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シリーズ初のモデルチェンジ!FELT AR4

ピュアレーサー向けのF、コンフォート系のZ、そしてエアロ系のARと、3種類のロードシリーズを展開するフェルト。

2008年のツール・ド・フランスで初めて実践投入され、翌年からラインナップに加わったARシリーズは、エアロロードブームに先鞭をつけた存在といっても過言ではない。そのARが5年もの開発期間を経て初のモデルチェンジを果たした。

 

text:大屋雄一 photo:小見哲彦

デザインが直線基調へと一新され、シャープな印象

 

タイヤに沿うように設計されたダウン&シートチューブなど、曲線を多用していたフレームのデザインは直線基調へと一新されて、よりシャープな印象に。

ヘッドパーツの下ワンは昨今のトレンドにのっとって拡大されているが、サイズを1-1/4に抑えることで空気抵抗の低減と剛性を高次元で両立している。

 

同様のことがBBにも当てはまり、新たに採用された規格は68mm幅のBB30である。

ダウン&シートチューブをBBエリアまでスリムに設計できたのは、これによるところが大であろう。

 

この「AR4」は完成車としてはセカンドモデルにあたり、フレーム&フォークに使われているカーボン素材はエントリーグレードのUHCパフォーマンス。

ホイールは新製品のRS31で、シマノの通常ラインナップにはないレッドラベルを採用するなどカラーコーディネートにも気を遣う。

 

注目すべきは価格で、クランクセットやキャリパーまですべてアルテグラのエアロロードで40万円を下まわる。

スタイリングも含めて人気が高まりそうだ。

 

フェルト・AR4

FELT AR4

シマノ・アルテグラ6800完成車価格  37万5900円

 

フレーム:カーボン

フォーク:カーボン

コンポーネント:シマノ・アルテグラ6800

ホイール:シマノ・RS31

タイヤ:ヴィットリア・ルビーノプロ 700×23C

ハンドルバー:フェルト エアロVS

サドル:プロロゴ・ゼロT2.0

シートポスト:フェルト・VMエアロ

ステム:フェルト SL

試乗車実測重量:8.16kg(540サイズ、ペダルなし)

サイズ:480、510、540、560

カラー:クロスカーボン

 

 

 

■反転させることでTTポジションに対応する新デザインのシートポスト。あわせてシートクランプやサドルレールの固定方法も一新した。

 

 

■シフトワイヤの入り口がトップチューブ真上からダウンチューブに。取り回しは通常とは反対で、右がフロント用、左がリヤ用。

 

 

■チェーンステー下側に設けられたダイレクトマウント式のリヤキャリパー。BB規格は従来のJISから同じ68mm幅のBB30へと変更。

 

 

■上端後方にフィンを設けるなどエアロダイナミクスをさらに向上させたフロントフォーク。下ワン径は1-1/8から1-1/4に拡大された。

 

大屋雄一の試乗レポート

 

先代比で空気抵抗を14.7%も減少させるなど、デザインを一新することでエアロダイナミクスをさらに進化させたARシリーズ。

フェルトのFシリーズを踏襲したジオメトリーはほぼ変わっていないが、トップチューブがややスローピングとなりシートポストを出せる長さが増えた。ルックス重視には朗報だ。

翼断面のスリムな見た目から、縦方向に硬くて乗り心地が悪そうというイメージを持ちがちだが、意外なほど突き上げ感が少ない。

これは振動吸収性をも考慮したシートステーの形状やシートポストの設計のおかげだろう。

 

一方、横方向の剛性については適度に高く、とくにペダリングを止めずに曲がれるレベルの高速コーナーでは前後のタイヤが路面に吸いついているかのように旋回する。

もっとも輝くのは高速巡航時で、普段よりもスピードを維持しやすいだけでなく、斜め前方からの向かい風を受けたときの失速感が軽微なのだ。

 

ダイレクトマウント式のリヤブレーキは絶対制動力こそ低いものの、速度の微調整には適している。

各部の形状が特殊ゆえに装着できるアクセサリー類に制約はあるが、エアロロードが気になっていたという人に向けて素直にお勧めできる1台だ。

 

 

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