2014年いちばんの目玉商品、マドン4シリーズ
マドン4シリーズ試乗レポート
おもな変更点は、メインチューブに上位モデルとほぼ同じKVF形状を採用したこと。目的はもちろん空力性能の向上だ。
これによって見た目はかなり上位モデルに近くなり、新世代マドンファミリーの一員になったという感じ。シートマストやダイレクトマウントブレーキは採用されていないが、メンテナンス性や調整幅の広さというメリットを考えると妥当な選択だ。
1年前に乗った2013モデルを思い出しつつ走りを比較すると、走行性能の違いは思っていた以上に大きいように思う。「しっとり一辺倒」だった前作に対し、新作はタメを残しつつもフレームの動きがギュッと締まった印象で、挙動の軽快感が向上している。
加速も減速も明らかに良くなっており、ハンドリングの精度も上がっている印象を受ける。しかも快適性は非常に高いままだ。
マドン5シリーズと比較してみた
4シリーズと5シリーズのヒエラルキーは崩れていないが、純粋な性能差は縮まっている。
ただし、同じマドンシリーズながら4と5では方向性は少々違う。5シリーズがほどよくクイックなハンドリングを持つのに対し、4シリーズの挙動は直進安定性重視でゆったりとしたもの。
加速、巡航、登坂のすべてが得意でロードバイクとして完成度が高い5シリーズは「乗りこなしやすく快適性の高いレーシングフレーム」という印象だが、4シリーズは「しっかりと走れるコンフォートバイク」と表現したくなる性格。軸足の位置が違うのだ。
万能フレームとして正常進化しており「ちょっといいカーボンバイクがほしい」という人には問題なく推薦できる完成度に達した新型4シリーズ。
ラインナップは、メインコンポをアルテグラDi2としたマドン4.9、機械式の新型アルテグラで組まれたマドン4.7、105完成車のマドン4.7、105完成車のマドン4.3という3グレード。
さらに2014モデルから、このマドン4シリーズもプロジェクトワン対応モデルとなる。
トレック・新型マドン4シリーズ
完成車ベース価格(税込) 34万8600円~
フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
メインコンポーネント:シマノ・105
サドル:ボントレガー・アフィニティRL
シートポスト:ボントレガー・カーボン
ハンドルバー:ボントレガー・レースVR-C
ステム:ボントレガー・レースライト
ホイール:アルミハブ&ボントレガー リム
タイヤ:ボントレガー・R1 ハードケースライト 700×23C
サイズ:50、52、54、56、58
カラー:プロジェクトワン(カスタムフレーム)
■ヘッドチューブ、ダウンチューブ、フォークブレード、シートステーがKVF形状となった。上位機種と違って通常の真円シートポストを使用するため、シートチューブはKVFではない。
■ダイレクトマウントブレーキの採用は見送られているが、シートステーの形状などは上位モデルの構造を踏襲。実際に走っても、形状が持つメリットを引き継いでいる印象。
■フレームのカラーやデザイン、各パーツのグレード、各パーツのサイズ、ホイールのカラーなどを自分好みに設定できるオーダープログラム「プロジェクトワン」の対象バイクに、このマドン4シリーズとドマーネ4シリーズが追加されたことも大きなトピックだ。これにより、30万円台から自分だけの一台を手に入れることが可能となった。