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スパルタンに進化した、バッソ・ディアマンテ

経営規模こそ大きくはないものの、堅実な製品作りで本国イタリアはもとより、欧州諸国でも好評の「バッソ」。2014年のコレクションでは旗艦機となる「ディアマンテ」に大胆なフルモデルチェンジを行なった。

 

text:吉本 司、photo:岡 拓

レースを強く意識したモデル

 

フレームは東レ製のT800とT1000の1Kハイモジュラスカーボンを素材とし、製造には軽さと高剛性を後押しするオートクレーブ製法が用いられる。

 

フレーム単体重量で830gという軽さを実現したディアマンテは、これまでのバッソの製品とは一線を画すヘッドまわりの独特なデザインが印象的だ。

 

ヘッドチューブの上端はトップチューブに対してわずかに下げた設計とし、一般的な形状のヘッド部よりもハンドル位置を下げることができる。

 

試乗車の530サイズでは127mmという短いヘッドチューブ長だ。昨今はレースモデルでもヘッドチューブを長めに確保する傾向が強いが、「ディアマンテ」はそんな流行への反発ともいえる硬派なレーサースタイルだ。これもイタリアならではといえる。

 

上下異径ヘッドやブレスフィットBB、電動コンポ対応の内蔵ワイヤ、エアロダイナミクスに配慮したシートまわりなど、最新ロードのキーコンセプトはしっかりと盛り込まれており、フレーム単体価格もハイエンドモデルとしては良心的。

 

加えて独特のフォルムを実現するとなれば、人とは違ったモデルに乗りたいサイクリストは食指を動かされるはずだ。

 

 

BASSO DIAMANTE

バッソ・ディアマンテ

フレームセット価格36万5400円

 

■フレーム:カーボン

■フォーク:カーボン

■コンポーネント:シマノ・デュラエース9000

■ホイール:シマノ・デュラエースC50

■タイヤ:ミシュラン・プロ3ライト 700×23C

■ハンドルバー:マイクロテック・クァンタム

■ステム:オリジナルステム

■サドル:フィジーク・アンタレス

■シートポスト:オリジナルシートポスト

■試乗車実測重量:6.94kg(530サイズ、ペダルなし)

■サイズ:450、480、510、530、560、580、610

■カラー:レッド、ホワイト、ブラック、ブラック×レッド、ブラック×イエロー

 

 

■ステムとの一体感を高めたヘッドまわりのデザインは、ハンドル位置を低く設定できる。

専用ステムとコラムスペーサーが付属する。

 

 

■クラウンまわりはボリュームの大きな設計で高剛性を確保するものの、先端部はベンドスタイルによって乗り心地が追求される。

 

 

■三角断面に成型されたチェーンステーは、BB側をかなり内側に絞り込み剛性を高める。

23Cタイヤとのクリアランスは小さめだ。

 

 

■トップチューブから連なるようにデザインされたシートステー。

横方向への扁平を強調するが、厚みも十分なのでねじれ剛性は高い。

 

吉本 司の試乗レポート

 

短く設計されたヘッドチューブをはじめ、レースを強く意識したモデルだが、そのコンセプトは走りにも表現されている。

ひと言で表すならスパルタン。フレーム重量は830gというが、そのわりに各チューブは硬質な印象で、これが走りに直結している。

 

ヘッドからハンガー部の剛性は十二分ともいえるほどのしっかり感だ。

ペダリングは踏みの意識を強くしたほうが推進力を得られるので、脚力に覚えのないライダーは時に必要以上に踏まされてしまうかもしれない。

 

しかし、ペダルにしっかりとパワーをかけられるライダーにとっては、高速域でのスピードの伸びのよさは大きな武器となる。

フレーム全体の剛性バランスも最適なので、ダンシング、シッティング問わず上りもスムーズに走れる印象があり、オールラウンドなレーシング性能といえる。

 

乗り心地は小さな振動をコトコトとやや伝えやすい面もあるが、剛性レベルからすれば妥当。レースモデルとして不足はない。

 

気になる点をあげるなら特徴的なヘッド部。専用のコラムスペーサーは最小厚が5mmなので、シビアなポジション調整には対応しにくい。サイズがフィットすればレース志向のライダーにいいだろう。

 

 

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