遅れ始め、そのままレースを棄権した。集団の先頭からは数十人の選手が先行し、残り125kmで逃げていた4人を吸収した。

 

ゴールまで残り92kmで、優勝候補の1人だった地元イタリアのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が落車。彼のロンバルディアもここで終わってしまった。集団はソルマーノ峠のふもとで1つになった。

 

ソルマーノ峠では、コロンビアのナイロアルベルト・キンタナ(モビスターチーム)が集団の先頭を引き、ラファウ・マイカ(チームサクソティンコフ)、ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル)、アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)、ロドリゲスが後に続いたが、フィリップ・ジルベール(BMCレーシング)はここでメイン集団から脱落してしまった。

 

ソルマーノ峠の下りでアタックしたキンタとバルベルデに、イタリアチャンピオンのイバン・サンタロミータ(BMCレーシング)、ジャンパオロ・カルーゾ(カチューシャ)、エンリーコ・ガスパロット(アスタナ)が合流し、先頭グループを形成した。

 

そこに集団からフランスのトマ・ヴォクレール(ヨーロッパカー)が、残り61kmで合流。彼はそのまま単独アタックを敢行し、独走でギザッロ峠を目指した。

 

雨のギザッロ峠山頂で、ヴォクレールと後続グループのタイム差は3分以上開いていた。もし彼がロンバルディアで優勝すれば、それは1997年のローラン・ジャラベール以来のフランス人の優勝だった。

 

しかし、カチューシャチームの働きでタイム差は次第に縮まり、ヴォクレールはゴールまで残り13kmで捕まってしまった。

 

そして迎えた最後のビッラ・ベルガーノの丘で、最初にメイン集団からアタックしたのはフランス人のティボー・ピノ(FDJ.fr)だったが、すぐにポッゾビーボが反応して彼を捕まえた。

 

そして先頭を引くポッゾビーボの後ろから、残り10kmを切ったところでアタックしたのはロドリゲスだった。

 

ロドリゲスはあっという間にライバルたちに10数秒のタイム差を付け、独走を開始。後方ではバルベルデやダニエル・マーティン(ガーミン・シャープ)が必死に追いすがろうとしたが、彼を視界に捕らえることはできなかった。

 

そのとき、ロドリゲスの無線機は壊れていたが、彼の走りはゴールラインを通過するまで、一切の迷いはなかったのだ。

 

ロンバルディア2連覇を達成したロドリゲスは、UCIワールドツアーランキングでも首位の座を獲得。3年連続1位に王手をかけた。

 

 

●優勝したロドリゲスのコメント「素晴らしいレースだから、ボクにとっていい勝利だった。この瞬間をただ楽しむよ。ボクはいつでも前を見ようとする。世界選があんなだったから、今週は簡単ではなかった。でも、家族や友人がこのレースに集中することを手助けしてくれた。だからボクは勝者になれたんだ。自分が世界選の後で立ち直って、次のレースに集中することを、自分自身に証明してみせることが重要だった。この勝利は、これが自分のレベルなんだと知り、そして2014年に向かって進む手助けになるよ」

 

「もし勝ちたかったら、あそこ(ビッラ・ベルガーノ)でアタックしなければいけないのはわかっていた。今は10月で、レースは240kmと長く、雨で寒く、スピードは去年よりも速かった。集団は疲れきっていたんだ。決定的なアタックをしなければならないと思っていた。正しい瞬間にアタックはしたが、下りでは雨のコーナーが決して信用できなかった。だから最後の下りはものすごくストレスだったよ。勝つことは素晴らしいが、けっして簡単ではないよ」

 

イル・ロンバルディア2013結果

1 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)6時間10分18秒

2 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+17秒

3 ラファウ・マイカ(チームサクソ・ティンコフ/ポーランド)+23秒

4 ダニエル・マーティン(ガーミン・シャープ/アイルランド)+45秒

5 エンリーコ・ガスパロット(アスタナ/イタリア)+45秒

6 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+55秒

7 ピーテル・セリー(オメガファルマ・クイックステップ/ベルギー)+55秒

8 フランコ・ペッリゾッティ(アンドロニジョカットリ/イタリア)+55秒

9 イバン・サンタロミータ(BMC/イタリア)+55秒

10 ロベルト・ヘーシンク(ベルキン/オランダ)+55秒