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トレックファクトリーレーシング始動

2014年1月10日、フランスのルーベにて、世界最高峰のロードレースを闘っていく新生ワールドツアーチーム「トレックファクトリーレーシング」の発表が行なわれた。

クラシック王者のカンチェッラーラを中心に、ツール制覇を狙うシュレク兄弟、絶対的アシストとして人気の高いフォイクトと、そうそうたるメンバーが名を連ね、日本からも別府史之がチームの一員としてシーズンを闘う。

 

Photo: Graham Watson、TREK

TREK FACTORY RACINGがついに始動

レディオシャック・レオパードからワールドツアーライセンスを引き継ぎ、今季米国登録のUCIプロチームとして生まれ変わったトレックファクトリーレーシングが1月10日、フランス北部のルーベでチームプレゼンテーションを行なった。

ルーベのベロドロームと言えば、クラシックの女王と呼ばれるパリ~ルーベのゴールとして有名な場所であり、トレックファクトリーレーシングの主要選手であるスイスのファビアン・カンチェッラーラが昨年優勝したのは記憶に新しい。

今回チームプレゼンテーションが行なわれたのは、ルーベのゴールである屋外ベロドロームの隣に新しくオープンした屋内ベロドローム。当日はファンクラブ会員が1200人集まり、新チームのスタートを祝福した。


北フランスのルーベはベルギーに近いため、この日の午前中には250人のファンクラブ会員が、ロンド・ファン・フラーンデレン(ツール・デ・フランドル)に使われる東フランダース地方のコースを、ファビアン・カンチェッラーラと一緒に68km走るツーリングイベントも開催された。

 

チームのファンクラブイベントは今後もワールドツアースケジュールにあわせて実施を予定しており、ファンクラブメンバーには国内外に限らず同様のイベントに参加する機会が提供される。

 

日本の別府史之がチームの一員としてシーズンを戦う

 

フランスの名選手、ジャン・スタブリンスキーの名を冠したベロドロームで行なわれたチームプレゼンテーションには、所属選手28名のうち24名が出席し、アシンメトリーにデザインされた黒いチームジャージ姿を披露。

そのなかには、オリカ・グリーンエッジから移籍した日本の別府史之も含まれていた。

欠席したニュージーランド人のジェス・サージェントとハイデン・ルールストン、オーストラリア人のカルビン・ワトソンの3人は、この週末に母国で開催されたナショナル選手権に参加。

ルールストンは12日に開催されたロードレースで優勝し、トレックファクトリーレーシングに初の勝利をもたらしている。


昨年までチームNIPPO・デローザで走り、日本のファンにも馴染みが深いコロンビアのフリアン・アレドンドは、残念ながらビザの問題で出席できなかった。

 

トレックファクトリーレーシングは、昨年レディオシャック・レオパードで走っていた18名が今季も引き続き所属する。新規加入は10名で、そのなかにはオランダの名スプリンター、ジャンポール・ファンポッペルの息子であるボーイとダニーの兄弟が含まれている。

新体制でのUCIワールドツアーデビュー戦となるオーストラリアのツアー・ダウンアンダーには、フランク・シュレク、イェンス・フォイクト、ファビオ・フェッリーネ、ファンポッペル兄弟、ローラン・ディディエ、ワトソンが参加する予定だ。


 

[トレックファクトリーレーシング(米国)]

エウジェニオ・アラファチ(イタリア/レオパード・トレック)

フリアン・アレドンド(コロンビア/チームNIPPO・デローザ)

別府史之(日本/オリカ・グリーンエッジ)

マシュー・ブッシュ(米国)

ファビアン・カンチェッラーラ(スイス)

ステイン・デボルデル(ベルギー)

ローラン・ディディエ(ルクセンブルク)

ファビオ・フェッリーネ(イタリア/アンドロニジョカットリ)

ダニロ・ホンド(ドイツ)

マルケル・イリサール(スペイン)

ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)

ロベルト・キーゼルロブスキー(クロアチア)

ジャコモ・ニッゾロ(イタリア)

ヤロスラフ・ポポビッチ(ウクライナ)

グレゴリー・ラスト(スイス)

ハイデン・ルールストン(ニュージーランド)

アンディ・シュレク(ルクセンブルク)

フランク・シュレク(ルクセンブルク)

ジェス・サージェント(ニュージーランド)

ファビオ・シルベストレ(ポルトガル/レオパード・トレック)

ヤスペル・スタイブン(ベルギー)

ボーイ・ファンポッペル(オランダ/バカンソレイユ・DCM)

ダニー・ファンポッペル(オランダ/バカンソレイユ・DCM)

クリストフ・バンドワル(ベルギー/オメガファルマ・クイックステップ)

イェンス・フォイクト(ドイツ)

カルビン・ワトソン(オーストラリア/ネオプロ)

リッカルド・ツォイドル(オーストリア/グルメットファイン・シンプロン)

アイマル・スベルディア(スペイン)

 

●ゼネラルマネージャー:ルーカ・グエルチレナ
●監督:キム・アンダーソン
●助監督:アドリアーノ・バッフィ、ディルク・ドゥモル、アラン・ガロパン、ルック・メールスマン
 

ブラック基調のクールなチームジャージ

 

ワールドツアーチームのなかでも一番若いトレックファクトリーレーシングのチームジャージは、サイクリング文化に敬意を表したクラシックなデザインを採用。

 

ブラック基調にピンストライプを施したシンプルなものとなっている。右肩と左脚にはホワイトがアクセントとして配置されている。

 

チーム機材はドマーネ、マドン、スピードコンセプト

 

トレックファクトリーレーシングはレースシーンに合わせてトレックの最先端技術を用いて開発した機材を使用していく。

 

メインとなるバイクは「ドマーネ」「マドン」。

クラシックレースを主戦場とする選手はアイソスピード・テクノロジー搭載でエンデュランスジオメトリーの「ドマーネ」を、ツール・ド・フランスをはじめとするグランツールを主戦場とする選手で、よりレーシーなポジションを好む選手は空力性能に優れた「マドン」を使用する。

 

タイムトライアルには全選手「スピードコンセプト」を使用する。

 

レースショップ・リミテッド

 

トレックは選手が実際にレースで使用しているものと同じ装備を「レースショップ・リミテッド」として一般の消費者にも販売する。

すでに販売されているファビアン・カンチェッラーラが実際に使用するジオメトリーを採用した「ドマーネ・クラシックエディション」もバイクだけでなく、ホイールやアパレル、そのほかのアクセサリーも対象となる。

 

トレック副社長、ジョー・ヴァデバンカー氏のコメント

 

トレック副社長、ジョー・ヴァデバンカー氏は、チームの公式発表に関して次のようにコメントしている。

「今日という日は、トレックとチームにとって歴史的な一日。

われわれはレースをこよなく愛しているので、シーズンのスタートが待ち遠しい」

 

 

 下写真は左からファビアン・カンチェッラーラ、アンディ・シュレク、別府史之

問い合わせ先

トレック・ジャパン
http://www.trekbikes.co.jp/