入門ロードバイク・TREK Madone 4.5

旗艦モデルの６シリーズと同じく、フレーム成型時に超高圧をかけて内部に発生する空隙を超低率にするトレック独自のカーボン製法であるOCLVを新たに採用。

素材も専用となる400シリーズOCLVカーボンを使用して、軽いペダリングと優れた反応性といった動力性能を向上させつつ、ロングライドに対応できる高い振動吸収性を両立させている。

フレーム形状では、上位機種に採用されるBBシェル幅が業界最大の90mmとなるBB90を新たに搭載。これにより、BB部とつながる各チューブ径を大径化でき、ハンガー部の剛性アップによるダイレクトでキレのいいペダリングフィールも実現している。

数的なデータを見ると、フレーム重量は150g軽量化された1100g、剛性は20%アップという飛躍的な進化を遂げている。

ジオメトリーは、ツール最多制覇の実績を誇る上位機種に準じたレース設計だが、ヘッドチューブのみ30mm長い「H2」仕様で、体への負担が少ない乗車姿勢を提供する。

ロングライドの有効性はもちろん、レース対応の鋭い加速性能を入門者でも無理なく楽しむことができるのがうれしい。

さらにトレックは「限定生涯保証」によって、ファーストオーナーへ無期限の保証で安心も提供する。

マドン4.5はカーボンの入門機でありながら、上位機種のテクノロジーを随所に採用し、本格ライドも十分可能だ。その実力は「Best in Class」と呼ぶにふさわしいモデルだ。

■写真下・左：ヘッド下部のベアリングを1.5インチ径に設計したe2ヘッドチューブ。大径ベアリングが路面からの突き上げをしっかりと受け止め、高いねじれ剛性を発揮。俊敏で正確なステアリング、安定したブレーキングに貢献する。

■写真下・中：新しいボントレガー・RLフォークがセットされる。アルミコラムとカーボンブレードのハイブリッド構造により、横方向とねじれには強く、縦方向にはしなやかに作られており、反応性のよさと快適性を両立している。

■写真下・右：サイクルコンピュータ用のセンサーを内蔵したデュオトラップシステム。エアロダイナミクスに優れ、スマートな見た目を演出する。ANT＋規格を採用するボントレガー、ガーミン、パワータップ、SRMなどに対応。

【吉本 司の試乗インプレッション】

入門者はロードバイクのあらゆる楽しみ方を模索している。

したがって高い万能性は大きな魅力であり、マドン4.5は申し分ない存在だ。ハンガー部のねじれ剛性とフレーム全体の横剛性のバランスが秀逸で、トルクをかけると滑らかにバイクが前に出る。

疲れてきてケイデンス重視で走っても軽やかさがあり、どんなタイプの走り方でも対応できる懐の深さを持っているので扱いやすいだろう。

そしてフォークブレードはポジティブなウイップがあって路面を捉えやすく、ステアリングは統制の取れた軽さを持つ。

そこにシートまわりとバックステーによって生み出される抜群の乗り心地がプラスされ、非常に優れたフラットライドによってバイク任せに走っていけるので、入門者にも安心感が高いだろう。

基本性能が高いバイクなので、用途に応じてカスタムすればロングライドはもちろん、かなりレベルの高いロードレース、ヒルクライムにも十二分な戦闘力を発揮してくれる。

北米高級スポーツバイク市場で最大のシェアを誇るアメリカンブランド。高品質で名高いOCLVカーボンを駆使したバイクを1990年代初頭から手がけ、カーボンの先駆者としても知られる。

プロサイクルロードレースでの輝かしい功績とそのフィードバックにより、これからもロードバイク界を牽引するブランドだ。

完成車価格：22万9000円（シマノ・105仕様）

フレーム：400シリーズOCLVカーボン

フォーク：ボントレガー・RL

コンポーネント：シマノ・105

ホイール：ボントレガー

タイヤ：ボントレガー・R1 700×23C

サドル：ボントレガー・アフィニティ1

ハンドルバー：ボントレガー・レースVR-C

ステム：ボントレガー・レースライト

シートポスト：ボントレガー・カーボン

試乗車実測重量：8.47kg（56サイズ、ペダルなし）

サイズ：50、52、54、56、58 カラー：クリスタルパールホワイト×プラチナ

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