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ロジャースが悪天候のレースを制した! ジャパンカップ2013 ハイライト

22年間の歴史でもっとも過酷な悪天候になったレースを制したのは、TTスペシャリストのロジャースだった

 

 

CYCLE SPORTS.jp

終日降り続いた雨の中、繰り広げられた激しい闘い

 

今年のジャパンカップサイクルロードレース(アジアツアー1.HC)は、22年の歴史でもっともひどい土砂降りに見舞われた。それにもかかわらず、例年と変わらない大勢の観客が宇都宮市森林公園周辺周回コースに集結し、国内外から選ばれたトッププロの走りを堪能した。

 

第22回大会にはUCIプロチーム7チームを含む海外10チームと、国内の精鋭7チームが参戦。昨年の覇者イヴァン・バッソ(キャノンデール)を筆頭に、3度目の優勝を目指すダミアーノ・クネゴ(ランプレ・メリダ)や、優勝経験のあるダニエル・マーティン(ガーミン・シャープ)らトップ選手が顔を揃えた。


ジャパンカップに初めて参加したチームスカイには、今年パリ~ニースを制したリッチー・ポートや、直前のツアー・オブ・北京で総合3位になったダビド・ロペスの姿もあった。


しかし、晩秋の冷たい雨は、ジャパンカップに意外なチャンピオンをもたらした。残り2周の古河市林道で精鋭グループから抜けだしたのは、TT世界チャンピオンに3度輝いた経験がある、TTスペシャリストのオーストラリア人、マイケル・ロジャース(チームサクソ・ティンコフ)だった。


33歳のベテランに唯一ついて行けたのは、英国のジョシュア・エドモンドソン(チームスカイ)で、2人は後続に30秒近い差を付けたまま、最終周回へと突入した。

 

後方ではクネゴ、ロペス、フリアンダビド・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)、ジョゼフ・ダンブロウスキー(チームスカイ)、ジャック・バウアー(ガーミン・シャープ)、そして日本の西谷泰治(愛三工業)が必死に2人を捕らえようと追い続けたが、TTスペシャリストのロジャースを視界に捕らえることすらできなかった。


最後は21歳のエドモンドソンも力尽き、33歳のベテラン、ロジャースの独走になった。そして今大会のオフィシャルスポンサーだったサクソバンク社のVIPが見守る前で、彼は胸のスポンサーロゴを指さして、フィニッシュラインを通過した。

 

ロジャースにとって、これは今季初優勝だった。2位争いはゴールスプリントになり、バウアーがクネゴを打ち負かした。


■ロジャースのコメント「残り2周回の上りで、チームメートのローリー・サザーランドとエフゲニー・ペトロフが素晴らしい仕事をしてくれて、先頭集団は7~8人くらいに減ってしまった。そのあとすぐに、ボクはエドモンドソンと2人になったんだ。

 

最後は独走に持ち込んで、タイム差が広がり続けたから残り数kmは楽しむことができた。チームメートたちの完璧なお膳立てで勝つのは素晴らしい。それでこんな素晴らしい形でシーズンを終わらせることができたんだ」

福島晋一、最後のジャパンカップ

今年もレースは1週目から日本人選手がアタックして先行するいつもの形になったが、そこには今季限りでの引退を表明している、42歳の福島晋一(チームNIPPO・デローザ)も入り、沿道の観客から「お兄ちゃん、頑張れ!」と、熱い声援を浴びつづけていた。


福島は6周回にかけられていた山岳賞を取ろうと試みたのだが、山頂でルイスエンリケ・ダビラ(ジェリーベリー)に抜かれてしまい、ジャパンカップで最後の表彰台に立つことは叶わなかった。

 

しかし、彼はファンの声援に応えるかのように、逃げが残り2周回で全員集団に吸収まで逃げ続けていた。もしも敢闘賞があれば、まちがいなく福島が獲得していただろう。


[各賞]
■山岳賞:マティアス・フリーデマン(チャンピオンシステム/ドイツ)、ルイスエンリケ・ダビラ(ジェリーベリー/メキシコ)、吉田隼人(シマノレーシング)
■アジア最優秀選手賞:西谷泰治(愛三工業レーシングチーム/日本)
■U23最優秀選手賞:ジョゼフ・ドンブロウスキー(スカイプロサイクリング/米国)

第22回ジャパンカップサイクルロードレース結果

1 マイケル・ロジャース(チームサクソ・ティンコフ/オーストラリア)4時間25分00秒
2 ジャック・バウアー(ガーミン・シャープ/ニュージーランド)+44秒
3 ダミアーノ・クネゴ(ランプレ・メリダ/イタリア)+44秒
4 フリアンダビド・アレドンド(チームNIPPO・デローザ/コロンビア)+44秒
5 ダビド・ロペス(スカイプロサイクリング/スペイン)+50秒
6 マヌエーレ・モーリ(ランプレ・メリダ/イタリア)+58秒
7 ジョゼフ・ドンブロウスキー(スカイプロサイクリング/米国)+58秒
8 カルロス・ベロナ(オメガファルマ・クイックステップ/スペイン)+58秒
9 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム/日本)+1分05秒
10 ジョシュア・エドモンドソン(スカイプロサイクリング/英国)+1分33秒
[出走:84選手/完走:39選手]

 

今年も大盛況! ジャパンカップ・アフターパーティー

ジャパンカップでは、熱戦を繰り広げた選手たちとレース後に直接交流できるアフターパーティーがすっかり定着しているが、今年は来日チームが増えたこともあり、パーティーの数もいっきに増えた。こんなパーティーは海外のレースではまったく考えられないものだから、日本のレースファンは本当に幸せだ。

 

パーティの様子はこちらのリンクでチェック

■キャノンデール → http://www.cyclesports.jp/depot/detail.php?id=7569

■ランプレ・メリダ → http://www.cyclesports.jp/depot/detail.php?id=7570

■Rapha×チームスカイ → http://www.cyclesports.jp/depot/detail.php?id=7571

■ガーミン・シャープ → http://www.cyclesports.jp/depot/detail.php?id=7574

 

問い合わせ先

2013ジャパンカップ・サイクルロードレース
http://www.japancup.gr.jp/