理想のディスク性能を実現!ストーク・アエロナリオ ディスク
独自規格のスルーアクスル採用
ベースとなるのは2012年に発表されたエアロロード「アエロナリオ」。
一見すると違いはないように思えるが、じつはディスクブレーキ採用に合わせてかなりのモディファイが行なわれている。
競合他社のディスクロードはホイールの互換性を考えて一般的なクイック式のハブ規格を使用するが、ストークは独自規格のフロント9mm、リヤ10mmのスルーアクスルが採用されている。
これはディスクブレーキの圧倒的な制動力を安定して発揮するための設計だ。
互換性よりも独自規格を採用してまでディスクブレーキの有効性を追求する、さすが奇才と呼ばれるマーカス・ストークらしい物作りといえる。
ディスクブレーキを採用したことにより、シートステーはブレーキブリッジが省かれ柔軟性が増して乗り心地が高まるという副産物も生まれている。
ポン付け的なディスク化ではなく、しっかりディスクの有効性を追求した物作りがすばらしい一台といえるだろう。
ちなみに対応するハブは今のところDTがこのバイク用に限定で製作したホイールセットしかなく、当然ながらアエロナリオディスクは数量限定で販売される。
STORCK AERNARIO DISC
ストーク・アエロナリオ ディスク
フレーム価格 53万5500円
フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
コンポーネント:スラム・レッド
ホイール:DTスイス・RC28
タイヤ:シュワルベ・アルトレモZX
ハンドルバー:ストーク・RBC220
ステム:ストーク・ST115
サドル:セライタリア・モノリンクSLS
シートポスト:ストーク・モノリンクMLP150
参考重量:6.30kg(サイズ57)
サイズ:47、51、55、57、59、63
カラー:ホワイト×ブラック
■写真下・左:テーパード構造のヘッドチューブ。リヤブレーキワイヤはヘッド部から挿入され、ダウンチューブを通ってキャリパーへと結ばれる。
■写真下・右:プレスフィットタイプを採用したハンガー部。ダウンチューブは、実際の走行時にもっとも効率的な空力特性を得られる形状に成型。
■写真下・左:リヤエンドは10mmスルーアクスルの採用によって大幅にボリュムアップされ、チェーンステーとの一体感が強い形状になっている。
■写真下・右:リヤブレーキキャリパーは、チェーンステーとシートステーをまたぐように固定される。安定した制動とハウリングを抑えるためだ。
■写真下・左:フロントフォークはクラウンからブレードまでまったく異なる形状の新設計。とくにクラウン部分のボリュームアップが特徴的だ。
■写真下・右:シートステーはブレーキブリッジレスの仕様となった。従来よりも柔軟性を高めることが可能になり、乗り心地の向上に貢献する。
吉本 司の試乗インプレッション
ノーマルタイプのアエロナリオにも乗ったが、このディスクブレーキ仕様の走りは別物。
もちろん、それはポジティブな印象で、個人的にはディスク仕様の走りのほうが断然好きだ。
ディスクブレーキ採用によりフロントフォークとリヤエンドまわりの剛性が高く、ダンシングでバイクを振ったときの軽快感、加速でのキレのよさなど、バイクの運動性能は大きく向上している。
とくにフロントフォークは、ディスクブレーキの強力な制動力にもブレードが音を上げない剛性を持っており、思い切った制動ができる。
慣れは必要だが、リヤを含めてディスクブレーキとなったことで、コーナーの進入速度をギリギリまで保つことができるだろう。
CXバイクを含めてまだ数台しかディスクロードに乗っていないが、これまで経験したモデルとは段違いともいえる完成度のブレーキ性能だ。
想像はしていたが、ディスクロードはスルーアクスルによる大径シャフトがマストだと感じた。
創業者 マーカス・ストーク インタビュー
MTBで使われる12mmや15mmのスルーアクスルを考えたが、それでは重いのと剛性が高くなりすぎることから独自のフロント9mm、リヤ10mmスルーアクスルを思いついたという。
シマノやスラムにこの規格を作るように働きかけたというが、まったく応じてもらえず、最終的にDTがそれを限定で生産することでアエロナリオ ディスクが完成に至った。
マーカスは「MTBでディスクが広がったことからもわかるように、ロードも同じように普及するだろう」と予測する。
そして「それには現状のエンド規格では物足りない」とのこと。